マガジンのカバー画像

ローリング・ストーン編(1-100)

56
ローリング・ストーン誌の「『歴代最高のアルバム』500選(2020年版)」で取り上げられている作品たちを扱った記事のまとめです。
運営しているクリエイター

記事一覧

Big Brother & the Holding Company『Cheap Thrills』(1968)

アルバム情報アーティスト: Big Brother & the Holding Company リリース日: 1968/8/12 レーベル: Columbia(US) 「『歴代最高のアルバム』500選(2020年版)」における順位は372位でした。 メンバーの感想The End End  いつだかTwitterで見た、幼少期のビョークがバンドの中で歌っているビデオを思い出した。あの景色を初めて作った/あるいはわかりやすく提示した存在がジャニス・ジョプリンなのだと思うと、エ

The Band『Music From Big Pink』(1968)

アルバム情報アーティスト: The Band リリース日: 1968/7/1 レーベル: Capitol(UK) 「『歴代最高のアルバム』500選(2020年版)」における順位は100位でした。 メンバーの感想The End End  メロディとリズムと音色の楽しさが全部ある。これをグッド・ミュージックと呼ばずしてどうするのかと言いたくなるほど、充実感が全体を包んだアルバムだ。ところどころに忍ばせてある一筋縄ではいかなそうな不穏な空気も、コントロールされた上で適切に出力さ

Johnny Cash『At Folsom Prison』(1968)

アルバム情報アーティスト: Johnny Cash リリース日: 1968/5/6 レーベル: Columbia(US) 「『歴代最高のアルバム』500選(2020年版)」における順位は164位でした。 メンバーの感想The End End  なんとなくカントリーに対して直線的なグルーヴの音楽だというイメージを抱いていたけれど、よくよく聴くと16分でスネアを刻むセカセカした曲でも、細かく/小さく揺らいでいるな。細野の『泰安洋行』や『Flying Saucer 1947』以

Zombies『Odessey and Oracle』(1968)

アルバム情報アーティスト: Zombies リリース日: 1968/4/19 レーベル: CBS(US) 「『歴代最高のアルバム』500選(2020年版)」における順位は243位でした。 メンバーの感想The End End  生演奏っぽくないストリングスやフルートが聞こえて、おや?と思ったら、メロトロンが使われているらしい。メロトロンってこんな時期にもうあったの、すごすぎるな。  メロトロンはさまざまな楽器の音を各音階ごとに収めたテープが鍵盤を押すと再生される、サンプリ

Laura Nyro『Eli & the 13th Confession』(1968)

アルバム情報アーティスト: Laura Nyro リリース日: 1968/3/13 レーベル: Columbia(US) 「『歴代最高のアルバム』500選(2020年版)」における順位は463位でした。 メンバーの感想The End End  スクエアとシャッフルとを気ままに行き来する構成を多くの曲がとっていて、それが飛び道具としてではなく成立しているのが凄まじい。リズムだけでなくテンポも伸び縮みするようにシームレスに変化していて、スルッと聴けているのが不思議になる。  

Frank Sinatra『In the Wee Small Hours』(1955)

アルバム情報アーティスト: Frank Sinatra リリース日: 1955/4/25 レーベル: Capitol(US) 「『歴代最高のアルバム』500選(2020年版)」における順位は282位でした。 メンバーの感想The End End  映画の中にいるみたいな気持ちになって、格好つけた顔で聴いちゃう。ただ、ホント申し訳ないんですけど、ノスタルジック/ロマンチックに楽しむ以上の意味は見出せませんでした……声も演奏もメロディも美しいけれど、少なくともしばらくは私の血

Elvis Presley 『Elvis Presley』(1956)

アルバム情報アーティスト: Elvis Presley リリース日: 1956/3/13 レーベル: RCA (US) 「『歴代最高のアルバム』500選(2020年版)」における順位は332位でした。 メンバーの感想The End End  12曲入って30分未満?ストリーミングサービスでの聴かれやすさを意識して制作したのか??  冗談はさておき。高域の削れたアナログエコーの旨みたっぷりの嬉しいモノラルサウンド。この頃はあったとしても2トラックでのパラ録りが精一杯のレコー

