読書記録:ケルアック、ホイットマン、メナンド、藤本和子、中村隆文
ジャック・ケルアック『ザ・ダルマ・バムズ』仏教に関する蘊蓄を散りばめたヘンテコリンな作品ではあるものの、同時に若々しくて、どうしようもなく愛おしい傑作。仏教色がもう少し薄ければ、『路上』を凌ぐ作品になっていたかもしれない。何よりジェフィ(ゲーリー・スナイダー)がカリスマ的でハチャメチャで面白い。語り手レイ(ケルアック)もまたハチャメチャではあるのだが、それでもいくらか平凡サイドのまなざしを待っており、それがナラティブに安定感をもたらしている。それは『路上』にも通底しているケル