見出し画像

決算書から解る、危ない会社の見分け方

 本日は、決算書を与信管理の視点から確認する際のポイントについて話します。資金のショートは会社の倒産を意味します。売上や利益が上がっていたとしても、その時々で発生する支出分の資金がなければ黒字倒産が起こります。決算書とは、正式には財務諸表といいます。一定期間の会社の経営状態や財務状況を表す書類です。

こんにちは、佐々木正人です。
是非、最後まで読んで持って帰って下さい!!
フォロー✅・スキ💗・コメント📝大歓迎です特に記事についてのコメント頂けると、今後の記事作成の励みになります。100%返答します( ´艸`)

メルマガ登録は▼コチラから▼

企業活動というものは、基本的に資金調達→投資活動→営業活動の循環であり、一連の企業活動を一会計期間で区切って作成されるものが決算書です。
今回は、新社会人の方や決算書に馴染みがなかった方に向けての基本的な解説になりますが、実際の倒産事例を交えて説明したいと思います。

勘定科目の見方

それでは早速、新規の取引先から決算書を受け取ったシチュエーションで考えてみてください。その場でまずは決算書のどこを見るべきでしょうか❓

画像1
画像2

まず、確認いただきたいのは、赤枠で囲んである次の勘定科目です。
出典:リスクモンスター

■自己資本
 注目していただきたい部分は、「負債及び純資本の部の株主資本の額」「一番下の合計額」です。これらの数値を基に自己資本比率を出すことができます。

自己資本比率(%)=自己資本÷総資本(自己資本+他人資本)
 
自己資本とは返済の必要がない自前の資金であり、自己資本の割合が大きければ大きいほど、借入などの他人資本(負債)に依存する必要がなくなるので、それだけ経営が安定すると言えます。
自己資本比率は、総資本のうち自己資本がどのくらいの割合を占めているかを表す比率であり、会社の安全性を見る際にもっとも基本的な役割を果たす指標です。

自己資本がマイナスの場合は、債務超過となっており、いつ倒産してもおかしくない状態です。仮に債務超過となっていなくても、自己資本比率が1%を切っている場合は、危険な状態と言えます。

■売上高
売上高が急増・急減している場合にも警戒が必要です。

売上が大きくなっているということは一見すると良い傾向に感じられるかもしれません。
しかし、自社の実力以上に急速に商売を拡大した結果、売上や資産は膨張したものの中身は不良資産ばかり…というケースも珍しくありません。したがって前期と 比較して、極端に売上が変動している場合も警戒が必要であると言えます。

逆に売上や資産が大幅に小さくなっている場合、当然利益が減少したり、各種費用を賄いきれず赤字になったりします。
さらに借入金などの負債が減っていないのにも関わらず売掛金などの将来の現金収入となるべき資産が減ってしまっている場合、資金繰り上に問題が出てくることも多いのです。 前期・前々期を比較してみるのがポイントです。

■当期利益
当期利益をベースに収益性を評価する指標としては、売上高当期利益率があります。売上高当期利益率は、売上高に対して会社の営業活動で生み出された最終的当期利益が占める割合を指す比率です。

売上高当期利益率(%)=当期利益÷売上高×100(%)

の式で計算されます。
当期利益率が高ければ高いほど会社は倒産しにくい傾向にあると言えます。当期利益率が5%を上回っている会社では倒産の心配はほとんどないとはいえ、1%にも満たない利益率の会社や赤字の会社には十分な警戒が必要であると言えます。 当期利益も売上高と同じように前期・前々期と比較して、継続的に安定した収益を上げているのかを確認することをお勧めします。

以上、3点は決算書を見てその場で確認できる項目です。疑問があれば、取引先に「赤字になった理由」など気づいた点を確認してみてください。

「危ない会社」の見分け方

画像4

では、次に決算書による財務指標からの分析による「危ない会社」の見分け方についてです。
特に新型コロナウィルスの影響により、注目度が高くなっている財務指標を2つ、ご紹介します。

1.「減収率」
売上高を見る場合は、複数期の売上高を比較することで、企業の利益の源泉となる販売収入がどのように推移しているのかをつかむことが重要です。売上高が減少している場合、何が原因で減少しているのかを追求し、減収に対してどのような対策を講じているかを確認しましょう。

通常、固定費が大きい製造業などにおいては、売上高の変動による利益の弾力性が乏しいため、少しの減収で赤字となる危険性が高いです。減収は、現金収入が減るため、資金繰りの悪化に直結する傾向が良く見られます。

2.「流動比率」
流動比率は、企業の短期的な支払い能力の有無を表す指標です。1年以内に現金化できる資産である流動資産と、1年以内に支払わなくてはならない負債である流動負債とのバランスを示します。
短期的に支払い生じる負債に対して速やかに現金化できる資産をどれだけ有しているかを示していることから、少なくとも100%を超えていることが必要と考えられます。

画像7

この結果に、業界ごとの平均回収サイト流動比率に占める現預金の割合等を加味することで、さらに精度の高い分析を行うことが出来ます。

倒産企業の財務分析から読み解く予兆

それでは、最後に最近での倒産企業について、財務分析から予兆を確認してみたいと思います。
事例は実際に2020年に倒産したジャスダック上場の加工品製造業者です。
倒産前の財務データは次のようになっています。

画像7

倒産への経緯としては、近年の海外メーカーの台頭に伴い、国内主要顧客からの受注も減少。徐々に販路を失い、業績悪化を余儀なくされていました。新規事業展開による収益源確保やコスト削減に努めたものの、収益改善には至らず、事業再生ADRの申請に至りました。

本ケースを分析する指標として「減収率」「流動比率」とに着目してみましょう。

■減収率
直近5期においては、前期比10%を超える水準で減収が続いています。事業環境の変化から当社基幹事業の業績が悪化する中、売上高の減少に歯止めがかからない状態でした。

画像6

■流動比率
流動比率は、50%を下回る水準で推移しており、短期的な支払能力は低い状態でした。連続大幅減収により現金獲得がままならず、資金繰りが逼迫していたことがうかがえます。

画像7

このように事業環境の悪化による赤字計上により、借入過多など財務状況がもともと脆弱な企業は、資金繰りが悪化し倒産となるケースが発生しています。最近では新型コロナウイルスによる事業環境の悪化している宿泊業旅行業で多く発生しています。

政府の特別貸付制度により、一時的に資金繰りが出来ていても財務内容が脆弱な企業は早晩倒産となる可能性が高いので、財務分析による資金繰りを予測し、倒産の予兆を把握することが有効です。

本日の内容は以上になります。
次回もお楽しみにでは

Twitterやってます!フォローお待ちしてます

#最近の学び
#とは
#note
#ビジネス
#コラム
#エッセイ
#ブログ
#仕事
#学び
#営業
#経営
#しゃかせん

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?