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Vol.08 「若者のすべて」

・はじめに〜志村正彦さんに愛をこめて〜

 おひさしぶりです。
今年が終わりそうなので、クリスマスが来る前に彼のことを思い出したいと思って、この曲の歌詞を自分なりに解釈してみました。
誤訳があるかと思うんですが、わたしが個人的に誤訳したい気持ちが混ざったりしています。

Illustration&picture/text Shiratori Hiroki


・若者のすべて〜フジファブリックとは〜

「若者のすべて」初めて聴いたのはたぶん小学生のころだった気がする。実家の車のCDストックにはスピッツとフジファブとバックストリート・ボーイズしか入ってなかった。そんなわけで聞き馴染みがある。身の上話をしても仕方ないのでさっそく本題に入る。彼が2009年のクリスマスイブに亡くなってから、13年が経つ。なんで急に彼を思い出したかというとアルバムのジャケットにもある印象的な観覧車

引用/apple music

今年の8月にお台場のパレットタウン大観覧車が解体された。アルバイトでよく東京テレポート駅を使っていたから、なんか悲しい。おそらく、フジのアルバムのジャケットはお台場の観覧車とは違うけど、感傷的になっちゃうわけだ。初めて聴く人のために。いい曲です。


・本編〜誰もが経験したであろう風景〜

まずはサビまでの歌詞

A)真夏のピークが去った
天気予報士がテレビで言ってた
それでもいまだに街は
落ち着かないような気がしている

B)夕方の5時のチャイムが
今日はなんだか胸に響いて
「運命」なんて便利なもので
ぼんやりさせて

C)最後の花火に今年もなったな
何年経っても思い出してしまうな
ないかな ないよな
きっとね いないよな
会ったら言えるかな
まぶた閉じて浮かべているよ
「若者のすべて」作詞作曲/志村正彦

もう大好きすぎる!!!


Aでは季節は変わってしまったけれど、街はいまだに夏の名残を少し残してるような印象。花火大会のチラシが電信柱にまだ貼ってある日。そして夏の夕方5時のチャイムがなると、なんだか若者たちは胸に響くものがある。。。

わかる〜!!


誰もが経験したであろう風景をこんなに短い文章で伝えるなんて。。。


そしてサビでは何年も前の花火大会で運命的なあの人のことを花火を見ながら、思い出して、ちょっと屋台とかに行って探しながら、そっとまぶたを閉じて浮かべている。何年も前にだれかと見た花火のことを思い出して。実際に若者たちがひとりで花火大会に探しに行ったかという論争は解釈の自由です。

素敵な歌詞に脱帽です!!!
ノスタルジーを感じざるおえない。


・本編2〜私の妄想大爆発〜

2A)世界の約束を知って
それなりになってまた戻って

2B)街頭の明かりがまた一つ点いて
帰りを急ぐよ
途切れた夢の続きを
とり戻したくなって

C)最後の花火に今年もなったな
何年経っても思い出してしまうな
ないかな ないよな
きっとね いないよな
会ったら言えるかな
まぶた閉じて浮かべているよ

D)すりむいたまま
僕はそっと歩きだして
「若者のすべて」作詞作曲/志村正彦

ここでわたしの無茶な解釈がある。
印象的にも願いにも感じられるCの部分。この花火は1サビと同じ年の花火なのかそれとも何年か経過した日のことなのか。解釈はたくさんありますが、わたしは後者です。

ここから妄想大爆発です。


まず、2Aで語られる「世界の約束を知って〜また戻って」の部分では若者にとってはそれが就職かもしれないし、進学かもしれない、はたまた誰かの命日かもしれない。若者は一年を周期に、それを花火で思い出す。戻れない日を忘れないように、さらに取り戻したくなるほど。

みなさんの忘れないようにする方法はなんですか?

2Bで語られる「途切れた夢の続き」とはそのこと言っているのではないかと考察しています。これは意外にもなんでもいい気がする。喫茶店で別れ際に言えなかった一言とか、海外に飛び立つあの子に言えずにいた一言とかなんでも。
そんな若者のすべてをここで抱擁しているように思います。大好きです。けれど、Dメロでそんな傷だらけの若者たちもゆっくり歩き出すのです。。


・本編3〜若者のすべてはどこへ!〜

C)最後の花火に今年もなったな
何年経っても思い出してしまうな
ないかな ないよな
なんてね 思ってた
まいったな まいったな
話すことに迷うな

最後の最後の花火が終わったら
僕らは変わるかな
同じ空を見上げているよ
「若者のすべて」作詞作曲/志村正彦

そして若者たちは今年の花火を見て思い出します。

最後のサビは少し違う箇所があって。

「話すことに迷うな」の部分は何年も積もった想いを伝えるかどうか迷って、そして最後の歌詞で
「僕らは変わるかな同じ空を見上げているよ」
今年も同じような花火を見てまた一年が過ぎる。

つまり、わたしの解釈はこうだ!


傷だらけになっても過去にどんな災難や別れがあっても前を向いていなきゃいけない。いつかそれを踏まえて私たちは変われることができる。たぶん君もそう思いながらこの空を見ているんだろう?
という具合だ。

大爆発。


こんなセンチメンタルな若者の、いや全ての願いを抱擁するような歌詞を書いてくれて歌ってくれた志村正彦さんに感謝を捧げます。
そしてフジファブリックは現在も活動しています。
ギターの山内総一郎さんが歌っています。
たぶん、夕方5時のチャイムであなたのことを忘れる人はもういません。


INFORMATION

2001年生まれの巳年/白鳥ヒロ

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