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【書評】サイモン・シン『フェルマーの最終定理』はRPGだ!

ロッシーです。

サイモン・シンの『フェルマーの最終定理』を読みました。

「え、最終定理?数学の本~やめとこ。」

と思う人は、ちょっと待ってください。

数学が苦手でも全く関係なく、読んでいて楽しいです。というか、むしろそういう人こそ読んだほうが良いと思います。

登場する数学者たちのキャラクターもかなりぶっとんでいて面白いです。そもそも、フェルマー自身がかなり変わっています。

彼は、17世紀フランスの裁判官だったのですが、プライベートでは数学を趣味にしていたいわば素人です。

そんな人、あなたの周りにいますか?(いたとしても、言わないかもしれませんけど)

数学が趣味っていう時点で相当なヘンタ・・・いや、変わっています(笑)。

そんな彼が、300年もの間、数学者達を苦しめる「フェルマーの最終定理」を投げかけるわけです。

「お前らこれ解けるか?俺は解けたけど、余白に書く場所がないから書かないけどね。ウッシッシ。」

その謎に立ち向かうのが、わずか10歳でフェルマーの最終定理と出会ったアンドリュー・ワイルズ。

彼はそのときに、「これを解くのは僕だ!」と思ったというわけですから、こちらも相当なヘンタ・・・いや変わっています(笑)。

そんなアンドリュー・ワイルズを勇者、フェルマーの最終定理をラスボスだとすれば、これはもう立派なRPGです。

ドラゴン・クエストではなく、フェルマー・クエストというべきでしょう。

そして、300年の歴史をかけて、人類は膨大な数の計算と洞察力を駆使し、最後の勇者であるアンドリュー・ワイルズまでたすきをつないでいくわけです。

いや~感動しますよ。証明できるかどうかも分からない問題に、人類がその叡智をかけて挑む物語なわけですから。

いろいろと数学の概念や式が出てくることがあっても、それはあくまでも枝葉末節であり、理解する必要はありません(理解できればもっと面白いとは思いますが)。そんなことは知らなくても楽しめるわけです。

また、著者のサイモン・シンの描き方が秀逸なんですよね。数学を専門としない人々にも分かりやすく解説してくれているので、複雑な数式や専門用語が苦手な人でも、本書の楽しさや興奮を共有することができるのでしょう。


やっぱり数学ってすごいな!

と思わずにはいられません。

そして、そんな数学に人生をかけるほどにのめりこめる人たちに羨望を感じずにはいられません。

本書を読めば、私たちの世界がより広がることでしょう。ぜひ、この本を読んでみて、数学の魅力を存分に味わってください!

Thank you for reading!

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