「半自伝的エッセイ(40)」c3(シーサン)→微分みたいなチェス
気になる局面や手筋があった時など、私は明け方まで安物のマグネット式のチェス盤上で、ああでもないこうでもないと駒を動かしていた。そんな生活をしていたから、起きるのが昼になったりすることも珍しくなかった。
不思議なもので、朝ちゃんと起きた日にはそんなに空腹を覚えないのだが、昼ぐらいに起き上がると妙にお腹が空いていた。アパートの部屋には冷蔵庫に牛乳ぐらいしかなく、ほかにあったとしても冷蔵庫の上に食パンが数枚残っていれば御の字で、ひどい時にはパンにカビが生えているという有様だったか