【オタク経済圏創世記】感想・要約
#オタク経済圏創世記
#中山淳雄
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📕内容📕
プロレス・マンガ・アニメ
日本で「オタク文化」と言われる産業が
世界に大きな市場を築いている❗️
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それはなぜか?
オタク文化の広がりから、
2次元、3次元、2.5次元
のコンテンツの変化と展開の仕方
広がり方を
細かく分析して紐解き教えてくれます❗️
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アニメ、ゲーム、イベント、プロレス
などの海外展開を手掛ける
ブシロード執行役員の著者が
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自身の経験から、
これからの時代に必要になるであろう
2.5次元コンテンツ、ライブコンテンツ、
コミュニティをどう考え設計していくか、
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日本と海外の文化の違いからくる
プロジェクトの進め方やマネジメントの違い
など教えてくれます🙏✨
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📗感想📗
めちゃくちゃ勉強になります❗️🙏✨
ちょっと難しくて
何度も読み返したりもしましたが
すごく中身ある内容❗️と感じれました✨
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具体的にどう活かしていくか、というのは
まだ見つかってないですが…
とにかくビビッとくる感じの一冊です❗️
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ビジネス書とか好きな方にはオススメ❗️📕
感想・要約・響いたところ
各章の響いたところや、感想をざっくり伝えていこうと思います!
※あくまで個人の感想ですので、間違った解釈をしてしまってたりもあるかと思います。
もしも気づいた方は、コメントなどで教えていただけるととっても嬉しく思います!
序章 オタクが席巻する世界
今、日本で生まれた「オタク文化」が海外に大きな市場をつくっているそうです。
米国のアラバマ州では数千人の町のコミュニティセンターに「カードファイト!!ヴァンガード」という日本のカードゲームをプレイするために20人以上ものプレイヤーが集まっていた。
70歳を超える白人高齢者のユーザーが、60歳の妻を帯同しながら、まだ10歳に満たない黒人の子供にレクチャーを受けていた。
インドネシアでは戦隊ヒーローであるBIMAのゲームを500万人以上ものユーザーがダウンロードした。
カナダ・バンクーバーのイベントでは50人以上のコスプレイヤーの半分近くが「進撃の巨人」のコスチュームで身をかためていた。
海外で見るオタクの姿は、
あまりに日本と同じようにオタク文化を消費しながらも、
同時に日本と違ってあまりに阿責なくそれを受け入れている様子であった。
僕はもともと、アニメや漫画に詳しいほうではないですが、
印象として、
たしかにネットなどでも海外のコスプレイヤーの姿や、
日本よりもむしろ海外で人気の出ている漫画・アニメが増えてきている印象があります。
こうして広がりを見せているオタク文化ですが、この広がりと同じような流れをもって、今、海外で人気を博しているのが「新日本プロレス」だそうです!
2018年7月13日、新日本プロレスは世界のスポーツ祭典の聖地ともいえるMSGにおいて、翌年4月に米国のプロレス興行団体ROH(リングオブオーナー)との共同興行を行うことを発表した。
______日本人でこの舞台に立ったことのある事例は稀有で、
______その場所で日本のプロレスが興行を開くことも驚きではあるが、なによりもっと驚くべきは、
この巨大会場におけるイベントのチケットが、
サイトオープン後の16分間で売り切れたという事実である。
このように、海外においても「新日本プロレス」が広く認められ、人気となっている!
オタク文化とプロレスとの共通点は何か?
実は、新日本プロレスの親会社は、
カードゲームやモバイルゲーム、アニメ、音楽などのキャラクターコンテンツを展開する「ブシロード」であり、
その海外展開は明確な戦略をもって行われたものだそう!!
アニメやゲームなどの、海外での広がりのポートフォリオをもって、プロレスを海外に展開していった!というワケですね!スゴイ!!
なぜ、オタク文化商品が世界でウケ「やすく」なってきているのか、
答えは、「ライブコンテンツ化」!
インターネットの普及、様々な情報発信、動画配信のプラットフォームの登場。
世の中がデジタル化していくなかで、むしろ
デジタル化によってリアルな関係性が多くの場面で構築しやすくなり、
集合化・社会化の過程は「ライブ感」によって、より高い体験価値を提供できるようになっている。
また、「ライブコンテンツ化」という言葉は、音楽ライブとかみたいな
同時に会場に集まって同時に消費する、みたいなことだけを指すのではない。
一つのコンテンツがアニメ→ゲーム→イベント
と数か月・数週間単位で数珠つなぎに次々とアップデートされ、
ユーザーの需要にこたえて物語を提供し続ける。
好きになったキャラクターについて理解を深め、消費を広げようとすれば、必ずそこには新しい関連商品がある。
その喜びや消費の仕方を共有しあうコミュニティにアクセスできる。
こうした「コンテンツが生きている」状態を指す言葉でもある。
「供給と需要のライブコンテンツ化」が21世紀にオタクジャンル商品を輝かせ、我々が思ってもみないような場所で想像以上の規模の市場を形成しているのだ。
出来上がったひとつのコンテンツ、ではなく、需要に合わせて形を変え、
アップデートを繰り返していき、物語を提供し続ける。
インターネット・SNSの普及によって、
コアなファンコミュニティも生まれやすくなり、
その需要の数だけ、展開先、関連商品がうまれていく!
