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読んだ小説を褒めながら紹介するnote ~『負けヒロインが多すぎる!』篇~

 アホだなぁ。(そうだよ、アホだよ~。)
 ※この記事の執筆は『学校へ行こう!』スペシャルの翌日に行っています
 ※つまり、だいぶ寝かせてました

書影など。

\どーん/

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 うーん、完全無欠・アホの子スマイル。
 こちらが本作のメインヒロインの娘です。
 イラスト担当はいむぎみる先生

 著者は雨森たきび先生
 本作で「第15回小学館ライトノベル大賞」で「ガガガ賞」を獲得してのデビューとなります。


『負けヒロインが多すぎる!』とは。

 主人公は高校生の男の子、温水ぬくみず和彦かずひこ
 教室の背景を自負する程度にプロぼっちな、達観系主人公
 無論、イイ感じに鈍いという特殊能力も兼ね備えてます。
 古き良き……感をそこはかとなく漂わせてますね。

 本作のストーリーは、定期試験を終えてあと10日で夏休み――というところから始まります。

 プロぼっち・温水くん、通っている学校から離れた隣町にあるファミレスに来ておりました。
 周りに自分と同じ制服を着た同年代の子らがいないことを確認して、ドリンクバーからのコーラと頼んでいたポテトをスタンバイして、カバンから取り出しましたるは――
 ――買ったばかりのライトノベル。

 さて、パーティータイム。


 ……と思ったらば。

 隣の席に、何故かふたりの同級生がいて、何だか面倒くさい話を始めた。

 その同級生とは。
 方やクラスでも人気のゆるふわ系女子――八奈見やなみ杏菜あんな
 もう片方はこちらもクラスで人気のイケメンくん――袴田はかまだ草介そうすけ

 ああ、付き合ってたのかコイツら……――などと温水くんは思いつつ、耳に入ってくる会話を聞き流そうとしていたところで、話はなかなかの展開を見せる。

 要するに。
 袴田が、少し前に転校してきたわりに何故かもうイギリスへと行ってしまう女子(名前は姫宮ひめみや華恋かれん、これでもかと言わんばかりの名前である)に対してヘタレ男子っぷりを発揮していて、八奈見は袴田のケツをひっぱたいた――的な。

 で、八奈見の言うようにファミレスを出て行く袴田。

 そして、八奈見は袴田が口を付けていた飲み物のストローに、口を付け――――。
 ――――――――って、をい。チミは何をしとるんだね。


 心の中で「そんなことはやめろおお」と祈りながらもここまでの流れをしっかりと見てしまっていた温水くん。
 八奈見はその視線に気付いてしまいました。

 あーあ。
 面倒ごとに巻き込まれてしまいました。

 話を聞けば、八奈見と袴田は幼なじみ。
 曰く「いっしょにお風呂に入ったこともある」。
 曰く「将来を誓い合った」。
 曰く「両親公認」。
 それがまさにぽっと出の謎ヒロイン(転校初日の自己紹介で、袴田は姫宮から「あー! あのときの痴漢野郎!」などと言われ早速ケンカになっていたとかいうテンプレ展開をカマしていた)の姫宮華恋によってかっ攫われたということだった。

 この時に温水くん、確信します。
 ああ、コイツは紛れもなく『負けヒロイン』だ、と。


 他にも陸上部員・焼塩やきしお檸檬れもん(アタマのいい幼なじみを同じ塾に通っていた秀才少女に取られた)、文芸部員・小鞠こまり知花ちか(文芸部の部長を、その幼なじみの副部長に取られそう)などなど、負け要素たっぷりのヒロインたちのオンパレード。

 なぜか入部することになった文芸部を舞台に、負けヒロインたちが『泥棒猫』への逆襲を誓い、そしてやっぱり負けちゃったりする新感覚ラブコメ……。

 ――ラブコメ?

 ラブ?

 だいぶコメディ強くね?

 まぁ、いいや。
 本作は、そんな謎青春が描かれております。


推しポイント。

 負けっぷり。

 いや、コレを推さずに本作読めないでしょ。

 一応これでもギャルゲーの類いはそこそこプレイしたり、あらすじを追っていたりするわけなので、ある種の「ヒロインの『型』」みたいなのはそこそこ把握してるつもりです。
 たとえば、お姫様・お嬢様キャラとか。
 あるいは、幼なじみとか。
 もしくは、先輩・後輩とか。
 そういえば、義姉妹とかも。
 ああ、お姉さま系なんてのも居ますか。
 たまにアンドロイドとかが混ざったりもしますが。

 で、まぁ……。
 何と言いますか。
 メインヒロインに据えられてないパターンが多いんですよね、幼なじみ。

 作品の人気投票をすると上位に来ることは往々にしてあるし、何ならメインヒロインを差し置いて勝っていくパターンも無くは無いです。
 でも、ギャルゲーなどにある「トゥルーエンディング」などと言われる、メーカー側が提示するその物語の「あるべき結末」では、当然主人公はメインヒロインと結ばれるわけで、メインヒロインになりきれない幼なじみは当然『負けヒロイン』の側に付かざるを得ないのです。

 切ないねえ、負けヒロイン。

 いやぁ、よくぞ、そこに目を付けた、と。
 拍手喝采。

 負けヒロインの定番・幼なじみなんて言われておりますが。
 もちろん本作もふたりほど負けヒロイン側の幼なじみがおりますが。
 逆に、そんな幼なじみに勝負を挑んでる後輩キャラっていうのも居るのが、なかなかミソというか、ポイント抑えてるなぁ、と思うわけですよ。


続刊のお知らせ。

 2021年11月中旬に第2巻が刊行されます、っていうかされました。
 届きました。

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 今度は、檸檬ちゃんですか。
 いったいどんな負け様……おっと。
 ……どんな負けっぷりを披露してくれるんでしょうか。
 ※言い直した意味とは。

https://www.shogakukan.co.jp/books/volume/50380



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#ラブコメラノベの伝道師   ※自称

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