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Filton (フィルトン)のデザイナー インタビュー / 田邉さん、せっかくなので僕が上野を案内しましょうか?(前編) 

こんにちは、荒岡です。 今回は新鋭ブランド”Filton”(フィルトン)の眼鏡デザイナー 田邉さんが福井から東京にお越しなられたので、僕が地元である上野のおすすめの場所を案内いたしました。 

”Filton”(フィルトン)は、デビュー後まもなく、SNSなどから話題となり、最注目されている新ブランドです。 田邉さんのこと、ブランドのことなどを色々とお伺いいたしましたので、是非ご覧ください。


(本文)

~眼鏡とクラフト at RUTTEN_の前にて~

田邉さん 「荒岡さん、お久しぶりです。 今回、仕事で東京に来たので、挨拶にきました!」

荒岡 「嬉しいな~! ありがとうございます! 今日はこれから仕事ですか?」

田邉さん 「じつは、明日からアポイントが諸々入っていて、今日はゆっくりしようかと思ってます。 せっかく上野にきたのでこの辺を散歩しようかと。」

荒岡 「え!  そうなんですか?  それなら、今日の夕方くらいまででしたら、上野は地元なので案内しますよ!!」

田邉さん 「いいですか?? それはすごい助かります!!」

荒岡 「田邉さん、どこか上野で行きたいと所はありますか?」

田邉さん「正直、この辺を全然知らなくて。。 僕は、デザイン、ファッションが好きで。 もちろん、それ以外でもおすすめの所とかあれば、教えてほしいです。」

荒岡「ありますとも!! ここは僕の地元ですから!! お任せください!!」

田邉さん「あっ、そうだ、最近、子供が産まれたので、うちの子にも何か買って行きたくて。」

荒岡 「わかりました!! うちのお店の近くに良いところがあります! さっそく行きましょう! 」

田邉さん「はい!」

荒岡 「そういえば、田邉さんと会うのは、まだ実は2回目なんですよね? 電話とかでお話しているので、もっと会っている気になってましたが。」

田邉さん 「そうですよね。 なぜか以前から知っている感じがありますけど(笑)」

荒岡 「すいません、僕が馴れ馴れしくて(大笑)」

田邉さん 「いや~、逆にありがたいです(笑)」

荒岡 「こういう機会もなかなかないので、田邉さんとブランドのことなどを色々とうかがっても良いですか?」

田邉さん「もちろんです!」

荒岡 「と話している間に、お店につきました! こちらです!」

JR御徒町駅と秋葉原駅の高架下の集合施設の
2k540の中にある”nocra”さん

田邉さん 「なんか、めちゃ可愛いお店じゃないですか!」

荒岡 「ここは、”nocra”さんというお店で。 北海道の旭川の木工クラフトメーカー『ササキ工芸』さんが運営してまして。 ここの場所って、JRの御徒町と秋葉原の高架下にある”2k540”という全国にあるクラフトのお店が集まった施設なんですけど、その中でも個人的に気に入ってるお店なんですよ。」

田邉さん 「そうなんですね。 いろいろと可愛いものが多いですね! おお、これなんか、うちの子が喜びそうです!!  僕、これを買います!」

荒岡 「はっ早い!! それ、めちゃ可愛いじゃないですか!!」

田邉さんが購入した木製の玩具
木の温もりがある木工作品が店内に並んでいます。


田邉さん 「いや~、子供に良い買い物ができました!」

荒岡 「じゃあ、次は、おすすめの純喫茶に行っちゃいましょうか!」

田邉さん 「行っちゃいましょう!」

荒岡 「次のお店は、上野駅の近くにあるので、ここから少し歩いて行きましょう。 さっき、話が途中になりましたが、田邉さんとブランドのことを聞いもいいですか?」

田邉さん 「もちろんです。」

荒岡 「田邉さんって、どういう経緯でブランドを始めようと思ったのですか?」

田邉さん 「ちょっと、話が長くなるんですけど、えっと、、じつは僕、心臓病を患っていて。」

荒岡 「えっ、そうなんですか? 全然わからなかったです。」

田邉さん 「見た目では、わからないですよね。 だから、小さい時から運動することを制限されていて。  運動自体は大好きなんですけどね。」

荒岡 「それで、幼い時から文化系のことをやるようになったとか?」

田邉さん 「あの、他にも仕事もしていたのですが、祖父が皐月という名前で、水彩画を描いていて。 僕はおじいちゃんっ子だったので、幼い時は、おじいちゃんが絵を描いている隣でお絵描きをしてたのをよく覚えています。」

