或る歴史と或る耳と

ミュージック・マガジン誌の「50年の邦楽ベスト100」及びローリング・ストーン誌の「『…

或る歴史と或る耳と

ミュージック・マガジン誌の「50年の邦楽ベスト100」及びローリング・ストーン誌の「『歴代最高のアルバム』500選(2020年版)」を網羅的に聴き、参加メンバーの感想をまとめて記録していきます。月・水・金曜更新。

マガジン

  • ローリング・ストーン編(1-100)

    ローリング・ストーン誌の「『歴代最高のアルバム』500選(2020年版)」で取り上げられている作品たちを扱った記事のまとめです。

  • 座談会

    約10週ごとに行っているメンバー座談会の模様です。

  • まずはこちらを。

    企画についての説明と、参加メンバーの自己紹介記事です。自己紹介でそれぞれの嗜好を踏まえて読んでみると、新しい発見があるかもしれません。

  • 番外編

    メンバーの推薦盤を扱った記事のまとめです。

  • ミュージック・マガジン編

    ミュージック・マガジン誌「50年の邦楽ベスト100」で取り上げられているアルバムを扱った記事たちのまとめです。

最近の記事

  • 固定された記事

はじめに: 企画概要

「はじめに」のはじめに みなさんには、”通ってこなかった名盤”が何枚あるでしょうか?誰しも、名盤とされていたり定番とされているにもかかわらず聴いたことがない、というアルバムがたくさんあるはずだと思います。興味がないわけではないのだけど、なんとなく聴くきっかけがないし、今更聴くのも…、というような気持ちに共感を覚えてくれる方も多いことでしょう。  この企画の目的は、私自身が聴いてこなかったたくさんの名盤のうちいくつかに触れてみるきっかけを作ること、そして他者を巻きこむことで途中

    • Smokey Robinson and the Miracles『Going to a Go-Go』(1966)

      アルバム情報アーティスト: Smokey Robinson and the Miracles リリース日: 1966/11/1 レーベル: Motown(US) 「『歴代最高のアルバム』500選(2020年版)」における順位は412位でした。 メンバーの感想The End End  ドラムの音色だけで、自分が朧げに抱いていたモータウンへのイメージとかなり異なる姿で驚いた。タンバリンやクラッシュシンバルがやかましいほど元気に鳴っていて、太鼓類もかなり歪んでいる。過大入力によ

      • Otis Redding『Complete & Unbelievable: The Otis Redding Dictionary of Soul』(1966)

        アルバム情報アーティスト: Otis Redding リリース日: 1966/10/15 レーベル: Volt(US) 「『歴代最高のアルバム』500選(2020年版)」における順位は448位でした。 メンバーの感想The End End  カッコいい!!感情が素朴に誇張されていて心地良い。食材が元々持っている味をより引き出すために使われる少量のうまみ調味料みたいな、そういう類の嬉しさだ。  ザコシのように"誇張されていること"それ自体を楽しむ楽しみ方はあるけれど、感情

        • Nina Simone『Wild is the Wind』(1966)

          アルバム情報アーティスト: Nina Simone リリース日: 1966/9/16 レーベル: Philips(UK/NEZ) 「『歴代最高のアルバム』500選(2020年版)」における順位は212位でした。 メンバーの感想The End End  素晴らしく抑制の効いたエモーション!大好きです。男声っぽさも女声っぽさも併せ持つ/使い分けることができる歌声も凄まじすぎる。  アレンジは比較的アメリカン・ポップスの伝統に依拠したものが多いと思うのだけど、小さな空間を想起さ

        • 固定された記事

        はじめに: 企画概要

        マガジン

        • ローリング・ストーン編(1-100)
          32本
        • 座談会
          12本
        • まずはこちらを。
          14本
        • 番外編
          13本
        • ミュージック・マガジン編
          100本

