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懐メロせんにんの記録

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#歌謡曲

2020年の所信表明~「唇よ、熱く君を語れ」

最近のマイブーム曲のご紹介。
なぜかyoutubuにお薦めされた懐かしの曲。知ってはいたのだが、あまりまじまじと聞いたことはなかったもの。
1980年発表、渡辺真知子「唇よ、熱く君を語れ」

渡辺真知子といえば、「かもめが翔んだ日」や「迷い道」の方が印象が強かったのだが、改めて本曲を聴くとなんと多幸感に満ち満ちた歌だろうと感じた。それは本人がとてもいきいきと躍動感をもって歌っていることからも伝わっ

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岸壁の”妻”とのん気な夫~「ユリシーズ」

岸壁の”妻”とのん気な夫~「ユリシーズ」

日本ではあまりこのようなジャンルはないのだが、海外映画には神話モノが存在するようだ。
1954年公開「ユリシーズ」だとピンときにくいかもしれないが、言いかえればオデュッセウス。英語にすればオデッセイである。

英語のオデッセイとは、長い放浪の旅のことを指す。それがいまでは自動車のブランド名にもなっているわけである。
本作はその起源の冒険譚なのであるが、トロイア戦役に勝利した知将ユリシーズがトロイア

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”男の子って少し悪い方がいい”という時代~「グリース」

”男の子って少し悪い方がいい”という時代~「グリース」

「ラ・ブーム」は1980年頃のフランスの学校生活を描いていたが、今度はアメリカの高校生活をテーマにしたミュージカル映画を。
これが一般的だったかどうかはわからないけれども。1978年公開の「グリース」。

ジョン・トラボルタは前作「サタデーナイト・フィーバー」で大ヒットを記録。続く本作ではダンスのみならず歌も披露し、その勢い変わらずといったところだったのだろう。
迎えるヒロインは、オリヴィア・ニュ

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松田聖子「青い珊瑚礁」今昔独り語り

松田聖子「青い珊瑚礁」今昔独り語り

先日、松田聖子がデビュー41周年を迎えたということで、自身のヒット曲である「青い珊瑚礁」のセルフカバーを発表した。

数年前の紅白歌合戦で、往年のヒット曲を披露した際、そのキーがあまりに低すぎたことが話題になったことがあった。
今回もそれを少し心配していたのだが、当然ながら当時ほどの溌溂さはないものの、ハスキーさも加わってある意味深みが増した出来栄えになっていると感じた。
一方そのMVはブリブリの

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「王様と私」と「花とみつばち」

「王様と私」と「花とみつばち」

近年では、本場のブロードウェイで渡辺謙が王様役として出演したことでも話題になった、この作品。最初の映画の作品を、今回視聴した。
時代背景は、19世紀半ば。シャム、今のタイ王国にも近代化の波が迫ってきていた時代だ。

この映画を観て、最も強く感じたことは、思っていた以上に西欧主義的な作品だということだ。
タイが近代化を目指そうとしていたのは事実なのかもしれない(私は不勉強のため知らないが)。そうであ

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私選・筒美京平ベスト

私選・筒美京平ベスト

先週、筒美京平の訃報が日本中を駆け抜けた。
作曲家のプレゼンスが最近はさほどではなくなり、シンガーソングライターの万能性がもてはやされる時代になってきているように感じる。

しかし、一人の歌手やアイドルに一つの物語性を帯びさせ、その時の社会が求めているパッケージにして売り出していくという、在りし日の作詞家・作曲家は、文字通り時代の空気を作り出していたわけで、その影響は現代にいたるまで計り知れない。

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