白鳥ヒロ

私は人間なので経済を回します

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Vol.0 わっ、2022年!

Illustration&picture/text Shiratori Hiroki 記事を書かせていただきます。 新年明けましておめでとうございます。しらとりです はっとしたかも知れません。そうです、2022年ですね。私はこの機会に日記を書いてみようと思って、せっかく書くのだから読んでもらったほうがいいでしょうということです。楽しみですね。 少しずつ更新していきます。少しずつ,,, INFORMATION

    • Vol.「わかんないよ、まだ」

      Illustration&picture/text Shiratori Hiroki  彼女に何をしてあげられるんだろう。そんなことばかり考えてしまう、何持っていないのに、何かあげるとか、そうゆう簡単なことで解決しようとしてしまう。春、彼女の仕事終わりに、桜を見に行くことにした。少し前からお花見しようねと話していたし、今日ならそれがぴったりな天気だったから、お花見に誘った。 僕は人混みや、音がうるさい場所や、身動きが取れない状態、他にもいろんな要素が重なると、パニックになる

      • Vol.「ラジオ電波と繋がれて」

        Illustration&picture/text Shiratori Hiroki すこしラジオについて展開しようとおもう。僕がラジオを聴くようになったのはたしかオードリのオールナイトニッポンだった気がする。不思議なことにきっかけを覚えていない。しかし今では綺麗なグラデーションでもって生活の一部になっているんで、僕にとってラジオとは不思議なものなのかもしれない。その不思議さが少しムズムズするから、こうやって文章に起こしあげるわけだけど、これといってパンチフレーズが出てくる

        • 短編小説「猫を抱こうが猫に抱かれようが」

          illustration&picture/text Shiratori Hiro  そういえば野良猫のミクが三日間も顔を見せなくなったのは九月の下旬だった。高校の修学旅行のときに沖縄のアメリカンショップで買ったキャップを大学生になった今もかぶり続けている。キャップにはアメリカを代表する白頭ワシの刺繍が翼を広げて急降下しており、ワシの頭はオリーブの枝のほうに向けられ、戦争のない平和な世界を願った思いがこめられていたらしいが、ギルトで施したオリーブの枝は薄い汗じみと一緒に中性洗

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        Vol.0 わっ、2022年!

          Vol.12「救われない休日と大型犬の尻尾」

          Illustration&picture/text Shiratori Hiroki  代々木公園で昼寝をしている大型犬のことを考えながら、僕はあることも同時にぼんやりと考えていた。実際には腹話術のような具合で声に出している自分と声を出していない自分の狭間の部分でもって考え事をしていた。みんなもそうゆう時ってあると思う。野菜売り場できゅうりの痛み具合を確認しながら、子供をあやしている母親だとか、今は父親も含まれるのかもしれないが。(でもそんな父親はまだ見たことはない) そう

          Vol.12「救われない休日と大型犬の尻尾」

          Vol.11「振り返ると自分が水泳をしている」

           最近続けていることがある。大学卒業の目の前にして気がつけば、自分の生活リズムのようなものに違和感のようなものを感じながら、日々を過ごしていた。言い方を大きく捉えるとすれば、ある種の人生のゴール地点のようなものを見失っていたのかもしれない。中学生の頃は部活や授業という中で縛られることで生活の軸が私を形成して、それに違和感も感じなかった。高校に進学してもほとんどの場合、それは変わらない。しかし、大学生になって自分の時間を管理するようになって時間の捉え方が変化することで、一日のリ

          Vol.11「振り返ると自分が水泳をしている」

          短編小説14「フィクションに猫の設置することについて」

          Illustration&picture/text Shiratori Hiroki  「猫飼ってるじゃん?」ツイッターのリプ欄に妙なコメントがあった。山手線沿いにある喫茶店にスポットを当てた【山手線喫茶】というアカウント名で数年ほど前から‘喫茶店名’‘営業時間’‘喫煙可能’などを記した日記のようなものを投稿している。気がつけば数万人のフォロワーを抱えたこのアカウントだが、それが私のアカウントだと誰にも打ち明けてはいない。そんなアカウントにリア友の斉藤からリプが来た。彼はお

          短編小説14「フィクションに猫の設置することについて」

          脚本『夜明けのラブソング』

          Illustration&picture/text Shiratori Hiroki Suzacaさんの『夜明けのラブソング』 脚本を担当しました白鳥ヒロです ⚠︎NOTEでは読みづらいのでPDFからご覧ください 脚本『夜明けのラブソング』 続きはこちらから↓ INFORMATION 原作・音楽 脚本

