Minuit

手のひらサイズの「カイエ」です。オネットム目指してるので、何事も広く浅く。 Book / Travel / Art / Architect / Food / Sake / Wine

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最近の記事

Cahier 2021.03.14

久しぶりの更新になりました。 年明けからしばらく近所の運河・公園、たまの皇居ラン、美術館にしか出かけておらず、特段書くこともなく。日記帳や読書メモ、twitter、instagramと手頃なツールで言葉や写真をまき散らしながら、日々過ごしていました。 ずっと部屋に閉じこもっているとどうしても鬱屈とした気分になりがちですが、それも仕方がないと諦め、どうしたらこの鬱々とした気分と共存していくかを考える方向に向かいつつあります。 わたしの場合、それは小さな部屋の面積の大半を占

    • Cahier 2020.12.23

      今日は久々の出社日でした。と言っても、人の多い社屋は窮屈だから、さっさと用事を済ませて、会社から歩いて10分のところにある秘密の書斎で作業をするのが最近お気に入りのスタイルです。 この秘密の書斎は学部時代の母校の向かいにある古い建物の一室で、窓に面した席からは母校を出入りする遠い後輩たちの姿がちらほら。最近は授業もリモートなのか、人の出入りは少ないようだけど。 ランチタイムは、以前から気になっていた東京焼き麺スタンドで「スーパー焼きそば」をささっと食べて、食後には「さぼう

      • Cahier 2020.12.14

        先々週末、遅ればせながら紅葉狩りでもしようかと、筑波山へ行ってきました。 筑波山と言えば、百人一首で陽成院が詠んでいる「つくばねの峰より落つる男女川 恋ぞつもりて淵となりぬる」という歌。男体山と女体山からなる筑波山の間を流れる男女川、その淵たるやさぞかし深いものだろうと、かねがね見たいと思っていました。 ところが。 ん…?水たまり…?昨日の雨かな??え、これが男女川の源泉…? まぁでも淵というくらいだから上流ではなくて下流に…と思い直してみたものの、下流の桜川にもその

        • Cahier 2020.12.05

          先週のMOA美術館の熱海能に続き、今日は静嘉堂文庫へ「能をめぐる美の世界」を観に行ってきました。 明日までの会期で、うちからだと決してアクセスの良い場所ではなかったから今回は諦めようと思っていたのですが、たまたま招待券をいただいたので、やれ幸甚と出かけました。 途中道に迷い、緑地内の八幡神社に迷い込む。 8センチヒールで泣きそうになりながら、雨に濡れたこの急勾配の階段を降りるなど。 お能を観るとき、大抵うつらうつらしながら、衣装や舞など毎回何かしら気になってじぃっと見

          Cahier 2020.12.02

          いやはや今日は寒かった。今年は紅葉もちびっとしか見ていなくて、まだ秋のような気分でいたのに。 さて、昨日のさいたま国際芸術祭、ミヤケマイさん「胡蝶之夢」の続き。 二番目の部屋は、ずらりと机が並んで教壇らしきものもあり、まるで教室のよう。机の上には土の詰まった小瓶が置かれ、瓶にはその土の採集場所を書いたシールが貼ってあります。壁にはドライフラワーになった草花。つまり、土(土地)と草花(人)が標本化され、ラベリングされている状態です。 ここは、同じ学区に通う子どもたちが集ま

          Cahier 2020.12.02

          Cahier 2020.12.01

          あともうひと月で2020年も終わり。今年は色々なことがあったせいか、時間軸が少しズレているように感じることもあり、年の瀬の実感もあるような、ないような。 さて、先月のことになりますが、さいたま国際芸術祭。 瀬戸内国際芸術祭をはじめ、アートと地域性が一体となった芸術祭ならではのワクワク感が好きでよく出かけていたのですが、昨年大問題になった「あいちトリエンナーレ2019」を機に、芸術祭はただワクワクするだけではなく、アートを通じて思考する、少なくともそれを試みる場になりました

          Cahier 2020.12.01

          Cahier 2020.11.28

          11月も終わりに近づき、遠くに大みそかの足音が聞こえ始めてきました。 朝晩の空気が冷たく乾いていくこの季節。昔の人は「霜月」なんてゆかしく表現していたんですよね。雪が降るようになる少し前の、空気がひんやりと湿り気を帯びている様子。11月の東京で朝霜を見ることはほぼないと思うけど、霜の降りた静かな朝を思い浮かべてみると、本格的な冬へ入る前のひとときもなかなか良いもののように思えたり。 街のイルミネーションもキラキラと眩しいこの季節。一年分蓄積した疲れに終わらない仕事。ややも

          Cahier 2020.11.28

          Cahier 2020.11.27

          めっきり朝晩寒くなってきました。今期初めてお布団がから出るのがツライと感じた朝。羽毛布団の下はまだTシャツですが、だからこそ尚更出にくいという。 久々に一目惚れして、食器を新たに迎え入れました。 ・中国 雲南省 華寧 青釉 杯 ・新疆ウイグル自治区 真鍮スプーン 手のひらにすっぽりと収まる小さな杯は翡翠のような青釉に魂を持っていかれそうになりました。華寧(かねい)県を地図で見ると、昆明よりもさらに南でベトナム、ラオスとの国境に割と近いところに位置しています。どうでしょ