        記事

          ディランくんとの放課後ひみつレッスン、あとジャズは来てない──「或る歴史と或る耳と」RS編10週目を終えてのレビュワー座談会:前編

           ローリング・ストーン誌「史上最も偉大なアルバム500」のランキングを年代順に聴き、数人のレビュワーが感想を残していく企画「或る歴史と或る耳と」。今回はその特別編として、ここまで60枚の名盤を評してきた参加メンバーたちが集合し、雑感やアルバムへの思いを語った座談会の様子をお届けします(参加メンバーのうち、「コーメイ」「桜子」「湘南ギャル」「和田醉象」は日程の都合により不参加)。  後編では各々のピンとこなかった作品について語っています!妄言と妄言の共演をお楽しみください。

          ディランくんとの放課後ひみつレッスン、あとジャズは来てない──「或る歴史と或る耳と」RS編10週目を終えてのレビュワー座談会:前編

          それってね、ポップ・ミュージックだね──「或る歴史と或る耳と」RS編10週目を終えてのレビュワー座談会:中編

           ローリング・ストーン誌「史上最も偉大なアルバム500」のランキングを年代順に聴き、数人のレビュワーが感想を残していく企画「或る歴史と或る耳と」。今回はその特別編として、ここまで60枚の名盤を評してきた参加メンバーたちが集合し、雑感やアルバムへの思いを語った座談会の様子をお届けします(参加メンバーのうち、「コーメイ」「桜子」「湘南ギャル」「和田醉象」は日程の都合により不参加)。  中編ではメンバーのフェイバリット・アルバムについて話しています! お小遣いでこれ買うのは変|

          それってね、ポップ・ミュージックだね──「或る歴史と或る耳と」RS編10週目を終えてのレビュワー座談会:中編

          ビートルズって初期のNewJeansみたいだし、ディランはTwitter Blueーー「或る歴史と或る耳と」RS編10週目を終えてのレビュワー座談会:前編

           ローリング・ストーン誌「史上最も偉大なアルバム500」のランキングを年代順に聴き、数人のレビュワーが感想を残していく企画「或る歴史と或る耳と」。今回はその特別編として、ここまで30枚の名盤を評してきた参加メンバーたちが集合し、雑感やアルバムへの思いを語った座談会の様子をお届けします(参加メンバーのうち、「コーメイ」「桜子」「湘南ギャル」「和田醉象」は日程の都合により不参加)。  前編では大まかに1954~66年のポップミュージックの全体像について、気になった作品を足がかり

          ビートルズって初期のNewJeansみたいだし、ディランはTwitter Blueーー「或る歴史と或る耳と」RS編10週目を終えてのレビュワー座談会:前編

          Beatles『Revolver』(1966)

          アルバム情報アーティスト: Beatles リリース日: 1966/8/5 レーベル: Parlophone(UK) 「『歴代最高のアルバム』500選(2020年版)」における順位は11位でした。 メンバーの感想The End End  「Taxman」のベース、めっちゃ細野だ……!"ポール・マッカートニーのベースプレイは別格だった"と発言していたのを見たことがあるけれど、それがすごく腑に落ちた瞬間だった。  多くの瞬間でボーカルがセンターではなく"左右から"鳴っていて、

          Beatles『Revolver』(1966)

          Bob Dylan『Blonde on Blonde』(1966)

          アルバム情報アーティスト: Bob Dylan リリース日: 1966/5/16 レーベル: Columbia(US) 「『歴代最高のアルバム』500選(2020年版)」における順位は38位でした。 メンバーの感想The End End  ここまでくると、ブルーズとフォークの境界線ってどこにあるのかわからなくなるな。少なくとも歌の構造、半ば普通に話しているようなメロディと吐き捨てるようなやるせなさを湛えた歌唱においては、このふたつはこのアルバムにおいて完璧に溶け合っている

          Bob Dylan『Blonde on Blonde』(1966)

          Beach Boys『Pet Sounds』(1966)

          アルバム情報アーティスト: Beach Boys リリース日: 1966/5/16 レーベル: Capitol(US) 「『歴代最高のアルバム』500選(2020年版)」における順位は2位でした。 メンバーの感想The End End  素晴らしい瞬間はいくつもあり、他にはない魔法がかかったような音像は魅力的だったのだけど、一聴して正体を掴むことはできなかった。  ステレオ版で聴き直したらより細部が見えて何かわかるかも、と思い再生してみたのだけど、何故だか最初に聴いた時感