荒岡 「なるほど。 それで絵を描き始めるようになったんですね。」

田邉さん 「そうですね。 高校の時は美術部に入りました。」

荒岡 「絵を描きたくて、美術部に入るのっていいですよね。」

田邉さん「いや~、、じつは当時の彼女が美術部にいて、それで入ったのが理由なんですけどね。(笑)」

荒岡 「なんですか! その不純な動機は!! 僕みたいじゃないですか!!」

田邉さん 「いえいえ、荒岡さんと一緒にしないでください!!(笑) でも、やっぱり絵を描くことは好きなので、在学中に全米姉妹都市コンクールというものがあって、それで優秀賞を獲得して、姉妹都市に作品が飾られたりしましたね。」

荒岡 「なるほど、そういうところで田邉さんのクリエーションが磨かれるようになったわけですね。 彼女のおかげじゃないですか!!」

田邉さん 「おっしゃる通りです!(大笑)」

荒岡 「あっ、田邉さん、さっき話していたお店はここです!」

上野駅の近くにある有名な純喫茶「ギャラン」

田邉さん 「ここですか? なんか、きらびやかな感じですね!」

荒岡 『とりあえず、中に入りましょう!!」

田邉さん 「この喫茶店は、エッジが効いていて面白いですね。」

華やかで80'sの雰囲気がある店内
僕たちはアイスコーヒーを頂きました。

荒岡 「じつは、上野には、数多くの純喫茶がありまして、近くですと、”王城”とか”丘”など有名店があります。 この”ギャラン”もそのうちの一つなんです。 80’sのような雰囲気がある珍しい喫茶店ですよね。」

田邉さん 「確かに。」

荒岡 「ところで、先ほどの話の続きなんですが、高校卒業後にすぐに眼鏡関係の仕事に就いたのですか?」

田邉さん 「じつは、はじめにやった仕事は美容師だったんです。」

荒岡 「そうだったんですか!」

田邉さん 「やっぱり、創作活動が好きだったり、あとは自分が興味があるものをやってたりしてました。 あの、、僕の経歴はすごい変わっていて。」

荒岡 「具体的には、どんな感じだったんですか?」

田邉さん 「美容師のあとは、レンタル書籍の営業、ラーメン屋、ブランド古着のお店、アメリカンカジュアルの古着の店などいくつか経験して、眼鏡の業界に入った感じです。」

荒岡 「確かに変わった経歴ですね。」

田邉さん 「職種だけ話してしまうと脈絡がないのですが、根底にあるのは、自分で何かできることはないかとか、自分で表現できるものはないかということをずっと考えてた時期だったんですよね。 前述の古着屋さんの後に眼鏡のプラスチックメーカーに入り、天職を見つけた感じだったんです。」

荒岡 「なるほど。」

田邉さん 「だから、その入社したメーカーでは、眼鏡の生産の知識とか技術とかを吸収できるものは全部吸収しようという思いで頑張ってましたね。」

荒岡 「そこで眼鏡の生産のノウハウを覚えたんですね。 その後はどうしたのですか?」

田邉さん 「じつは、長くは働いてないですが、、プラスチックメーカーを退職後、友人に頼まれてスナックで働くことになりまして。」

荒岡 「え!! いきなりスナック? めちゃくちゃで面白いな!!」

田邉さん 「結構変わってますよね。(笑) ただ、スナックで少し働いたことが、きっかけで以前よりも眼鏡の道にのめり込むようになったんです。」

荒岡 「どういうことですか?」

田邉さん 「そこのスナックって、すごい流行っていて、地元で成功している方々がくるような場所だったんですよ。 その時に知り合いになった税理士の方に「田邉さんは、自分が本当に好きなことをやったらうまく行く」と強く言ってもらったのがキッカケで、自分のブランドを作って、単身で渡仏して眼鏡を売りに行ったんですよね。」

荒岡 「え!! いきなりブランドを作って、単身でフランスに眼鏡を売りいったんですか? すごい行動力ですね。 それでどうなったんですか?」

田邉さん 「もちろん、いきなりフランスに行って、売れるわけもなく、、、 何十軒も眼鏡屋さんを回っていて、諦めかけたてところ、あるパリの眼鏡屋さんに入って、自分の眼鏡をみて頂いたら、400本のフレームのオーダーをいただきまして。」

