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印刷・紙パルプ業界の倒産事例!!


 今日は、『印刷・紙パルプ業界の倒産事例』について話していきます。
最近は見る機会が減ったカタログや電子bookが普及したり、動画が身近になった事で、活字の書籍を読む機会が減った人も多いのではないでしょうか❓

こんにちは、佐々木正人です
是非、最後まで読んで持って帰って下さい!!
フォロー・スキ💗・コメント📝大歓迎です特に記事についてのコメント頂けると、今後の記事作成の励みになります。100%返答します( ´艸`)

印刷・紙パルプ業界の概要については、以前投稿した『オワコン業界?真に受けてはいけない!【印刷/紙パルプ業界】の現在地』をご覧ください。

1.印刷業界のビジネスモデル

まずは、印刷業界について見ていきましょう。

以前ご紹介した通り、印刷業界は主に「出版印刷」「商業印刷」に分けられます。
出版印刷は、出版社や新聞社などが発行する書籍や雑誌などが対象です。
商業印刷は、チラシやポスター・パンフレットなどの販売促進用の印刷物を扱います。

0525図1

取引相手は幅広く、主には出版社・新聞社・官公庁や学校があげられますが、同業の協力会社に外注するケースがあります。
中小の印刷会社などは、大手の下請け業務を扱っていることもあり、印刷業界が印刷会社にとって最も一般的な外注先となっています。

0525図2

(出展:経済産業省 令和元年度 戦略的基盤技術高度化・連携支援事業
(印刷産業における取引環境実態調査)調査報告書


また、印刷の需要があった時期に導入した、設備投資が現在になって大きな負担になっている中小企業は多いようです。
設備投資した元を回収するためには機械を稼働させ、利益を上げなければなりません。

しかし、メインの顧客としていた周辺業界(出版社や新聞社)もデジタル化の煽りを受けているため、受注件数は減少しています。
そして、ネット通販印刷の登場で価格の下落も進んでいる状況です。

低価格が相場となっており顧客争奪戦がおき、安価での案件受注が増えているのが実態です。まさにレッドオーシャンで市場の取り合いという事です。

ちなみに、案件構成比の大多数が「既存顧客」で占めていることも特徴で、
営業に課題を感じている企業が多いようです。

0525図3
0525図4

(出展:経済産業省 令和元年度 戦略的基盤技術高度化・連携支援事業
(印刷産業における取引環境実態調査)調査報告書

2.印刷業界の倒産事例

印刷業界での最近の倒産事例を紹介します。

≪設立から約70年続く印刷業界X社の倒産事例≫
大手のカタログ通販会社との専属契約により、カタログ印刷を主力にしていた会社です。ピーク時には26億円を超える売上高を計上していました。

しかし、カタログ通販事業が低迷すると大手通販会社からの値下げ要求・受注量低下が生じ、採算確保が困難になりました。
元々、低利益の収益構造であり、資金繰りに困窮し破綻したケースです。

取引相手の業界もデジタル化の影響を受け、受注量・価格の下落に向かってしまいました。少ない取引先に依存度していた事も今回倒産に至った原因です。

3.紙・パルプ業界のビジネスモデルについて

次に紙・パルプ業界を見ていきます。
製紙メーカーは、自社での販売機能を持たず、その下の卸業者が販売を担っています。販売代理店から二次、三次と卸される仕組みになっています。

0525図5

製紙原料である、チップ(木材)は約70%を輸入に依存しています。
主にアメリカ・カナダ、ベトナム等の東南アジアが輸入先です。
海外からの輸入がメインのため為替の影響は受けやすいといえます。

また、製品によっては古紙を活用しているものもあります。
行政を中心に古紙の回収システムが整っているため、回収率は80%と高水準です。

製紙業界は技術的に他社製品との差別化が難しい産業です。
そのため印刷業界と同じく価格競争になりやすい特徴があります。


4.紙・パルプ業界の倒産事例

実際に発生した製紙メーカ―の倒産事例をご紹介いたします。

≪50年以上続く老舗製紙メーカーY社の倒産事例≫
こちらの企業は、特定の商材で国内トップシェアを誇り、ピーク時には200億近い売上高を計上していました。

ところが、2000年代に入り紙需要が減少
業績が低迷する中で競争力維持のために積極的な設備投資を続け、借入金が膨らんでいきました。しかし結果は得られず、競争激化・原材料高騰により連続赤字を計上していました。

最終的には、新型コロナウイルスの影響が決め手となり、自力再建できず倒産に至ります。

売上高自体は、横ばいで推移していたのですが原材料の高騰で、利益が出て無かったようです。
連続赤字の計上で、借入金の返済原資が確保できず、競争力維持のために行った設備投資が、重荷になってしまったケースです。

5.リスク回避のために

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ご紹介した倒産事例の様に、この2つの業界では、競争力維持のために行った施策が逆に経営を苦しめる引き金となってしまいました。

・価格競争に負けないための値引き対応による薄利多売状態 
・積極的な設備投資

この2点が大きな課題となり、経営状態悪化につながっています。
売上高の推移は、横ばいであっても利益確保が難しく、連続赤字を計上している場合は危険信号です。

印刷業界においては、メイン顧客が同業の印刷会社であることも多いため1社の倒産から連鎖倒産のリスクもあると考えられます。

前回取り上げた記事の中にも書いてある通り、この2つの業界においては、トップシェア企業の関連会社であるかどうかが、取引判断の大きなポイントでもあります。

また業界全体が衰退しているので、他の事業で利益が生み出せる体制が整っているかどうか確認しておくと安心です。

買い手の立場が現在強くなっているので、安易に老舗だからといった基準で判断するのではなく、対面の会社の周辺企業や、事業の拡大についても確認すると、リスクの回避につながっていきます。

本日の内容は以上です。
次回もお楽しみに!

◉与信管理の重要性◉

貸倒れはどの企業も抱えている経営リスクの一つです。
取引先が倒産すると未回収の売上代金が回収できなくなることにより「貸倒れ」(「焦付き」ともいいます)という損害が発生します。貸倒れが発生すると、それまで企業努力で積み上げてきた利益が損なわれます。

仮に経常利益率が10%の取引において1,000万円の貸倒れが発生したとすると、その損失を穴埋めするには、1,000万円 ÷ 10% = 1億円
の売上が必要となり、その負担は膨大なものとなります。

また自社の業績・財務内容を悪化させるだけでなく、管理の甘さから対外的な信用も失ってしまうこととなります。

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