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Cahier 2020.12.05

先週のMOA美術館の熱海能に続き、今日は静嘉堂文庫へ「能をめぐる美の世界」を観に行ってきました。

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明日までの会期で、うちからだと決してアクセスの良い場所ではなかったから今回は諦めようと思っていたのですが、たまたま招待券をいただいたので、やれ幸甚と出かけました。

途中道に迷い、緑地内の八幡神社に迷い込む。

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8センチヒールで泣きそうになりながら、雨に濡れたこの急勾配の階段を降りるなど。

お能を観るとき、大抵うつらうつらしながら、衣装や舞など毎回何かしら気になってじぃっと見入ってしまうのですが、今回それが能面でした。シテの村上天皇の霊とされる翁の面。

能面は生身の能楽師の身体からぽっかり浮いたように見え、ほとんど動かないのに、俯き具合やちょっとした角度の違いで表情が変化し、しかもどこか悲しいような感じもあって、なんだか目を離せない。

今回の展示では、能面の起源ともいわれる中国由来の伎面や舞楽面を見たり、能面ひとつひとつの表情や造作を間近で観ることができて勉強になりました。

とはいえ、やはり能面だけ観ていても分からないこともあるように感じられ、ますますお能の奥深さに興味をそそられた一日でした。

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こちらは南宋時代・浙江省龍泉窯でつくられた「青磁鯱耳花入」。その形と貫入のひびわれを砧を打つ響きとかけて、千利休が「砧青磁」と名付けたとのこと。うまいこと言っちゃって。すごくいいよね。心打たれました、砧だけに。


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