この「ライブコンテンツ化」こそが、かつて日本が
「ジャパン・アズ・ナンバーワン」
と言われた成功モデルの再臨をもたらし得るエッセンス!
これはきっと何の職業にも当てはまり、
ネットやSNSによりコミュニティを作り出し、
自社コンテンツをいかに「ライブコンテンツ化」できるかが大切だと感じれました!
第1章 2次元の成長期:ニッチがマスになる
日本がキャラクター立国としてなぜ大きな成長を遂げたかといえば、
この時代に商売としてのそろばんを欠いた状態で
利益度外視の作品量産体制を作り上げたが故に、
(低賃金長時間労働を決定づけた功罪はあるものの)
他国では模倣不可能な漫画・アニメ産業が形成され、
21世紀に入っても日本以外に競合のいない状況に導いたのである。
日本の漫画家などのクリエイターは、
海外からみれば想像できないほどに過酷な労働環境にあるそうです。。
これは日本の労働観のなせる業であり、
利益度外視で、ハイクオリティな作品がかなりの安価で売られており、
その先に一部のファンが買う「単行本」など、次の段階でマネタイズを計る
というビジネスモデルになっている。
クリエイターにとっては「超過酷」ですが、その文化によって
日本は世界で随一の「マンガ大国」となり、培われた「文化消費インフラ」は現在のアニメ・ゲーム市場につながっている!
米国に比べて日本は、
雑誌でいうと10分の1の価格のものを3倍のスピードで提供し、
単行本コミックでいっても半額で提供するという
圧倒的な価格優位性・生産体制を築いていることになる。
アニメにおいても、同じようなことが起こっており
アニメ単体ではどう考えても大赤字な契約で制作していたそう。。
1963年に「鉄腕アトム」の作者手塚治虫がアニメ放映を決めた時に、
テレビ局からもらえる放送権料を1話あたり55万円に設定した。
しかし、実際に1話30分の内容を制作するためにかかるコストは250万円だった。
とんでもない契約をしてます。。
しかし当時子供向けのアニメを制作するには、
テレビ局のお財布事情や”新しい挑戦”という意味でもハードルが高く、
このくらいのリスクでなければ不可能だったそう。。
しかし、”制約がイノベーションを生む”とはこのことで、
結果として十分な黒字をつくることに成功します!!
逆に言えば、
この廉価の製作費がメディアミックスという
別軸ビジネスモデルへ触手を伸ばさざるを得ない状況を作り出したともいえる。
テレビ放送量では赤字が埋まらないのならば別の手段を講じなくてはいけない。
それが、「マーチャンダイジング(商品化)」と呼ばれる、
キャラクターを商品にライセンスする手法である。
「テレビアニメという投資で人気に火をつけたキャラクターを使い、商品化展開の利益によって投資を回収する」というモデルが出来上がる。
このモデルの確立によって、
赤字のハズのテレビアニメ制作は加速していき
さらにホームビデオの普及など、技術の革新やマネタイズの手法が多様化していくことによって市場を拡大していった。
海外の市場
このように”利益度外視””大赤字な契約”から見事に市場を形成してきた
マンガ・アニメですが2010年ごろになると、国内の需要は頭打ちになってきます。
しかし!躍進は止まりませんでした!
ここからは”海外の市場”が急激に伸び始めます!
時代の追い風もあり、「動画配信のインフラが普及」したことによるそうです!
2000年代に海賊版によるマンガ・アニメの購読層が日本コンテンツの愛好者として育ち、2010年代に動画配信インフラが普及したことでコンテンツのマネタイズが可能になったことが理由と言える。
この海外の市場は非常に大きく、しかも急激に拡大したのだそう。
この急激な伸びは、計らずしも
”海賊版によりファンを育成したうえでの動画配信”という
「マネタイズを後ろに遅らせる」という手法が成功の要因とも言えそうです!
ここには、マンガ・アニメのみならず、もっと早くからグローバル化し成功を収めていた産業「ゲーム」も関わってきます。
ゲーム市場
ゲームは米国で一度無くなった市場であり、
それを「任天堂」が再築したという「日本のグローバル成功産業」だそうです!