荒岡 「ええええええ!!! 400本!!!! そんことがあるんですか??」

田邉さん 「自分でもびっくりしました。(笑)」

荒岡 「ちなみに、その時のブランドのデザインって、どのようなものだったんですか?」

田邉さん 「自分が洋服が好きだということもあるのですが、じつは母親がずっと縫製工場に勤めていて、そこで使用しているボタンをテンプルに特殊な強い糸で縫い合わせて作った少し変わったデザインでした。」

荒岡 「なんか、お母さんが働いている工場のボタンを使用するのって、自分のルーツがあるようでいいですね。」

田邉さん 「ありがとうございます。」

荒岡 「それで、フランスから戻ってからはどうしたのですか?」

田邉さん 「日本で自分のブランドを始めていこうかと考えたのですが、もう少し眼鏡の生産の経験を積みたくて、福井の中でも大きな眼鏡工場に就職して、そこがメタルフレーム中心の工場で、新たにプラスチックの生産ラインを作る予定があったので、責任者として、プラスチックの生産ラインを立ち上げたりしてました。」

荒岡 「それは、大変そうですが良い経験ですね!」

田邉さん 「その後、ある眼鏡ブランドで経験を積んで、満を辞して今の会社に就職しました。 じつは、今の会社の社長さんとも働いていたスナックで知り合い、ずっと信頼関係のある仲で、昨年、共にブランドを立ち上げようと2ブランドをリリースしました。」

荒岡 「なんか、田邊さんの経歴が僕が今まで出会ってきた眼鏡デザイナーの方々と結構違うので非常にお面白いですね。 そういえば、田邉さん、上野に眼鏡の組合が建てた”眼鏡の碑”というのがあるのはご存知ですか? よろしければ、そこに行ってから、おすすめのお洋服屋さんとかご案内いたしましょうか?」

田邉さん 「ぜひ、行きたいです!」

荒岡 「上野不忍の池にありますので、行きましょう!」

<ギャンランから、数分歩いて不忍池に到着>

荒岡 「田邉さん、ここですね。」

田邉さん 「なんか、いい感じですね。」

不忍の池に向かう弁天堂の参道

荒岡 「ここは不忍池にある弁天堂の参道になりまして、奥に弁天堂があります。 ちょっと歩いて行きましょうか。 右側に”眼鏡の碑”があります。」


田邉さん 「荒岡さん、あれじゃないですか?」

荒岡 「そうです!! こちらです!!」

上野不忍池にある弁天堂の近くに建てられた"眼鏡の碑”

田邉さん 「これは、眼鏡マニアは必見ですね!!」

荒岡 「この”眼鏡の碑”は、先人達の功績を讃えるとともに、健全な眼鏡業界の発展を祈るために建てらてたそうでして。 じつは、僕の祖父の名前もここに刻まれているですよね。」

写真中央 上部に祖父の”荒岡秀吉”の名が刻まれています。

田邉さん 「あっ、本当だ!!」

荒岡 「この石碑を見ると、おちゃらけている自分が、なんだか厳粛な気持ちになりますね。」

田邉さん 「んー、荒岡さんは、毎日、石碑を見にきた方が良いじゃないですか?」

荒岡 「どういう意味ですか!! ひどいな~~」(二人で爆笑)

田邉さん 「せっかくなんで、弁天堂を参拝しませんか?」

荒岡 「そうですね。 行きましょう!」

荒岡 「参拝したので、次のおすすめにいきましょうか。」

田邉さん 「すいません、行く前におみくじやっていいですか?」

荒岡 「もちろんです!!」

田邉さん 『おお!! 荒岡さん、大吉ですよ!!」

荒岡 「おお!! よかったですね!!」

いきなり大吉を引く田邉さん

田邉さん 「なんかこの後、いいことありそうですね!」

荒岡 「田邉さん、この良い流れで! 次に行っちゃいましょう!!」

次につづく。

今回も最後までご覧頂き、誠に有難うございます。 

田邉さんが手がける新鋭ブランド
Filtonのファーストコレクション

中編はこちら↓

< 眼鏡とクラフトat RUTTEN_ >
昼の部 12時~19時(物販とカフェ)
夜の部 19時~21時30分(BAR クラフトレモンサワー)
住所 〒110-0005 東京都台東区上野 5-5-10 1F
TEL 03-6284-2675
定休日 月曜日

<URL>  https://www.rutten-eyewear.com

<Instagram>  https://www.instagram.com/rutten_ueno5/?hl=ja

<twitter>  https://twitter.com/RUTTEN_ueno5

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