          Cahier 2020.11.27

          Cahier 2020.11.24

          三連休中日は、かねてより気になってウズウズしていた桃山展@国立東京博物館へようやく行ってきました。 秋晴れの行楽日和。意識の水面下にどこか緊張を抱えながら、みんながその日その日を懸命に生きている。 会場へ入ると、早速に狩野永徳「洛中洛外図屏風」がどーんと迎えてくれます。街の人々の様子を精緻に描いた六曲一双の屏風は、室町時代に永徳の描いたものから安土桃山、江戸時代と並んで陳列されており、前後の時代との比較を通じて桃山文化の特色を分かりやすく提示すると同時に、その系譜を示すと

          Cahier 2020.11.24

          Cahier 2020.11.22-1

          三連休中日。昔は三連休というと、存分に遊ぶぞー!と意気込んだものだったけど、いまや週3休くらいないと労働の疲れは癒えないとすら感じる今日この頃。昨日はボージョレ・ヌーヴォーを味わう会と称して、ブッフ・ブルギニョン(牛肉の赤ワイン煮)と、twitterで見た柿とゴルゴンゾーラのサラダで、新酒を楽しみました。新酒特有の酸味も控えめで、ジュースのように飲みやすく美味しかったです。 (つい飲み過ぎて、母が大切にしていたNarumiのティーカップを割ってしまったけど。古いシリーズだか

          Cahier 2020.11.22-1

          Cahier 2020.11.21

          先週末、久々に根津美術館を訪れました。 今年5月、毎年お庭にきれいに咲く燕子花を見られなかったこともあり、お目当ては尾形光琳の「燕子花図屏風」でしたが、まさかの会期違い…。 光琳の燕子花は、誰しも一度見たら心奪われずにはおられない江戸の名画ですが、舞台は三河・八橋(現・豊田市)、平安のプレイボーイ在原業平の和歌がモチーフと言われます。 から衣 きつつなれにし 妻しあれば はるばる来ぬる 旅をしぞ思ふ                         ――「古今和歌集」在原

          Cahier 2020.11.21

          Cahier 2020.11.14

          今日も今日とて、疲れをカネで解決しようとマッサージ屋へ駆け込みました。 相変わらず眼精疲労は絶えることなく、以前より目が悲鳴を上げるペースが早くなっているのと、何よりも今回は脚のむくみ。しずかちゃんみたいな丸太んぼうの脚をいかにかすべく、蒲田にある台北あしマッサージのお店へ。 某媒体のクーポンで、足40分ヘッド20分で4500円。かなりお手頃。きっと台湾出身のマッサージ師さんが無言でガシガシもみ出してくれるスタイルと見た。 お店に入り予約名を伝えると、ぶっきらぼうに「4

          Cahier 2020.11.14

          Cahier 2020.11.08-1

          元気と健康だけが取り柄なのに、この週末は眼精疲労と慢性的な肩こりをこじらせて急遽ヘッドマッサージに駆け込みました。散歩やランニング、ストレッチにヨガ…人並みの運動は心がけているつもりなのに、疲労はいつの間にか積もり積もるらしいのです。それがある日突然キャパオーバーになって、ガーンと症状が出てくるあたり、寄る年波には敵わぬよ…喫緊で見つけるべきは旦那じゃなくて主治医か?!と、急にしょぼしょぼした気持ちになってきます。 ジェーン・スーさんの『今夜もカネで解決だ』、AERA連載時

          Cahier 2020.11.08-1

          Cahier 2020.11.07

          普段大して忙しくもない本業に追われまくり、久々の更新となりました。 ほら、イナゴだって一匹二匹じゃどうってことないけど、大群になって押し寄せると災害になるじゃないですか。何ごとも数重なるとまあまあ侮れないボリュームになるものです。 先日、ソフィア・コッポラの最新作『On the rocks』を観てきました。 それほどコアなコッポラ映画ファン!というわけではないものの、ティーンエイジャーの頃に『Virgin suicides』や『Lost in translation』を

          Cahier 2020.11.07

          Cahier 2020.10.12

          揺らぎやすさを感じたり、何か気分が滞ったようなとき、神社仏閣へ行くとすっと気が整う、ということはどうやらあるようだ。 ふと、愛宕神社のあの有名な出世の階段を駆け上がってみたくなって、ヨガで体を伸ばしたあと、夕方からのそのそと出かけて行った。 もうとっくに日は暮れて、愛宕の杜はしんと暗かった。 急こう配の長い階段には外灯ひとつ点いていない。 この坂をひと息で馬に乗って駆け上がったという昔の武将の姿を思い浮かべながら、ひと息に上る。階段の幅も狭く、おまけに雨で濡れていると

          Cahier 2020.10.12

          Cahier 2020.10.11

          四季の移ろいというと、うっすらとしたグラデーションのような在りようを想像するけれど、最近は急に暑くなったり寒くなったりで、自律神経やら何やら揺らぎやすさを感じることがしばしば。 昔から夏から秋にかけてのこの季節は、揺らぎやすさを感じやすく、調子が狂いやすい。体調というよりは、たぶん神経的に。ものの感じ方、考え方も減速するし、決して不機嫌だとか不調というわけではないけれど、反応も少し鈍くなり、ぼんやりとしている時間が長くなる。 揺らぎやすくなっているときは、外部からの情報受

          Cahier 2020.10.11