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幼稚園の先生に手売りしてきた。

――幼稚園の先生に久しぶりに会って手売りしてきました。お世話になった幼稚園の先生、サッカーコーチのお2人です。前者はなんと2冊買ってくれたので、合計3冊売ることができました。


人生は物語。
どうも横山黎です。

毎月最終日には、ニーズとか全く無視して、自分の過去のことについてつらつらと語っています。今月も早いもので、最後の日がやって参りました。

今回は「幼稚園の頃から繋いできた信頼のバトン」というテーマで話していこうと思います。



📚幼稚園の先生に手売りしてきた


20歳最後の日、僕は小説『Message』を出版しました。

今や、Amazonのサービスを使えば誰でも無料で本を出版できる時代なのです。それに乗っかり、僕も無事に初書籍を出版したわけですが、まだ無名の僕の本が見つかるはずがありません。

端から、届け方を探る旅に出なければいけないと分かっていたので、出版した直後からとりあえず手売りの日々を続けていました。売りやすい友達から、お世話になった先生方、時に飲み屋のマスターに手売りすることもありました。

自分の作品が新しい関係をつくっていく様子に、僕は自分事ながら感激していました。たとえ、自分の本が本屋に並んで誰かに買われるようなことがあっても、もちろん嬉しいけど、手売りで売れた瞬間の感情に勝てるものはありません。

ちゃんと自分の手で届ける。

オフラインで地道な一歩を繰り返していくこと意義を知った気がします。気が付けば、手売りした冊数は100冊を越えました。ご縁があり、小説『Message』を本屋や大学図書館に置かせていただくことも叶いました。

全て、届け方を探っていたからこそ獲得できた未来といえるでしょう。最近は目に見える形で結果が出てくるので、今まで歩いてきた道は間違いじゃなかったんだなって思えるんですよね。

これからも1冊ずつ丁寧に、1人ずつ丁寧に届けていこうと思っています。


昨日も、幼稚園の先生に久しぶりに会って手売りしてきました。お世話になった幼稚園の先生、サッカーコーチのお2人です。前者はなんと2冊買ってくれたので、合計3冊売ることができました。



📚年賀状の効能


幼稚園に突撃したところで、「おまえ誰やねん」となってしまったら終わりです。変な空気が、気まずい雰囲気が漂って終わりです。僕が伺ったとき、そうならなかったのは幼稚園時代から繋いできた信頼のバトンがあったからです。
#もちろん事前にアポは取ったけどね


実は、ずっと幼稚園の先生と年賀状のやりとりをしていたんです。年に1度ではありますが、年賀状を通して近況報告をしていたので、その度に僕のことを思い出してくれていたんですよね。

幼稚園の先生方と年賀状のやり取りをするなんて、全員が全員やっているわけじゃないと思います。かなりのマイノリティーな気がします。当初交換していても、気が付けば出さなくなっていたというのが普通だと思います。出さなくなったからといって、大きな支障が出るわけじゃありませんしね。

でも、僕は今、年賀状のやり取りをしてきた良かったなあと大きく頷くことができています。年に1度のコミュニケーションのおかげで、幼稚園の先生方は僕のことを忘れずにいてくれて、僕の本を買ってくれたのです。

そうか。

年賀状のやり取りを繰り返していたのは、

小説『Message』を手売りするためだったのか。

年賀状を送ってきて良かった。

続けてきて良かった。


そんな風に思えたんです。


📚信頼のバトンを未来の自分へ


長い長い伏線回収が果たされました。20年近く張られていた伏線が、昨日、回収されたのです。

最近は物語のクライマックスかのように、怒涛の伏線回収が繰り返されています。

先月末、元カノと一緒に作品を作ることが決まりました。別れた場所で、新しい約束を交わしたのです。そのとき僕は思いました。「あ、元カノとこの場所で別れたのは、今、この場所で作品を一緒につくる約束を交わすためだったんだ」って。

元カノとは喧嘩別れをしたわけじゃないし、なんなら別れた後も仲良くやっていたので、別の関係に移行するのが容易かったんですよね。この前も学校帰り一緒だったし。


信頼を失わないようにしてきた過去の自分の気遣いが、今の僕を支えている。そんなことも思いました。

過去の僕は築いた信頼をバトンにして、今の僕に受け渡してくれました。未来の僕を支えるために、今の僕はどうすればいいのか。どんな立ち振る舞いをすればいいのか。常に意識しながら、生きていくつもりです。

僕は一時の快楽よりも、長い伏線回収したときの幸せに用があるので、自分を変えずに、創作を続けていきます。最後まで読んで下さり、ありがとうございました。

20221130 横山黎


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