一時は米国でもすごく盛り上がった市場ではありましたが、
各企業が同時に大量のコンソールゲームをリリースしすぎ、
消費者がアレルギー的に市場からいなくなるという事件がおこった。
(アタリショック)
沢山の会社や小売店が倒産、市場規模は縮小。
業界にトラウマを残し各社撤退をしていく中で、
「任天堂」だけが”これはチャンス!”と捉え「ファミリーコンピュータ」を展開!この価格と質は他の追随を許さないものだった!
この破壊的な優位性はあまりに危険な挑戦に裏付けられたもので、
他社商品が数万台しか売れていない時代に2年で300万台分のチップを製造する前提でこの価格が実現していた。
こうしてうまれたファミリーコンピュータが日本のみならず欧米含めたグローバルに成功していく数千万台の大ヒットになったことは周知のことだろう。
もの凄い挑戦だったことがうかがえます。。さすが任天堂!
「アタリショック」の状況をチャンスと捉える姿勢、見習うべきポイントだなと感じれました!
このようにして日本は任天堂を筆頭にゲーム産業を牽引していましたが、
2010年、モバイルゲームの登場によって、流れが変わってしまいます。。
作品作りの失敗というよりもプラットフォームとしての失敗である。
______2010年代のモバイル時代に起きたことは、国内・海外市場の大きな分断である。
モバイルゲームの市場は国内に早くから形成されており、ほとんどのメーカーは国内に力を入れていった。
一つ失敗があったとすれば、
欧米より先行して成長していた日本のモバイル市場を過信しすぎ、
その成功ロジックが「作品として」単体で
海外でも通じると短絡的に考えてしまったことだろう。
_____モバイルゲームはキャラクターの画像を運ぶメディアとしてはよかったが、
キャラクターを浸透させるような
ストーリーテリングができるものではなかったということである。
そしてモバイルゲームだけで完結して、
ほかの商流を巻き込んだ作品としての展開ができなかった_____
そのため、
マーケティングのコストばかりが大きくなり
利益が得られず、すぐに撤退する会社が多かった。
数字の見た目だけを見て、新規参入する企業は多かったが、
その実、最前線は撤退していってる、という時代がつづいた。
このような状態を”レミングの群れ”のようだ、というそうです
レミングはネズミの中まで、何年かおきに大発生した際に海や谷に突入して集団自殺する事例が報告されている。
最終的には日本市場における収益性の高さが、多くのモバイルゲームの新興開発会社の国内回帰を招いた、というのが今わかっている結果である。
この流れにより、世界でトップだったゲーム産業も国内と海外の市場で分断がおこっていきます。
マンガ・アニメ・ゲームのメディアミックス
ここで、マンガ・アニメが登場してきます!
_____マンガ・アニメですでに成功しているキャラクター・ストーリーとともにゲームを展開するメディアミックス型のスタイル_____
このシナジー的な効果によって一つのコンテンツが形を変えて様々な商流に乗り
継続的なファンコミュニティの醸成とその需要による持続的なストーリーの展開が可能となっていく!
”ライブコンテンツ化””コンテンツが生きている”状態をつくりだし
それぞれの商品が互いにプロモーションしあうことで
「キャラクター経済圏」を形成していく!というワケですね!
まとめ
全章紹介していきたかったですが、
やはりまとまり切らず。。
この調子で全章書くとそれで一冊に、、コピー本を執筆してしまいますので
このへんでまとめて終わりたいと思います。。
2章 2.5次元のライブコンテンツ創世記 では「2.5次元化」というビジネスモデルについて、具体的な例も紹介しながら細かく教えてくれます!
3章 オタク経済圏のグローバル化 ではマンガ・アニメ・ゲームなどのグローバル化成功の要因を細かく分析、どのようなポイントがあるかなどを解説してくれます!
4章 3次元の逡巡:プラットフォームの時代からコミュニティの時代へ ではプロレスに焦点を当て他スポーツやアイドルライブとの比較をしながら解説や、5Gによってコンテンツビジネスがどう変わるだろうか?を考察してあります。
5章 日本型グローバル経営2.5 では著者が海外で仕事をしてきた中で感じた文化の違い、それに伴う、創り手・顧客の感覚の違いや出来上がるコンテンツの違いなど他業種にも通ずる、グローバル化するにあたって考えるべきことを教えてくれています。
全く畑違いの業界の話でしたが、とても興味深くおもしろい内容で
勉強になる一冊でした!
ビジネス書が好きな方や、これからの時代のこと勉強したい方は
きっと参考にできる内容の本だと感じます!
僕も、もう少し整理して自分ごとに落とし込みが必要ですが、
この本をきっかけに何か新しい行動に移していこうと思います!
最後までご覧いただきありがとうございました!
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