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路地裏の花屋

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路地裏の花屋
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#長編小説

解読 ボウヤ書店の使命 ㉕-47

長編小説『路地裏の花屋』 《十二章  中西は胸に赤い薔薇を抱えたまま、蓮二朗の離れ屋へと…

米田 素子
5か月前
1

解読 ボウヤ書店の使命 ㉕-46

長編小説『路地裏の花屋』読み直しつづき。 《十一章 〈カタギリユミカの告白〉 「八年前と…

米田 素子
5か月前
1

解読 ボウヤ書店の使命 ㉕-44

長編小説『路地裏の花屋』読み直し続き。 《その麻雀屋のある牡丹通り商店街から数十キロ離れ…

米田 素子
5か月前
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解読 ボウヤ書店の使命 ㉕-43

長編小説『路地裏の花屋』読み直しつづき。 《十章 カタギリトモヒロとインド料理屋の休日 …

米田 素子
5か月前
1

解読 ボウヤ書店の使命 ㉕-42

長編小説『路地裏の花屋』読み直しつづき。 《九章   中西はうつぶせになって、セラピスト…

米田 素子
5か月前
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解読 ボウヤ書店の使命 ㉕-41

長編小説『路地裏の花屋』読み直しつづき。 《八章  薔薇園に咲く一重の薔薇は桃色の四季咲…

米田 素子
5か月前
4

解読 ボウヤ書店の使命 ㉕-40

長編小説『路地裏の花屋』読み直しつづき。 《夜になるにつれて雲が晴れていった。珍しく風のない快晴の満月。太陽がすっかり沈み,辺りが闇に包まれていくに従って、むしろ光が姿を現すようだった。どこに隠れているのか蛙の声がうるさいほどに響き、鳴き声分の蛙がいるのかと思うと奈々子は少しぞっとする。  純は夕方に来ると言っていたが、新しい仕事の打ち合わせが舞い込んだので少し遅れますと連絡が入った。都内の美術商が訪ねてきて純の作品を店に置きたいと言い、値段や納品の方法を検討しているところ

解読 ボウヤ書店の使命 ㉕-39

長編小説『路地裏の花屋』読み直しつづき。 《翌日。午前の打合せを終え、アシスタントの純と…

米田 素子
5か月前
3

解読 ボウヤ書店の使命 ㉕-38

長編小説『路地裏の花屋』読み直しつづき。 《―ある夏の昼下がり。  奈々子はトンボ棚の部…

米田 素子
5か月前
6

解読 ボウヤ書店の使命 ㉕-37

長編小説『路地裏の花屋』読み直しつづき。 《七章  クライアントのクリスタルガラスを仕舞…

米田 素子
5か月前
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解読 ボウヤ書店の使命 ㉕-36

長編小説『路地裏の花屋』読み直しつづき。 《初めて奈々子のヒーリングルームを訪れてから数…

米田 素子
5か月前
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解読 ボウヤ書店の使命 ㉕-35

長編小説『路地裏の花屋』読み直しつづき。 《画廊余白でのアクセサリー展示会の会期中、蓮二…

米田 素子
5か月前
4

解読 ボウヤ書店の使命 ㉕-34

長編小説『路地裏の花屋』 《中庭の横に続いている別室に向かう扉を開けると、そこには大きな…

米田 素子
5か月前
5

解読 ボウヤ書店の使命 ㉕-33

長編小説『路地裏の花屋』読み直しつづき。 《奈々子のヒーリングルームに行く日、雨が降っていた。雲がそれほど厚くないのか空は白く擦り硝子色に光っていたが、アスファルトをしっとりと濡らしているところを見ると、気まぐれに落ちてきた雨ではないようだった。夜明け前から降り出したのか。風もなくたらたらと降り落ちるので、これから半日くらいは続きそうに思えた。なるほど『過去の不要なお話』を語らなければいけない日にぴったりの天候だ。もちろん『過去の不要な話』は捏造するつもり。こんな天気なら、