          Beach Boys『Pet Sounds』(1966)

          Rolling Stones『Aftermath』(1966)

          アルバム情報アーティスト: Rolling Stones リリース日: 1966/4/15 レーベル: Decca(UK) 「『歴代最高のアルバム』500選(2020年版)」における順位は330位でした。 メンバーの感想The End End  やっぱりブルーハーツってかなりコレなんだ!というムードが全体に漂ってはいるのだけど、その中にポスト・パンク的な冷たさも併存しているのがすごく面白かった。"パンク"が確立される前からもうこの雰囲気って備わってたんだ……って。  そし

          Rolling Stones『Aftermath』(1966)

          B.B. King『Live at the Regal』(1965)

          アルバム情報アーティスト: B.B.King リリース日: 1965(月日不明) レーベル: ABC-Paramount(US) 「『歴代最高のアルバム』500選(2020年版)」における順位は299位でした。 メンバーの感想The End End  エレクトリック・ピアノのようにコードを奏でて、管楽器のように高らかに、そして繊細に歌い上げていて……ホロウボディのギター、歪ませ方、右手のタッチ、そのすべてがこの出音に貢献していて素晴らしい。映像を観なくても、顔で弾いている

          B.B. King『Live at the Regal』(1965)

          Beatles『Rubber Soul』(1965)

          アルバム情報アーティスト: Beatles リリース日: 1965/12/3 レーベル: Parlophone(UK) 「『歴代最高のアルバム』500選(2020年版)」における順位は35位でした。 メンバーの感想The End End  これ以前のビートルズの作品たちを企画で聴いてきたけれど、正直に言って"昔のアルバム"であることを意識して受容する必要があった。でもこのアルバムはそうした認識を持つ必要がないほど、アレンジも演奏もプロダクションも洗練されていた。初めて『風

          Beatles『Rubber Soul』(1965)

          Otis Redding『Otis Blue: Otis Redding Sings Soul』(1965)

          アルバム情報アーティスト: Otis Redding リリース日: 1965/9/15 レーベル: Volt(US) 「『歴代最高のアルバム』500選(2020年版)」における順位は178位でした。 メンバーの感想The End End  えー!めっちゃ歌謡曲みたいじゃん!往年の歌手が渋めの歌番組に出ている時と同じ音像だ!この暑苦しさ/泥臭さが日本の土着的な、雑然としたムードと共鳴してリファレンスになったんだろうか。  何よりも、この作品は表拍で手拍子を打てる曲が多い気が

          Otis Redding『Otis Blue: Otis Redding Sings Soul』(1965)

          Bob Dylan『Highway 61 Revisited』(1965)

          アルバム情報アーティスト: Bob Dylan リリース日: 1965/8/30 レーベル: Columbia(US) 「『歴代最高のアルバム』500選(2020年版)」における順位は18位でした。 メンバーの感想The End End  すごい。どんどん姿を変えていく。演奏はどんどん変わっていくのに、同じ人が書いた曲を同じ人が歌っていると確実に分かる。作家性ってこういうことですね……  そして、この歌い方に影響を受けたであろうボーカリストの顔がいくつも浮かんできて、ニコ

          Bob Dylan『Highway 61 Revisited』(1965)

          Beatles『Help!』(1965)

          アルバム情報アーティスト: Beatles リリース日: 1965/8/6 レーベル: Parlophone(UK) 「『歴代最高のアルバム』500選(2020年版)」における順位は266位でした。 メンバーの感想The End End  「I Need You」のギター、ちょっと待ってくれよ。笑 これ、本当に意図してこのタイムで弾いてるんですか……?ボリューム奏法はしていそうだけど、エコーのエフェクト音だけ出してる感じですか……?  それについてはさておき、ものすごい飛

          Beatles『Help!』(1965)