          脚本『夜明けのラブソング』

          Vol.10「目は閉じてますか?」

          Illustration&picture/text Shiratori Hiroki 例えば真っ暗な部屋で目を閉じるとする。 すると目の前は予想通り真っ暗になる。当然のように思えて、不思議な気もする。真っ暗な部屋で目を閉じていても、色を感じることができる。緑と赤が混ざったような色がぐるぐると動いているように感じる。この色はどこからやって来たんだろうと目を閉じながら考える。 明るい部屋で目を閉じると意外にも同じようなことが起こる。これも不思議に思えてくる。なんだかこれは忘れち

          Vol.10「目は閉じてますか?」

          Vol.09「ビートルズがパン投げてくるんだ」

          Illustration&picture/text Shiratori Hiroki  いつも目が覚めると思うことがいくつかある。例えば電柱の果てはどの向かっているんだろうとか、新しく替えたシーツの匂いとか、そういった取り止めのないことばかりが頭から浮かんできて、ゆっくりとぼんやりと形を変えて午後には忘れてしまう。そんな曖昧な記憶の断片みたいなものが、いくつかある。  でも最近はいつも同じ夢を見ることが多くなった。カラカラとした砂漠のどこかに僕はいて、空から大砲が降ってき

          Vol.09「ビートルズがパン投げてくるんだ」

          短編小説13「脇道の正体」

          Illustration&picture/text Shiratori Hiroki  そういえば思い出した事がいくつかある。いつもの帰り道に小さな脇道があったり、昔よく通っていた映画館のチラシが家の奥から出てきたり。しかしそれらはいつの記憶でどこに繋がるのかどうかはよく思い出せない。そうゆうぼんやりとした記憶ばかりだけど。書き捨てられたメモを懐に手繰り寄せて丁寧に思い出すのはむずかしい。  今日、ある駅を降りたときそんな感覚があった。何年か前に、この駅を利用したのかもし

          短編小説13「脇道の正体」

          短編小説12「秘密(下)」

          Illustration&picture/text Shiratori Hiroki  それから彼等は存外にもたわいのない身の上話をしていた。それは昨日のホテルで食べたディナーはなんだか退屈だったとか、お土産にトンビが前から食べたがっていた明太子を持ってきただとか、そんな話ばかりであった。するとトンビは取引相手に距離を詰めてこう言った「あのね、ヒミツがあるんだ。それもけっこうビックなヒミツ。意外にもバレないでいるのは秘訣があるんだ。ちなみにこの段階でどんなヒミツか、わかるか

          短編小説12「秘密(下)」

          短編小説12「秘密(上)」

          Illustration&picture/text Shiratori Hiroki  人間には誰しも人にいえないようなヒミツを抱えている。ごくごく一般的な駅の近くのカフェで行われる世間話にふくまれる浮気のひとつひとつではない。明確な目的をもったヒミツである。そんなものはたいていの場合において、空港のなかで行われているのだ。  なぜそう思うのかというと、わたしは国を守るスパイであるからだ。国を守るスパイというのは、形がない。これはファンタジーへ向かう話ではなくて、とてもクリ

          短編小説12「秘密(上)」

          Vol.08 「若者のすべて」

          ・はじめに〜志村正彦さんに愛をこめて〜  おひさしぶりです。 今年が終わりそうなので、クリスマスが来る前に彼のことを思い出したいと思って、この曲の歌詞を自分なりに解釈してみました。 誤訳があるかと思うんですが、わたしが個人的に誤訳したい気持ちが混ざったりしています。 Illustration&picture/text Shiratori Hiroki ・若者のすべて〜フジファブリックとは〜 「若者のすべて」初めて聴いたのはたぶん小学生のころだった気がする。実家の車のC

          Vol.08 「若者のすべて」

          短編小説11「野菜売り場にて」

          Illustration&picture/text Shiratori Hiroki  スーパーの野菜売り場で野菜を見ていた。すると、今日の食事は何がいいか想像するのに効果的なのだ。私の目に映ったのはアスパラガスだった。 国産のもので100グラムで270円。安いのか高いのか私にはよくわからなかった。持って触ってみるとけっこう丈夫で鈍感な印象をもった。  振ったり舐めたりしてみたいものだが、これは売り物である。言葉足らずで大変恐縮なのだが、私にとってじつに感動的な出会いに近か

          短編小説11「野菜売り場にて」

          短編小説10「犬について」

          Illustration&picture/text Shiratori Hiroki  へへ。肉球に踏まれた。足元にはヨダレを垂らした犬がこっちをみている。  初めて犬に足を踏まれた。そしてソファに顔を沈めてこちらをじっと見ていた。犬は奇妙な生き物のように思えてしまう。だって、ポチって呼んでもタロウって呼んでもワンと吠えるのだから、バカ丸出し。私はバカが嫌いだし、ずっと息切れしているんだもの。あれがとっても気が散るし、気に食わない。だからお兄ちゃんが捨て犬を飼うって言った

          短編小説10「犬について」