9. ライブハウスでバイトする②

いろんなライブハウスに面接に行った結果、私は渋谷にあるライブハウス兼クラブで働くことになった。受付とドリンクのスタッフである。

のちに分かったことだが、ライブというのはドリンクスタッフがほとんどいらない。お客さんは入場時に払うドリンクチケット分の飲み物しか飲まないからである。開演前、演者の転換中、終演後に集中して人が来るので、ドリンクスタッフはその時間だけいれば良い。

しかし、クラブはそうはいかない。お客さんは割と「飲み」にきている。22時から明け方まで、メインアクトが出演する2時くらいをピークに飲み続けるのでスタッフは常時必要である。

大学生でもいいよ、最低時給くらいの給料は出すよ、というライブハウスは大概がこの「ライブ」と「クラブ」を両方やっているところであった。クラブミュージックなんて触れたこともない大学1年生はこの荒波にぬるりと飲み込まれていった。

そのライブハウスには、きちんとしたシフトがなかった。店長と呼ばれるなかなか荒々しい男性が、手書きで「この日出勤して欲しい」という日付を羅列した紙を渡してくる。私はライブハウスで働きたいのであってクラブの時間帯には興味がないのだが、上記の理由で人手が必要なのはクラブ。なので、出勤日もクラブに偏っていた。

クラブはやはり週末のもの。金曜・土曜を中心に深夜から明け方までのシフトが組まれる。しかし私は学生。土曜朝の授業もあったし、サークルでのライブやイベントはやはり土日に集中する。

自分で希望日も出せず、向こうから一方的に出されるシフトには、他のバイトの子も拒否反応を示した。同じタイミングで入ったバイトの子が5人くらいいたが、2週間目には2人になっていた。

せっかく念願叶ってライブハウスで働けるようになったのだから、と思う気持ちが、私をどうにか引き止めていた。だけど、限界は自然ときた。3ヶ月目で、私は初めて働いたライブハウスをやめた。

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