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【説教集×英語学習15】 善き行いをする #225

2024年3月24日(復活前主日)



説教集より

Certaine Sermons or Homilies 1547-1571, Rickey and Stroup, 2nd ed, 1993, II, p82.

Let us not therefore be slack to do good works, seeing it is the will of God that we should walk in them, assuring ourselves that at the last day every man shall receive of God for his labour done in true faith, a greater reward than his works have deserved.

わたしたちが善き行いのなかを歩むのは御心であると心得て、真の信仰をもって為される働きに対しては、それに見合うよりも大きな褒賞を誰もが最後の日に神から授けられるということを確信し、弛むことなく善き行いをするべきです。(第二説教集4章1部:全訳はこちら↓)


ヨハネのひとこと

「あなたがたは恵みにより、信仰を通して救われたのです。それは、あなたがたの力によるのではなく、神の賜物です。行いによるのではありません。それは、誰も誇ることがないためです。私たちは神の作品であって、神が前もって準備してくださった善い行いのために、キリスト・イエスにあって造られたからです。それは、私たちが善い行いをして歩むためです(エフェ2:8-10)。」

パウロはここで、人間は善行を積まなければ救われないなどとする考え方に警告を発しています。人間は善行をすることによって善となるのではなく、そもそも善行をするようにと造られている、恵みをもって造られているということです。

日常の生活を送るなかで、自分が「善い行いをすることができた」と喜ぶことがあるかもしれません。しかしそれは「自分の力」によるものなのか。そうではなく、そういう目的でわたしたちが造られているからなのです。そのようにわたしたちを造られたかたを想い、今週も毎日を送りましょう。


英文の解説

使役動詞 let に始まる命令文です。let の目的語は us、補語は not be です。ここに therefore が加わり、基本的には「それゆえ~ではいようにしましょう」という意味になります。be に続く形容詞 slack は「弛んでいる」の意味を持ちます。したがって「弛まないようにしましょう」となります。その次に副詞用法の to 不定詞として to do good works が続いていますので、「善き行いをするのに弛まないようにしましょう」となりますが、ここは「弛まずに善き行いをするべきです」と落ち着かせました。

続く seeing は分詞構文。seeing のあとに接続詞 that が省略されています。この seeing は「わかって」「理解して」の意味です。seeing の目的語としての名詞節は in them まで。核となる構造は it is the will of God の SVC。主語 it は形式主語で真主語が that we should walk in them。この them は good works を指します。分詞構文 seeing からトータルして、「わたしたちが善き行いの中を歩むのは御心であると心得て」という和訳にしました。

もうひとつ分詞構文があります。assuring です。assure はよく再帰代名詞と前置詞 of を伴い assure oneself of ~ のかたちで用いられますが、ここではその of ~の機能を接続詞 that に導かれる名詞節が担っています。この名詞節の核となる構造としては主語が every man、述語動詞が shall receive、他動詞 receive の目的語が a greater reward です。なお、この a greater reward の前にカンマがありますが、この説教集によく出てくる、なくてもいいはずのカンマです。前置詞句が複数あるのでやや構造をとりにくくなっていますが、核としての構造はこうなります。「誰もがより大きな褒賞を得ることになる」です。

この名詞節のなかにある前置詞句は大きく3つ。主語に先立つ at the last day「最後の日に」という副詞句、述語動詞 shall receive の後にある of God「神から」という副詞句、そして、それに続く for his labour done in true faith「真の信仰をもって為される働きに対しては」という副詞句です。 分詞構文 assuring からトータルして訳しますと「真の信仰をもって為される働きに対しては、より大きな褒賞を誰もが最後の日に授けられるということを確信し」となります。

a greater reward とある形容詞の比較級にかかわる than は接続詞です。そのあとは主語が his works で述語動詞が have deserved です。「その行いが価値を持つ」という直訳になりますが、ここでは文脈を考え、「それに見合う」としました。したがって分詞構文 assuring 以下は「真の信仰をもって為される働きに対しては、それに見合うよりも大きな褒賞を誰もが最後の日に神から授けられるということを確信し」と和訳しました。 


英文の見取り図



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