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リケジョが魔王討伐するにはこれで合ってます?【第7話】

 ライブもいよいよ終盤だ。99回目の『春夏秋冬』が終わった。私とミヤビさんを含め、観客は完全にハイになっていた。 「よっしゃー! お前ら、ラスト1曲や! 最後まで、きばってこーや!!」 バキュームのボーカルがそう煽ると、 「うおっひゃあーー! ぶおっひゃぁー!!」 と、完全に理性を失った歓声が響き渡る。 その歓声にはわたしとミヤビさんも含まれていた。 私たちはグローブ博士のことなど、そっちのけでライブを楽しんでいた。 しかし、ミヤビさんが異変に気付いた。 「あれ?! ロマ

    • リケジョが魔王討伐するにはこれで合ってます?【第6話】

       ミヤビさん(鶴)の助言により、グローブ博士とやらのところに行くことになった。 彼はあまり表には出せないタイプの科学者らしい。そんなやつに会いに行って大丈夫か? 「で、そのグローブ博士ってのはどこにいるの?」 「彼はフリーランスの研究者ですから、基本的にはどこにいるか分かりません」 「じゃあ会えっこないじゃん」 「でも大丈夫です。今現在どこにいるか大体目星はついてますから」 「そうなの?」 何で大丈夫なのかよく分からないが、私はミヤビさんを信じてグローブ博士がいるらしいと

      • リケジョが魔王討伐するにはこれで合ってます?【第5話】

         得体の知れない鶴が仲間になった。  鶴と喋ってるところを見られる訳にはいかないので、とりあえず自室に連れ込んだ。 「あのー、ロマンさん?」 「何?」 「ここってロマンさんの部屋ですよね?」 「そうだけど?」 「いや、そうだけどじゃなくて! さっきからずっと、隣の部屋からうめき声がしてるんですけど、モンスターか何か飼ってるんですか!?」 「ああ、それはね、私の仲間なの。優太老っていう同級生のヤンキー。昨日仲間にしたんだけど、すぐ逃げようとするから部屋に閉じ込めてるの」 「え

        • リケジョが魔王討伐するにはこれで合ってます?【第4話】

           鶴が仲間になりたいと言ってきた。それもただの鶴ではなくて、私に助けてもらえなかった鶴らしい。 「私を仲間にしていただければ、あなたに相応の『報い』があることを約束いたします!」 「いや、『報い』って言い回しが怖いんだけど! 復讐でもしにきたってこと?」 「いやいやとんでもない。私を仲間にすればあなたは報われる、ってことです!」 「いや、それはそれで怖いわ。え、なに、宗教勧誘されてるの?私。まあえええわ。でも、敵意はないってことで良いんだよね?」 「もちろんです。私

        リケジョが魔王討伐するにはこれで合ってます?【第7話】

        • リケジョが魔王討伐するにはこれで合ってます?【第6話】

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        • リケジョが魔王討伐するにはこれで合ってます?【第4話】

          リケジョが魔王討伐するにはこれで合ってます?【第3話】

           【第3話:鶴の怨返し】 私は国枝ロマン。勇者だ。 先日、元いじめっ子の優太老という男を無理矢理パーティーメンバーにし、次のパーティーメンバーを探しているところだ。  しかし、ここにきて致命的な問題があった。私にはこれ以上の知り合いがいないということだ。元いじめっ子の優太老を除いた場合、私には家族以外の知り合いがいないのだ!   恋人はもちろんのこと友達も当然おらず、SNSもやってないので、ネットの友達もいない。はてはて、どうしたものかと家でYouT⚪beを見ていたところ、

          リケジョが魔王討伐するにはこれで合ってます?【第3話】

          リケジョが魔王討伐するにはこれで合ってます?【第2話】

           【スタンガン バイ 身】 私は、勇者だ。昨日から勇者になった。名乗ったらもうそれは勇者よ。どんな売れてない芸人だろうと、名乗ったら芸人なように、私は勇者だ。  それを分かってない奴らがいる。 「ヒャッハーー!! ロマンが勇者だってよ! 笑わせやがる。中学の時は俺のパシリだったくせによ!」 中学の同級生だ。買い物の途中で会った。2年ぶりくらいだろうか。 「あの……、何で……、知ってるんですか? 私が勇者になりたいってこと。」 「ヒャッハー!! そりゃ、おめえの親父が

          リケジョが魔王討伐するにはこれで合ってます?【第2話】

          リケジョが魔王討伐するにはこれで合ってます?【第1話】

           【第1話:家族会議】 『……国枝ロマン様の今後の益々のご活躍をお祈り申しあげます。』 そう書かれたメールを閉じ、窓の外の雨を見た。 まるで今の私の気持ちを反映してるかのようだ……何て普通の人は思うのかもしれない。 が、ロマンという名前に反して、私にそのような感情はなかった。 全く落ち込んではいない。 これで落ちたのは100社目である。 1階のリビングに降りる。 「報告があります! 100社目も無事落ちました!」 すると、「ひゃー、やっぱりダメだったか! 流石俺の娘だ

          リケジョが魔王討伐するにはこれで合ってます?【第1話】