Little Richard『Here's Little Richard』(1957)

アルバム情報アーティスト: Little Richard リリース日: 1957/3/4 レーベル: Specialty(US) 「『歴代最高のアルバム』500選(2020年版)」における順位は227位でした。 メンバーの感想The End End  "スウィングとスクエアが混ざっているのがロックンロールの旨みである"みたいな言説を少し理解できた!ドラムがスウィングしていてもピアノはストレートに8分音符を刻んでいる(ギターはその中間あたりにいるように思う)曲がいくつもあり

Billie Holiday『Lady in Satin』(1958)

アルバム情報アーティスト: Billie Holiday リリース日: 1958/6 レーベル: Columbia(US) 「『歴代最高のアルバム』500選(2020年版)」における順位は317位でした。 メンバーの感想The End End  一番最初に出す感想じゃないのは分かっているのだけど、深いエコーのかかったコーラスがめちゃくちゃシンセサイザーみたいな音で、ストリングスと溶けあうことで本当に美しい景色が生まれていて感動した。  どの曲のそれももちろん素晴らしいが、

Miles Davis『Kind of Blue』(1959)

アルバム情報アーティスト: Miles Davis リリース日: 1959/8/17 レーベル: Columbia(US) 「『歴代最高のアルバム』500選(2020年版)」における順位は31位でした。 メンバーの感想The End End  "モード(旋法)の概念を導入することでより自由にソロをとれるようになり豊かな即興性が…"という語られ方をよく目にしていたが、私の感覚では逆で、"ルールを拡張しながらもルール自体は残した"ことこそが重要なのだと思う。  全くの自由が与

Charles Mingus 『Mingus Ah Um』(1959)

アルバム情報アーティスト: Charles Mingus リリース日: 1959/8 レーベル: Columbia(US) 「『歴代最高のアルバム』500選(2020年版)」における順位は380位でした。 メンバーの感想The End End  これ、大好きかもしれない……ギリギリのところでやり過ぎてないのが良い。アレンジにも演奏にも録音にも、洗練と型破りをちょうど両立したようなムードがあって、色んな気分で聴くことができる作品だと思う。  ミンガスといえばレディオヘッド『

Ornette Coleman 『The Shape of Jazz to Come』(1959)

アルバム情報アーティスト: Ornette Coleman リリース日: 1959/11 レーベル: Atlantic(US) 「『歴代最高のアルバム』500選(2020年版)」における順位は417位でした。 メンバーの感想The End End  全部収録されてる時間の3倍くらいやってたでしょ?本当は……みたいな演奏ばっかりで微笑ましい。即興でソロ吹いてると思ってた場所で急に息の合ったユニゾンやハモりが繰り出されるので混乱してしまう、どこまでが決まっててどこが阿吽の呼吸

Howlin' Wolf『Moanin' in the Moonlight』(1959)

アルバム情報アーティスト: Howlin' Wolf リリース日: 1959年(月日不明) レーベル: Chess(US) 「『歴代最高のアルバム』500選(2020年版)」における順位は477位でした。 メンバーの感想The End End  これがブルーズ……!やるせねえ〜!!  私程度の英語のスキルでは正直歌詞の意味なんてパッとはわからないけれど、やるせない、うだつの上がらない日々をあっけらかんとした語り口で愚痴っているに違いない。そういうサウンドが本当に出ている。

John Coltrane『Giant Steps』(1960)

アルバム情報アーティスト: John Coltrane リリース日: 1960/2(日付不明) レーベル: Atlantic(US) 「『歴代最高のアルバム』500選(2020年版)」における順位は232位でした。 メンバーの感想The End End  正直に言えば、ジャズの"お高くとまってる"イメージのお手本みたいなアルバムだな、と思ってしまった。現在でもこういう音はそこかしこで鳴らされている気がする。  2000年代以降のエレクトロニック・ミュージックの類をしばらく