10. ライブハウスでバイトする③

大学生がライブハウスでバイトするのはこんなに難しいことなのか?

様々な求人、面接、そして一度働いたライブハウスでの経験を以って、私はライブハウスの闇とハードルの高さを感じていた。

しかし、ついに見つけた。私でも働けるライブハウス。

それはなぜか普通のanみたいな、求人誌に載っていた。比較的新しく、しかしキャパは500くらいの大箱。ちょうどメジャーに行く直前くらいのバンドが出演するライブハウスで、その頃聴いていた音楽ともマッチしていた。
大量採用のときだったらしく、私は運良く合格して働けることになった。

仕事内容はここでも受付&ドリンク。週末はクラブとして営業していて、そちらに人員が必要なのは前のライブハウスと同じだったが、シフトの希望は出すことができた。

憧れのライブハウス、バンドやってる人に言うと「すごい」と言ってもらえる自慢のバイト先。素晴らしいアーティストの音楽が溢れて、シフト発表の度に「来月こんな音楽聴ける!」と嬉しくなった。

クラブのいいところも見つけた。それは、お酒を飲む=ちゃんとしたお酒を作れるようになる必要があること。そのために先輩や社員さんがちゃんとしたカクテル作りを教えてくれた。
両親ともお酒を飲めない家庭で育ったので、お酒の知識はほとんどなかったが、それはとても神秘的な経験だった。夜の世界に欠かせないお酒。その世界を知れることが嬉しくて、自分でもスピリッツやリキュールを買い揃えて練習し、飲むようになった。

クラブへの偏見も和らいだ。ナンパ、チャラいイメージはごく一部のクラブのもので、純粋に音楽を楽しむこと、空間を楽しみに来ている人が多いことも知った。最後まで詳しくはならなかったが、うっすらと好きなDJや好きなイベントもできた。

そのライブハウスでは、卒業間際まで働かせてもらった。辞める人も多かったが、私が最後まで続けられたのはひとえに音楽のおかげだと思う。ここにいれば毎回素晴らしい音楽が聴ける。その空間に自分がいられる。それだけで幸せだった。
そうして生き残った数人は今でも連絡を取り合う仲だ。

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