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説教集の解説と試訳を投稿し終えて #204



本邦初の全訳

 前回の投稿をもって、16世紀英国教会説教集 Certaine Sermons or Homilies 全章の解説と試訳の投稿を終えた。いったん完成した全訳を推敲しつつの投稿で、昨年の10月末に投稿を始めておよそ1年(予定では6月末での投稿終了のはずだったのだが)。最初の記事に書いたとおり、全訳は書籍としての出版もウェブ上の公開もされていない(はずな)ので、「本邦初の全訳」となる。これはこれでひとつの到達点。

あらためての全体像(目次)

 解説と試訳の投稿を終えて、あらためてこの説教集の全体像をお示しする。上の #1 の記事にあったものよりもう少し詳しいものとして、また、全訳を通してみての修正(今後もあるでしょうが)も含めてお示しする。各章には原文のタイトルがそもそもあるが、これとは別に「章」内の各「部」に訳者独自のタイトルをつけ、あわせてそのテーマとなると訳者が思った聖句を示している。訳者がタイトルを付したものを1つの説教ととらえている。また、なかには部に分かれていない章もあるが、その場合も原文タイトルとは別に訳者がタイトルとテーマとなる聖句をつけている。その数、計75説教。偶然にも(?)テーマとなる聖句に重なりはない。

第一説教集(全31説教)

序文 1562年の発刊によせて
第1章 聖書を読んでよく知ることを勧める説教
 第1部 人はパンのみで生きるにあらず(マタ4:4)
 第2部 求めよ、されば与えられん(マタ7:7)
第2章 罪ゆえに永遠の死に定められている人類の悲惨についての説教
 第1部 神は人を憐れまれた(ロマ11:32)
 第2部 見よ、世の罪を取り除く神の小羊(ヨハ1:29)
第3章 救い主キリストによる罪と永遠の死からの救いについての説教
 第1部 信じる者に義(ロマ10:4)
 第2部 信仰は神の賜物(エフェ2:8-9)
 第3部 神はいたくこの世を愛された(ヨハ3:16) 
第4章 真にして生けるキリスト教信仰についての説教
 第1部 見えざるものを信じる(ヘブ11:1)
 第2部 正しき者は永遠の命に入る(マタ25:46)
 第3部 木はその実でわかる(ルカ6:43-44)
第5章 信仰にともなう善き行いについての説教 
 第1部 キリストはぶどうの木(ヨハ15:4)
 第2部 内を清めよ、されば外も清くなる(マタ23:26)
 第3部 信仰なきは罪(ロマ14:23)
第6章 キリスト教徒の愛についての説教
 第1部 キリストの愛に倣う(ヨハ14:15)
 第2部 愛がなければ無に等しい(一コリ3:2)
第7章 誓いと偽証についての説教
 第1部 みだりにみ名を唱えてはならない(出20:7)
 第2部 偽証してはならない(出20:16)
第8章 神から離れることはいかに危ういものであるかについての説教
 第1部 彼らは私の安息に入らない(ヘブ3:11)
 第2部 よいぶどう畑となる(一コリ3:9)
第9章 死の恐怖についての説教
 第1部 死は永遠への戸口(一コリ2:9)
 第2部 神の鞭は愛(ヘブ12:7)
 第3部 死から命へ(ヨハ5:24)
第10章 善き秩序と統治者への服従についての説教
 第1部 神によらざる権力なし(ロマ13:1)
 第2部 苦しみ耐えて御心にかなう(一ペト2:18)
 第3部 善を行い愚を封じる(一ペト2:13)
第11章 姦淫と不貞を戒める説教
 第1部 罪の奴隷(ヨハ8:34)
 第2部 肉の内にある者は喜ばれない(ロマ13:12-13)
 第3部 心の清い者は神を見る(ロマ11:21)
第12章 いさかいや口論を戒める説教
 第1部 愚かな議論を避けよ(マタ11:29)
 第2部 復讐するは神(ルカ23:34)
 第3部 み恵みと愛で悪に打ち勝つ(一ペト5:6)

第二説教集(全44説教)

