ライブもいよいよ終盤だ。99回目の『春夏秋冬』が終わった。私とミヤビさんを含め、観客は完全にハイになっていた。 「よっしゃー! お前ら、ラスト1曲や! 最後まで…
ミヤビさん(鶴)の助言により、グローブ博士とやらのところに行くことになった。 彼はあまり表には出せないタイプの科学者らしい。そんなやつに会いに行って大丈夫か? …
得体の知れない鶴が仲間になった。 鶴と喋ってるところを見られる訳にはいかないので、とりあえず自室に連れ込んだ。 「あのー、ロマンさん?」 「何?」 「ここってロマン…
鶴が仲間になりたいと言ってきた。それもただの鶴ではなくて、私に助けてもらえなかった鶴らしい。 「私を仲間にしていただければ、あなたに相応の『報い』があることを…
【第3話:鶴の怨返し】 私は国枝ロマン。勇者だ。 先日、元いじめっ子の優太老という男を無理矢理パーティーメンバーにし、次のパーティーメンバーを探しているところだ…
【スタンガン バイ 身】 私は、勇者だ。昨日から勇者になった。名乗ったらもうそれは勇者よ。どんな売れてない芸人だろうと、名乗ったら芸人なように、私は勇者だ。 …
【第1話:家族会議】 『……国枝ロマン様の今後の益々のご活躍をお祈り申しあげます。』 そう書かれたメールを閉じ、窓の外の雨を見た。 まるで今の私の気持ちを反映し…
ぽむ
2023年2月21日 02:05
ライブもいよいよ終盤だ。99回目の『春夏秋冬』が終わった。私とミヤビさんを含め、観客は完全にハイになっていた。「よっしゃー! お前ら、ラスト1曲や! 最後まで、きばってこーや!!」バキュームのボーカルがそう煽ると、「うおっひゃあーー! ぶおっひゃぁー!!」と、完全に理性を失った歓声が響き渡る。その歓声にはわたしとミヤビさんも含まれていた。私たちはグローブ博士のことなど、そっちのけで
2023年2月17日 19:02
ミヤビさん(鶴)の助言により、グローブ博士とやらのところに行くことになった。彼はあまり表には出せないタイプの科学者らしい。そんなやつに会いに行って大丈夫か?「で、そのグローブ博士ってのはどこにいるの?」「彼はフリーランスの研究者ですから、基本的にはどこにいるか分かりません」「じゃあ会えっこないじゃん」「でも大丈夫です。今現在どこにいるか大体目星はついてますから」「そうなの?」何
2023年2月14日 08:17
得体の知れない鶴が仲間になった。 鶴と喋ってるところを見られる訳にはいかないので、とりあえず自室に連れ込んだ。「あのー、ロマンさん?」「何?」「ここってロマンさんの部屋ですよね?」「そうだけど?」「いや、そうだけどじゃなくて! さっきからずっと、隣の部屋からうめき声がしてるんですけど、モンスターか何か飼ってるんですか!?」「ああ、それはね、私の仲間なの。優太老っていう同級生のヤン
2023年2月14日 01:43
鶴が仲間になりたいと言ってきた。それもただの鶴ではなくて、私に助けてもらえなかった鶴らしい。「私を仲間にしていただければ、あなたに相応の『報い』があることを約束いたします!」「いや、『報い』って言い回しが怖いんだけど! 復讐でもしにきたってこと?」「いやいやとんでもない。私を仲間にすればあなたは報われる、ってことです!」「いや、それはそれで怖いわ。え、なに、宗教勧誘されてるの?私
2023年2月12日 19:36
【第3話:鶴の怨返し】私は国枝ロマン。勇者だ。先日、元いじめっ子の優太老という男を無理矢理パーティーメンバーにし、次のパーティーメンバーを探しているところだ。 しかし、ここにきて致命的な問題があった。私にはこれ以上の知り合いがいないということだ。元いじめっ子の優太老を除いた場合、私には家族以外の知り合いがいないのだ! 恋人はもちろんのこと友達も当然おらず、SNSもやってないので、ネッ
2023年2月12日 18:17
【スタンガン バイ 身】私は、勇者だ。昨日から勇者になった。名乗ったらもうそれは勇者よ。どんな売れてない芸人だろうと、名乗ったら芸人なように、私は勇者だ。 それを分かってない奴らがいる。「ヒャッハーー!! ロマンが勇者だってよ! 笑わせやがる。中学の時は俺のパシリだったくせによ!」中学の同級生だ。買い物の途中で会った。2年ぶりくらいだろうか。「あの……、何で……、知ってるんです
2023年2月12日 17:33
【第1話:家族会議】『……国枝ロマン様の今後の益々のご活躍をお祈り申しあげます。』そう書かれたメールを閉じ、窓の外の雨を見た。まるで今の私の気持ちを反映してるかのようだ……何て普通の人は思うのかもしれない。が、ロマンという名前に反して、私にそのような感情はなかった。全く落ち込んではいない。これで落ちたのは100社目である。1階のリビングに降りる。「報告があります! 100社