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医療系の進学生必見!高校理科で築く基礎知識

皆様こんにちは🐰
専門学校は昨年から,最近は大学の一般入試の合格発表が続きますね!
高校3年生を担当していると今春から医療系の大学に進学する高校生から「入学するまでにどんな勉強をしておくといいですか?」と質問いただくシーズンでもあります🤗
高3生を担当していた経験から,医療系の大学や専門学校に進学が決まった方々に向けて,高校の化学と生物その先の学びにどう接続するかの一部を取り上げて紹介させていただこうと思います🎯

高校の化学が役立つ可能性

まず, 緩衝液の化学や酸化還元反応,無機化学,有機化学などは基礎医学で必須の化学反応を理解することにつながります🧪

緩衝液の医薬品開発への応用

高校の化学でも出てくる酢酸/酢酸ナトリウム緩衝液!
この緩衝液は,薬剤の pH 安定性を保って効率的な薬物放出を実現します.
例えば,薬剤の注射液や点眼薬の話につながります.
もう少し広く見ると,血液も緩衝作用があります!
血液の pH は 7.35~7.45 という非常に狭い範囲に保たれています.
これが恒常性=ホメオスタシスの軸ですね.
化学=物質の理解というイメージを持っている人も,化学の理解が生理の基礎となりますので,脳内をぜひアップデートしましょう.

酸化還元反応の医療応用

酸化還元反応は,細胞内の酸化ストレスを調節します.
例えば,ビタミンC やグルタチオンなどの抗酸化物質は,細胞の酸化ダメージを軽減して健康をサポートします.
酸化ストレスはがんや神経変性疾患などの病気の原因となります.
酸化還元反応を理解することで,疾患の予防や治療に寄与できます.
一方,尿検査で使われる試薬では酸化還元反応を利用して色調の変化から,尿中の成分を定性的に評価するものがあります.
ここにビタミン C が混入すると本来と異なる結果が出る場合があります.
検査を行うための基礎知識としても酸化還元反応の理解は役立ちますね.

無機化学と有毒ガスの関連

無機化学では,気体の性質や製法を学びます.
これは公衆衛生学で有毒ガスとして扱われることがあります.
例えば,環境中の有害ガスの濃度を測定し,健康への影響を評価する際に無機化学の知識が必要です.

歯科材料の研究でも

歯科治療にはさまざまな材料が使用されます.
無機化合物 (セラミックス,金属合金など) の特性を理解し,歯科材料の選択や設計に活かされています.
また,歯のエナメル質を強化するフッ素化合物も,無機化学の原理に基づいていますね.

生体反応の制御・生体分子の合成

有機化学は生体機能分子 (タンパク質,核酸,炭水化物,脂質など) の合成に関与しています.
これらの分子は細胞の構造を作り,生命機能を担っています.
例えば,タンパク質のアミノ酸配列を合成することで,生体内での酵素反応やシグナル伝達を理解できます.
また有機化学は生体内の反応ネットワークを理解し,制御するためのツールとしても活用されています.
例えば,薬剤の設計や生体内での特定の反応を促進する触媒の開発に役立ちます.

高校の生物が役立つ可能性

次に,生物についてですが,人体の構造や機能に関する単元はもれなくすべて役立ちます🕺
そこで,ここでは代謝や細胞・遺伝子から説明しますね💃

タンパク質構造と機能

生物の中の化学反応を扱う生化学では様々な生体物質を学びます.
タンパク質は生命現象において中心的な役割を果たしており,酵素・受容体・抗体などの機能を理解するために生化学の知識が必要です.
細胞は栄養素を取り込み,エネルギーを生成します.
代謝プロセスの理解は栄養療法や疾患管理にもつながります。
例えば,糖代謝や脂質代謝の経路を理解することで,糖尿病や肥満などの疾患のメカニズムを探求できます.

細胞からみる生体機能の理解

細胞は生命の基本単位であり,すべての生命活動は細胞で行われています.
細胞の構造と機能を理解することで,疾患のメカニズムや治療法を探求できます.
これは病態生理学の基盤になっており,細胞の異常は疾患の原因理解につながります.
細胞の変化を研究することでがんや代謝疾患などの疾患を理解できます.

遺伝子の役割

遺伝子は生命現象において重要な役割を果たします.
遺伝子の変異は遺伝性疾患の原因となり,遺伝子検査や遺伝子治療が医療に応用されています。
中学校から当たり前のように学んでいる細胞分裂や減数分裂,染色体の本数,DNA,遺伝子発現のしくみ,遺伝子発現の調節はいずれも大切です.

実は学んでおきたい生物の分類

生物の分類学は異なる生物種を分類し,共通の特徴や系統関係を理解する領域です.
高校の教科書だとあまり面白くない!…というか単に生物とそのグループ名を覚えなさいと言って終わることもある単元ですね.
医療分野では,病原体や薬物の効果を理解するために,微生物や動植物の分類が重要です.
例えば,感染症の原因となる細菌やウイルスにもいろいろなものが知られています.
これらの分類とそのための特徴を知ることで,適切な検査や治療法を選択できます.

まとめ

この記事では,医療系の大学や専門学校への進学を控えた高校生が,上級の学校での学びを前に高校の理科の学習をどのように深め,活かしていけるか具体的に書いてみたものです.
医療の未来を担う皆さんが,高校時代に築いた知識の土台の上に専門知識を積み上げていくための一歩として一つでも役立ったら嬉しいです.
高校生の皆さんも,先生方も,この旅の始まりに私たちがどのように準備を進めるかを一緒に考え,医療の未来への架け橋をしっかりと築いていきましょう💕


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