序文 すべての聖職者への勧告
第1章 神の神殿たる教会堂を正しく使用することとそこに向けるべき畏敬の念についての説教
 第1部 私もその中にいる(マタ18:20)
 第2部 私の家は祈りの家である(二コリ6:14)
第2章 教会をいたずらに飾り立てて偶像崇拝を行うことの危うさについての説教
 第1部 偶像から離れよ(使14:15)
 第2部 手で造られたものは呪われる(知14:7-8)
 第3部 偽預言者に注意せよ(マタ18:6-7)
第3章 教会堂を修繕して清潔に保ち、相応しく飾ることについての説教
     父の家は商売の家ではない(ヨハ2:15)
第4章 善き行い、特に断食についての説教
 第1部 断食とは何か(ルカ5:34-35)
 第2部 祈りを献げ慈善の業を為せ(トビ12:8)
第5章 暴飲と暴食を戒める説教
     暴飲と暴食を避けよ(一コリ10:31)
第6章 過度に着飾ることを戒める説教
     何をもって身を飾るか(一ペト3:3-4)
第7章 祈りについての説教
 第1部 神は惜しみなく与える(ヤコ1:5)
 第2部 祈りはどなたに(ロマ10:14)
 第3部 敵を愛し迫害する者のために祈る(マタ5:44)
第8章 祈りの場と時についての説教
 第1部 主の日、私は霊に満たされた(黙1:10)
 第2部 礼服を着て来るべし(マタ22:12-13)
第9章 公祷と聖奠は人々に馴染みのある言語で行われるべきであることについての説教
     心で信じ口で告白する(ロマ10:10)
第10章 聖書の一部に疑いを持つ者たちにかかわる説教
 第1部 思い違いをするべからず(マタ22:29)
 第2部 神の力、神の知恵(二ペト3:16)
第11章 助けを求める貧しい人々に対する施しと慈善についての説教
 第1部 貧しい人は神の国を受け継ぐ(マタ25:40)
 第2部 慈善は信仰の実である(ルカ11:41)
 第3部 施しをする人は欠乏しない(二コリ9:10)
第12章 主イエス・キリストの降誕についての説教
     宥めの献げ物(一ヨハ4:10)
第13章 救い主イエス・キリストの死と受難についての聖金曜日のための説教
 第1部 罵られても罵り返さず(一ペト2:22-23)
 第2部 愛をもって耐えた方(ロマ5:8)
第14章 救い主イエス・キリストの復活についての説教、イースターのために
     新しい命を得て新しい人を着る(一ペト1:3-5)
第15章 キリストの肉と血の聖奠を恭しく受けることについての説教
 第1部 私の体、私の血(マタ26:26-28)
 第2部 パンはひとつ、皆はひとつ(一コリ10:17)
第16章 聖霊の降臨とそのあまたの賜物についての説教、聖霊降臨祭のために
 第1部 三にして一なる神(使1:2-4)
 第2部 神から出た霊を信じよ(一ヨハ4:1-2)
第17章 祈願節週間のための説教~あらゆる善きものは神より出る
 第1部 すべてのものは神から出る(ロマ11:36)
 第2部 良い忠実な僕(マタ25:21)
 第3部 時をよく用いよ(一コリ2:9)
 第4部 祈願節週間における教区の辺境の地域での巡回で行われる説教 
     麦打ち場を麦で満たせ(一コリ6:7)
第18章 結婚の意義についての説教
     夫婦は共に敬い合うべし(一ペト3:1,4,7)
第19章 怠惰を戒める説教
     勤勉な手は豊かになる(一テサ4:6)
第20章 悔い改めと神との真の和解についての説教
 第1部 悔い改めよ、天の国は近づいた(一ヨハ1:9)
 第2部 私を離れては何もできない(ヨハ8:11)
 第3部 命の向き直しをせよ(シラ5:7)
第21章 不服従と反乱を戒める説教
 第1部 私は怒りをもって王を与える(ロマ13:2)
 第2部 茨の冠を載せられても(マタ27:28-29)
 第3部 内輪で争うべからず(マタ12:25)
 第4部 神よ、手に鋤を持たせたまえ(ルカ9:62)
 第5部 無知と野心は悪の根源なり(一ペト2:13-14)
 第6部 光あるうちに光の中を歩め(ヨハ12:35)

さてここから

 一覧にするとなかなか壮観である(自画自賛)。さて、いったんの全訳を終え、それを推敲しつつのnoteへの試訳投稿も終え、これからしたいと考えていること。それは…次回の投稿で。



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