流音 🔳 第二の函 うららかな日差しが、ぴんチャンの体を包んでいた。 田んぼに横たわり、ゴロゴロ、クネクネと、モモはレンゲ草をな…
流音 🔳第一の函 ぴんチャンは、今日も布団の中で、憂鬱な気分になっていた。 周りは暗く、外の灯りが曇りガラスを照らし、カーテン越しに部…
流音りりっく
2022年12月27日 16:57
流音🔳 第二の函うららかな日差しが、ぴんチャンの体を包んでいた。田んぼに横たわり、ゴロゴロ、クネクネと、モモはレンゲ草をなぎ倒している。心なしか、三毛猫は春の到来を喜んでいるようだった。田んぼにはまだ水が張られていない。「モモの真似っこ」ぴんチャンはゴロリとレンゲ草の上に寝転んだ。ぴんチャンの家の周りは、田園が広がっていた。それは遥か遠
2022年12月4日 00:21
流音🔳第一の函ぴんチャンは、今日も布団の中で、憂鬱な気分になっていた。周りは暗く、外の灯りが曇りガラスを照らし、カーテン越しに部屋の中の物を、薄ぼんやりと浮かび上がらせている。振り子時計の短針は、10を過ぎたところを指していた。コチッ、コチッ、コチッ…振り子時計の均等に時を刻む音に混じり、パキッぴんチャンの住んでる家は、木造家屋ならではの、木