サカイヨシオ

酒井義夫 ろくろ舎主宰 / とんでも木地師 伝統的な木地師として技術を継承しながら、…

サカイヨシオ

酒井義夫 ろくろ舎主宰 / とんでも木地師 伝統的な木地師として技術を継承しながら、 独自の視点から商品の開発やプロデュースなどを手がける。 一方で道具とアートの境界線を探りながら 実験的な作品を製作し続けている。 http://rokurosha.jp

最近の記事

形に責任を持つこと

先日、友人と打ち合わせ後このまま帰るのもなんだかねぇと どこか飲めるところがないかとウロウロしたがこのご時世、 なかなかこれといって良いところがない。 数十分歩き回り、汗だくでようやく見つけた路地裏の気持ちの良いベンチで やっと僕らはビールにありつけた。 もちろんロング缶のストロングスタイルだ。 彼とは出会ってせいぜい5~6年というところだが 馬が合ったのか時々こうやって特に盛り上がるわけでもなく 酒を酌み交わす仲だ。 それは登壇の場でもスナックの片隅でも 今日のように街

    • ダサい魚の刺繍

      久しぶりに母の夢を見た。 設定は今の僕の状況で地元小樽に帰省しているといったものだ。 随分と長いこと帰ってなかったのにも関わらず 友達は家族のなにがし、会社のなにがしで 全く遊んでくれず 弟も店の仕込みがあるからとさっさと寝てしまい 不完全燃焼というか 空振りに終わった久しぶりの帰省。 福井に戻る朝、 母と少しこの空振りの話を愚痴りながら話した。 「そりゃあんたみんないい歳だし色々あるからしょうがないよ」 みたいなことを母は笑いながら言った。 そして、あ、そうだそうだ

      • 最善手を打つ

        明けましておめでとうございます。 本年もなにとぞお付き合いの方よろしくお願い致します。 さて皆様、七対子(チートイツ)という言葉を聞いたことがありますか? やったことがある人ならすぐわかると思いますが麻雀の手役(以降役)の一つです。 麻雀というゲームは中国発祥。 基本的には4人で卓を囲み34種、136枚の牌をそれぞれが引き合い 役を作っていき競い合うゲームです。 麻雀の役はいくつかの特殊な揃え方以外は 5ブロックで揃えるのが基本で 4つの面子と1つの頭という構成です。(

        • 初個展

          2020年ももうしばらくで終わります。 今年は誰もが予想できなかった大波にさらされ 時の進み方もいつもと違うような感覚を覚え、なにかポッカリと穴があいたような そんな気持ちでいる方も多くいると思います。 「あれ今年一年何してたんだっけ?」 そう、なんともぼんやりと形容できない一年。 上手く世界と自分とのチューニングが合わないような(なんとなくわかりますでしょうか?)そんな感覚。 もっと妥当な言い方があるのかもしれませんが僕の語彙力不足は横に置き 今年はそんな一年だったと感

        形に責任を持つこと

          いっぱしの〇〇を気取る

          「あいついっぱしに〇〇を気取ってやがるぜ」 よく聞かれるこの言葉。 いや、よくは聞かないか、実際、直接言われたこともないし だいぶイメージだ。 そういえばブルーハーツもイメージが大事だと言っていた(おそらく意味は違うが、、) ちなみに僕はブルーハーツもクロマニヨンズも好きだが ハイロウズ が一番アガる(特に夏はな) おっと、脱線。 すぐ脱線する。 これは僕の悪い癖。 話を戻す。 「あいついっぱしに〇〇を気取ってやがるぜ」 そう、この言葉だが 多くは諸先輩方が未熟者に

          いっぱしの〇〇を気取る

          美しいものを作る人

          「あの人は人間としてはクズだけど作る物は素晴らしい。」 古今東西こう揶揄される一方で 畏敬の念を持たれる天才たちが一定数いる。 彼ら彼女らの人生は濃く激しく 多くはその激烈な人生がために短い生涯となることも少なくない。 僕は当然だが彼らとは違う。 共通点はクズというところくらいだろう。 残念ながら天才とは程遠い。 急に話は横に逸れるが 僕の作ったものを誰かが手に入れる場合 どれくらいその意識に余計な情報が入るのだろう。 僕という人間が好きだから、あるいはブランド名

          美しいものを作る人

          クラウドファンディング

          本日0時、二ヶ月間に渡って挑戦してきたクラウドファンディングが終了しました。 最終の結果は支援者201人(2名ほど飲み落ちやインターネット環境の不備により入れそびれたとの連絡を受けていますので実際は203名) 総額3,262,392円をFUNDEDさせて頂きました。 応援してくれた皆様本当にありがとうございました。 正直なところを申しますとここまで伸びる結果は想定していませんでした。 改めて周りに恵まれてるということが実感できたことが この挑戦で一番得たものかなと感じていま

