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運命と私

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運命には逆らえない。運命に翻弄されながら生きた女性の一生。
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#恋

驚き(世界と私33)

翌日。

私は朝から落ち着かなかった。

お昼に黄桃を食べて、
部屋は隅から隅までピカピカにした。

結婚祝いにもらった普段は使わない、
高級カップを出して、
紅茶を淹れる準備をした。

そして14時を少し過ぎた頃に、
インターフォンが鳴った。

「お邪魔します、具合はどう?大丈夫?」

「はい、昨日よりは具合はいいです。」

「これお土産、ゼリーなんだけど、
旦那さんと食べて。」

「ありがとう

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運命と私 28

運命と私 28

大きな駅に電車が止まると一気に人が降りて、
私たちは開いてる席に座ることが出来た。

私の顔はまだ熱かった、

「大丈夫ですか?」と言って北沢は私の顔を触って来た。

私が驚いた顔をすると、
「あっごめんなさい!」
そう言って北沢は急いで手を離して真っ赤な顔になった。

私はそんな北沢のことがかわいいと思えて来た。

北沢は家まで送ってくれると言ってくれたが、断った。

今の家に6年以上住んでいる

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運命と私 27

運命と私 27

楽しい時間はあっという間に過ぎる。

時計を見ると9時半を過ぎていた。

お店を出ると寒さで酔いが一気に醒めた。

「今夜もご馳走様でした。」

「いえいえ、寒いから早く行きましょう。」

私たちは足早に駅に向かった。

北沢は2ヵ月前に今の家に引っ越して来たばかりで、
私の最寄りの駅の隣の駅が北沢の最寄りの駅だった。

電車に乗ると席は空いていなかった。

私と北沢が並んで立っていると、
電車の

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運命と私 25

運命と私 25

待ち合わせ場所に着いたのは、
6時過ぎだった。

心がざわざわして、モヤモヤして、
落ち着かなくて、
もう帰りたいと思ったが、
今更断ることが出来る訳もないので、
私は深呼吸を何度もして待ち合わせ場所に来た。

北沢は噴水の前に立っていた、
「ごめんなさい遅れて。」

「いえいえ全然大丈夫です。
行きましょうか?」

「はい。」

私は何か違和感を感じていた。

江藤なら「かわいい洋服だね」の一言

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運命と私 23

運命と私 23

火曜日の朝、
私は新しい洋服を着て仕事に向かった。

「おはようございます。」

職場に入ると、
江藤の視線を感じた、私はもちろん無視した。
会社の後輩の中谷が、
「あれ、川崎さん今日いつもと違くないですか?
デートとかですか?」

と聞いて来た。

その後輩はそういうデリケートなこともズケズケと普通に聞いて来る、
空気の読めない女の子だった。
他人のことは色々と詮索するのに、自分のことは一切話さ

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運命と私 19

「今日の朝、電車の中で会いましたよね?」

「えっ?」

やっぱり泣いてたのを見られたんだ!!
私は恥ずかしくなり知らない振りをした。

「そうですか?」

「僕の気のせいかな?
今日はお一人ですか?」

「はい。」

「僕はこの近くで働いているんです、
職場この近くなんですか?」

「いえいえ、今日は買い物に来ただけです。」

そんな話しをしていると、
彼のサンドイッチをお姉さんが運んで来た、

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運命と私 18

運命と私 18

今日の朝、会った人がなんでここにいるの?
私、尾行されてた?

頭の中でグルグルと考えていると、
お店のドアが開いてお姉さんが私のサンドイッチを持って来た、

「大丈夫ですか?寒くないですか?」

「はい、大丈夫です。ありがとう。」

お姉さんはサンドイッチと紅茶をテーブルに置いてお店の中に入った。

私は早くサンドイッチを食べてお店を出ようと、
すぐにサンドイッチを食べ始めた。
その時、視線を感

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運命と私 7

運命と私 7

私は重たい気持ちを引きずって、
1人で家に帰った、
家にいても、会社に行っても、
私は孤独、このまま孤独死するのかな?
私の心は底なし沼に沈んでしまった。

次の日も私の心は沈んだままだった、
底なし沼から這い上がるには時間がかかる。

朝起きてカーテンを開けて、
「会社行きたくない!」
と独り言を言って見た。
わかってる、
生きる為に働かないといけない。

私はがんばって仕事に行った。

そして

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