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旅立ってみたものの…

周りに置いて行かれているような劣等感から脱する為に、10年以上働き、結婚や出産を経験しながら過ごした企業を卒業することにしたのですが、次に待っていたのは日本勢 vs. 外国勢の対立、自分の身を守ることしか考えない年長者達、頻繁に起こるハラスメント…とまあ前職にも勝る、居るに耐えない環境でした。

長年の企業文化や習慣を変化させるには、管理職や年長者などパワーのある人こそが、各自でその必要性を理解・納得し、変えなければいけないと強く思って行動しなければ、そう簡単には変わらないんだなぁと感じました。
会社として対外的には外資系で平等主義、社員の成長を応援する実力主義などを謳っていても、実際は昔からの日本企業=男尊女卑、年功序列、出る杭は打たれる、変化を好まない…という実態はまだまだ多く見られると思います。
今はいたるところで謳われているジェンダーレスやダイバーシティの概念も、5-6年前はまだ遠い本国が何か言っているな、という程度のものだったのです。

結局そこでは仕事内容や他部署への異動にも興味を持てず、二年で転職しました。
今度は女性が活躍しているイメージだったコスメ業界に内定が決まり、これでやっと男尊女卑の社会から解放されると期待していました。
それまで身を置いていた食品業界は男尊女卑(あからさまに差別するのではなく、日常の言動がその概念に基づいていることが多い)が根強く、外に出たい、新しい事にチャレンジして成長したい、という、特に女性に対しての支援は確立されていないと感じたからです。

ところが、コロナの猛威で期待とはかけ離れた現実が待っていました。
入社して一週間で直属上司は本国に帰るため退職、ロックダウンになり前任者からの引き継ぎは全てリモート、当初は皆が必死で生きている状況で、在宅ワークも慣れない中での就業でピリピリした雰囲気が充満していました。
その企業がラグジュアリーブランドだったせいなのか、優しく声をかけてくれる人も少なければ、むしろ部署・会社間の火花は激しく、交流を深める機会も少なかったので、一年経っても打ち解けて話せる人はいない状況でした。

コロナの影響は仕方無いと割り切るしかなかったですが、入社してすぐ変更になった直属上司からの言動に違和感を持つようになりました。
なんでこうしたんだ、なんでこんなことができないんだ、こんなことするなんて信じられない…と否定や問い詰めの連続。
他部署の仕事についての指示、管理職から連絡すべきこともお前が流せと拒否…こちらがどんな業務量で今忙しいかどうかの確認も全くなく、一方的な指示や非難が休みなく飛んで来ました。

特に本社やその上司の上の位に対するプレゼンや回答に異常に力を入れていて、外国人でも、いやもしかしたら外国人の方が階級社会なのだと発見もありました。
膨大な通常業務を回さないといけない中、慣れないプレゼン資料への要求が日々激しくなり、しまいには残業が多い事も責められ、このまま減らなければ評価を下げるぞと言われました。
残業はお前の残業だ、だから自分で減らすように改善しろ、と言うのです。

私は耳を疑いました。
目が点になったとも言えます…上司に相談したら、自分でなんとかしろ、と言われたのです。
せめてなぜ残業が多いのか、ワークロードやプロセスの見直し、他のチームメンバーとの業務量バランスの確認など、チームの長としてやるべきことを放棄していないか?これがチームマネジメントなのか?
頭がハテナで一杯でした。

遂には会議中でも夜中でもメールやチャットが飛んで来るようになり、私は毎週その上司とやっていたフォロー面談が怖くなり、就業中や会議中にその上司のメールを見たり声を聞いたりするだけで、耳鳴りや動悸が出るようになりました。
そしてある日、いつものダメ出しをされた際、プツンと糸が切れたのです。その高圧的な言動をやめて欲しい、それがプレッシャーになって業務に支障をきたしている、と彼に訴えました。

もう限界でした。
位を見て言動を分けるその人のことを尊敬できないのに、次々と飛んでくる関係のないことまでも指示に従わないと非難され、残業をすれば評価を下げると言われ、相手への尊重や尊敬が全く無い会話や言動に傷つけられ、自己肯定感を削られる日々…

私だけでなく、何人もその人の下で働いた同僚が辞めたり部署を離れて行き、本国籍の同僚でも自分と同じ被害を受けて悩んでいることを知り、私は自分が間違っていないと確信しました。
意を決して人事と代表に訴えましたが、不思議なことに、まだ今日現在もその人は同じポジションにいます。
自分の上や別の部署にはとても良い顔をしているし、本国から来ている役職の高い人だからでしょうか。
ラグジュアリー業界ではよくあることなのでしょうか?
動かせない詳細はわかりませんが、私はそれが会社の判断だと受け取り、そういう企業なんだと認識しました。

代表の計らいで私自身は別の直属上司を持つことになり、極力前の上司とは話さなくてよい環境にしてもらうことができたので、なんとか業務は続けましたが、結局その後一年でまた旅立つ決心をしました。
何故ならそこは本国の言語が話せない日本人は管理職になれず(名前だけマネージャーはいましたが)、新しい直属も本国の人で特に残業の多い状況は変わらず、ただ間に緩衝材が入っただけの環境だったからです。

私はもっと日本人でも平等に活躍する機会を与えられ、位は関係なく尊重し合って働ける環境を求め、別のコスメ企業に転職しました。
ワークライフバランスが整い、残業も少なめ、でも頑張ればキャリアアップも望めるとアピールを受け、異動を決意しました。
ちょうど長男も中学受験をすることになり、残業をとにかく減らして、家庭にもっと時間を割きたかったのです。

ところが、まさかのデジャブ…え??
入社前の面談ではにこやかだった直属上司(今度は日本人)が、初日から別人のようになっていました。
会う度にその場にいない人の悪口や非難を聞かされ、他の人は何もわかっていないから私の言う事を聞くようにとのマインドコントロール、終日チャットやメールでの批判や質問の連続、資料の全くない引き継ぎで「見てわからなかったら連絡して」の一点張り、引き継ぎがしっかりされないことから作業が進まず皆の前で遅いと非難される悪循環…

ここまでハラスメントが続くと、自分が悪いのかな、とやはり人間思うようになります。さすがに2社連続って・・
忍耐弱い自分が悪い?耐えて耐えて過ごしたら、いつか慣れてできるようなる?
なるだろうけど、そこまでして此処にしがみつく必要があるのか?
毎日自問自答しました。

夜は基本的にワンオペ育児だったため、連日子供が寝静まった後、夜中まで残業していました。
夕食も時間がないのとストレスで、ろくな物が作れず、子供にも強く当たってしまう日々…
長男の中受の為に塾探しに行ったり、家庭学習をサポートしたり、気にかけることがたくさんあるのに何も集中できない…
この生活を続ける意味は何だろう?

40代半ばにさしかかり、人生100年時代、ライフシフトが重要と謳われていることが数年前から気になっていた私は、悩んだ末に思い切って変化、いや「進化」することを心に決めます。 
人生一度きり、この貴重な時間を嫌な思いをしながら消化したくない、愛する家族と楽しく毎日を過ごしたい!負けたくない!

自分の心の声をしっかりヒアリングし、信じて進むことにしたのです。




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