          クラウドファンディング

          屋号で活動する理由

          「職人」と「作家」は何が違うのか。 この話題は永遠のテーマかのごとく よく物作り界隈で議論されます。 明確なルールはないのですが基本的には OEM、下請けといった形で問屋さんやご商売されてる方などから お仕事を頂いて製作するのが職人で 自身が個人名を出し個展などで生計を立てているのが作家だと 僕自身は認識しています。 とは言え、一部自分の名義で作品を出す職人もいるし 逆に実は聞いてみるとOEMを受けていてそれが売り上げのメインだったりする 作家もいます。 あるいは著名な作家

          屋号で活動する理由

          裏から抜け出す

          前回はポジションの話を書いた。 改めて書くことで整理できたがやはりポジショニングは大事だと思う。 今回はその上でさらに何が必要かについて考えてみた。 もちろん僕の場合はこうしたというだけで 正直、博打みたいなものだ。 正解なんてさらさら言うつもりはない。 さて、ポジショニングはいいところにつけれた。 ここまではいいだろう。 ただ、それだけで抜きん出ることは難しい。 そんな簡単な話はあり得ない。 サッカーなどでもそうだ、いいポジションを取るだけでは ゴールは奪えない。 タイ

          裏から抜け出す

          ポジショニングの話

          僕が木地師として第一歩を踏み出した時 ここ越前漆器の産地河和田の木地師の現状を言うと引退間近の老人が数名 仕事と言えるのか程度の量を分け合っていたのが現実だった。 そもそも漆器業界自体が右肩下がりな上に 河和田はプラスチックなどの合成樹脂をベースに漆、あるいは塗料で仕上げる 業務用漆器の製造がメインの産地であり 木地師という職能は当然、不要ということになる。 当然と言えば当然の状態だった。 と、言いつつもプラスチックや塗料仕上げ、業務用漆器を否定しているわけではない。 む

          ポジショニングの話

          チャレンジするorしない

          何かを人に勧められる。 本や、映画などの娯楽から こんなことしたらいいんじゃないとビジネス的な観点での アドバイスもあると思う。 僕自身も学生から作り手までアドバイスを求められることも少なくない。 随分と勝手な意見を言っていることだろう。 「学校なんて役に立たないからさっさとやめて世界に旅に出なさい。」 「いいアイディアだし独立して自分でやんなよ。」 「センスいいしもうお店自分でやっちゃいなよ。」 特に自分のポテンシャルを活かせてない人に出逢うとキツい言い方になる時もあ

          チャレンジするorしない

          時は金なり

          まずはやってみないとわからない。 これは僕の基本的なスタンスです。 とにかく否定しないで受け入れてみる。 嫌ならあとで吐き出せばいいだけの話だ。 この度、ろくろ舎として初めてクラウドファンディングに挑戦しています。 このタイミングだなとピンときたのもあるし そろそろ、次のステージに上がりたいという気持ちもありました。 野望というより そうしないと生き残れないという気持ちのほうが強かったと思います。 そんな危機感も背中を押しました。 手伝ってくれた友人は君ならとりあえず10

          時は金なり

          結局、男は?次第

          仕事柄 日々、様々な方々と接しますが この人凄いな、面白いなと思う方々の多くは いわゆる常識というルールの中で見たときに どこかしらが欠落していたり 破堤していたりします。 いわゆる、中二病の気を感じます笑 ※中二病 思春期に特徴的な、過剰な自意識やそれに基づくふるまいを揶揄(やゆ)する俗語。具体的には、不自然に大人びた言動や、自分が特別な存在であるという根拠のない思い込み、またはコンプレックスなどを指す。名称は、その年代の子供が抱きがちな心理状態であることから、一過性の

          結局、男は?次第

          夢の話

          夢とはなんでしょうね。 僕はそういうことをあまり考えてこなかったので ピンとこないんです。 ああなりたいみたいな具体的な目標があるわけではなかったから。 ある受注会にて 地元北海道の同級生が遊びに来てくれました。 それこそ、高校卒業から会ってないレベルの再会で 大げさではなく本当に仰け反ってしまいました。 色んなことがフラッシュバックする中 彼らが僕に言った言葉が 「凄いね、夢叶えたね」だったんです。 なんかね、凄くモゾモゾするんです。 ちょっと、違うんだよなぁというね

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          ダメ人間

          基本的にはダメな人間です。 すぐに飽きるし集中力もない。 職人としては失格です。

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          とんでも木地師

          何かになりたかったわけではありません。 明確な憧れもあったわけではありません。 それよりも日々どう自分がありたいかが重要でした。

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          とんでも木地師