社会人のイギリス大学院留学、怒涛の1学期を振り返ってみる
早いもので、もう2023年も幕を閉じようとしています。今年の9月にロンドンに引っ越してきてから約3ヶ月、あっという間に大学院の秋学期が終了しました。現在は冬休みで、年明けの締切に向けてエッセイをもりもり書いているところです。
日々の課題や仕事に追われてなかなかnoteを更新できていなかったのですが、その間も海外大学院進学を目指している方などからフォローやDMを頂きありがたく思います。励みになると同時に、「最近書けてなくてスミマセン…」と後ろめたい気持ちになっていたので(書きかけのnoteが5件ぐらい溜まっている)、ようやくの更新です。
今回はタイトルの通り、大学院での1学期間を振り返ってみようと思います。お付き合いください!
授業は少ないけど、忙しい
友人と話している限り、大学院やコースによって1週間あたりの授業時間や課題の量はさまざま。私のコースの授業は少なく、なんと1学期に2科目(=1週間に2日の授業)だけ。1回あたりの授業はしっかり3時間あるので物足りないわけではないですが、履修登録時に「あれっ、こんなもんでいいん?」と戸惑ったのを覚えています。
とはいえ、3年ぶりのアカデミックの世界に慣れるのに少し時間を要しました。社会・環境系のトピックを扱うポッドキャストも配信しているので、日本語の本や英語のニュース記事などは読んでいましたが、ガッツリ英語論文を読むのはご無沙汰。毎週の授業で1クラスあたり20ページ程度(多い時は50ページなど…)×2本のリーディングが課されています。
授業の後半はリーディングの内容も絡めながらディスカッションの時間がある他、授業のテーマやリーディングの内容について学生が週ごとに持ち回りでプレゼンすることになっていたので、自分の担当週の事前準備は特に大変でした。
授業当日の朝までギリギリで用意しがちなの、やめたい。🙈
頭の使い方が違う
前述のように、課題や授業の準備で忙しいのは忙しいのですが、思い返せば日本で働いていた時の方が「費やす時間」という点ではもっと忙しない日々を送っていました。
ただ、仕事と学業では(当たり前ですが)頭の使い方や求められていることが違うことを実感しています。
ビジネスだとスピードが求められたり、ある程度「正しい答え」が決まっていたりする。アカデミアにももちろん〆切はあるけれど、11週間かけてじっくり学んだことを最後に振り返り、自分なりに考察しながらエッセイを書く。それも唯一無二の正解があるわけではないので、考えようと思えばいくらでも時間をかけて考えることができる。
個人的には、仕事に追われる日々の中でこういった「自分が興味のあること、問題視していることについてじっくり考える時間」を十分に作れていなかったので、新しいライフスタイルに慣れるまでは大変でしたが充実しています。
さんざん考えて、詰む
私が在籍している修士課程は、エコロジーという大きなテーマを社会科学と人文科学のさまざまな分野を通じて紐解いていくような内容です。一見プラクティカルではないというか、簡単な唯一解がないからこそ、深掘りしたり回り道したりしながら「人間中心主義から脱して、他の種(species)と共存するにはどうしたらいいんだ?」とか、「環境問題は他の社会課題とどう絡み合ってるのか?」みたいなことを日々問うてます。
レクチャーを受ければ受けるほど、セミナーで議論すればするほど、文献を読めば読むほど、答えを出すことの難しさを痛いほど感じています。そんな中、ガザでのジェノサイドや、沖縄の自治が脅かされるような日本政府の行動などのニュースが流れてきて、大学院で向き合っている課題の実例が今この瞬間に世界で起こっているのを目の当たりにしています。
その結果、詰みます。(※こんな簡単な言葉で表せられる感情・想いではないのですが、絶妙なニュアンスが捉えられている気もするので)
でも、このモヤモヤから目を逸らして「なんともない日常生活」を送っていてはいつまでも社会の抑圧構造は無くならないし、分かりやすいように問題を簡素化したところで根本的な問題が取りこぼされてしまうので、不完全な「暫定解」を日々アップデートしていく必要があるんだろうなと思います。
もどかしさに唸りながらも、思考を巡らせるだけでなく、プロテストに参加したり、SNSや日常会話で話題にしてみたり、署名してみたり、日々食べるもの・買うものの選択を変えてみたり、その「暫定解」をもとに行動に移すようにしています。
このやるせなさ、もどかしさを共有できるコースメイトたちがいるのがありがたいですね。
以前よりも住み心地がいいかも
今回は、二度目のロンドン長期留学。海外生活は、高校の時のカナダでの3ヶ月ホームステイを入れると3回目。
初めてではないし、日本の仕事の中でも英語で話す機会はありましたが、前回の留学以来4年間海外に出ていなかったのもあり渡航前は「あれ、どんな生活だっけ」と少し緊張してました(笑)。
最初はやっぱり適応の期間が必要だけど、今は居心地がいいなと感じます。上に挙げたような問題に対して行動している人・行動できる場が多いことや、文化や選択肢に多様性があることが主な理由かなと。
天気は悪いし、物価は高いし、「こういうところは東京の方がよかったな〜」と思うこともありつつ、なんやかんやで暮らしやすいですね。
あと、ずっと日本で生まれ育った人間として、どこかで非ネイティブスピーカーであることのコンプレックスとか、アジア人であることのコンプレックスを抱えていたことに気づきました。最近は「自意識過剰やで、自分。周りの人はいうてそこまで気にしてへんわ」と思えるようになったのも理由の一つです。(これについては、別の機会にnoteで深掘りしてみたいかも)
来年・来学期に頑張りたいこと
来学期からは、いよいよ修士論文に向けて動き出します。それと同時に普段の授業の準備もしたり、さらに忙しくなりそうですが、大学院での研究内容を実践に移すようなプロジェクトなども合間を縫ってできたら嬉しいです。
その一つとして、最近更新が滞りがちなポッドキャストも頑張っていきます…!配信頻度は低いですが、毎度いいエピソードができていると思っているので(自画自賛)是非ながら聴きしてみてください。
あとは、最近姿勢の悪さとPC作業のしすぎで身体を痛めて病院に行く始末になったので(日本で働いていた時の方がひどかったはずなのに!?)、2024年は適度に身体を動かしたいですね。毎年言ってますが。
最後に
noteでは、ロンドンでの大学院生活や、留学準備の体験談などについて綴っています。ぜひ他の記事もご覧いただけたら嬉しいです。
SNSでは主に日常生活や、研究する中で感じたことを投稿しています。noteで取り上げてほしいネタがあれば、InstagramのDMまたはこちらの質問箱までお気軽にどうぞ。
今年noteを読んでくださった方、いろんな形でお世話になった皆さん、ありがとうございました!See you next year xx
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