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おしゃべり

おしゃべり

雪にまつわって
トカゲはごぼう色
月明かりに満たない
絡まったカーテンとへし折れば
なぞらう雲まで追いかけてくる
笑みをきらきら落としてね
傾いた体は走ってる
捻じ込んだ染み込んだ
繊維に滲んで、広がる
インクまみれの蝶々
幼くもなく大人びてもない
今ならば尚、星を拾い上げる
足の裏からジンジンと
伝い渡る衝動に駆け抜けて
笑みをきらきら落としてね
空に舞う髪は引きずられて
期待は、悲しみと欲のあ

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15時

15時

風が吹いて涼しさを取り入れる
水滴のあんかけが伝う
下っ腹がなびいて膨らめば
風邪を引いてしまいそう
角度の悪いサビに掴まって落っこちそう
ギリギリとゆれて傷は同じ所へ響く
重みを見ながら鳥の声が一定に鳴く
ビチビチと葉が拍手して笑ってる
鉄にもたれて曲がる大木は
すこしずつしなりを覚えてく
純粋で順調な自分のキャパの
広さにゆっくりと微笑む待望
立ちっぱなしでカッコ悪い
動けずに居れば存在は慣れ

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薄明るい昼間

薄明るい昼間

濡れた地面に伸びるライト
飛び跳ねる王冠
目線を下げれば足下に花火
誰もが愚痴を吐くとき
私はスキップで駆け回るわ
派手に打ち上げちゃいたいの
太陽が月とハイタッチすると
薄まった光に浮かぶハテナが1つ
私の行き場所はどこ?
入道雲を見誤って傘を忘れた
だってあんなに優しそうだったから
おかげでヘアスタイルも
シルクのシャツもびしょ濡れ
惑わされただけめまぐるしく廻る
納得のなか枝分かれする理解

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浴びる無情と浮遊した温情

浴びる無情と浮遊した温情

よれたジーンズとカビたTシャツ
禁じ得ない欲望にぐらついた世界は
空中で溺れる生命体
目線は哀しんで守らないでどうする
他人じゃない囲いのなか
願いごとはドロのなか
巻き込んでは橙に灯る
少なくとも人のユメと我のユメ
まだ先は努力の向こう
哲学はみんなが忘れた心
想像力を抑えるのは決め付ける心
好き心を減らす澱んだ環境
縮む心と暮らすため愛という肥料を
風鈴になれたなら弓矢に嫉妬して
どこかに刺さ

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冥路

冥路

まごろみながらうずむく
冷静に凍えたフルーツは
完熟したって気付かれない
緩やかなフリンジなびかせて
刺繍に貫かれる華麗な妖
幸せのハトは白いと限らず
4つばのクローバーも悪魔を召喚する
りんと伸びた茎の先は眩しい花びら
岩がごろつく地面に飽きても
水辺まではあと5日
太陽に透ける花びらの上を目指して
今日もあこがれを背負う
汗も涙も鼻水も分からない
自分で立って抱えなくちゃ
スープを一口いつもよ

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心のクレーター

心のクレーター

素直のなかへたらし込んで
流れのままに進めたら
青い陽に塗られながら
縁を描くフレアに悪寒
ブロンドを掻き鳴らした
気怠い陽射しに浴びさせて
劣等と焦燥に刻まれて
むやみやたらと執着していく
くすぶる高揚をたぎらせて
往生際に凝り固まったエゴは
熱湯に浸した絹の模様
衝迫した夜襲の角と
彼は誰時の緩慢へ寝そべる
ルーズな見晴らしを
馴れ合いの盲目へ
 
 

余裕の行方

余裕の行方

化石になった海水が掌の上
空っぽだったお伽話
無邪気な自分が遠のいていく
その先仰いで許さない
預けた息づかいから
大地が耳打ちをこぼした
どうせ繰り返して
なんとなく明日が足りなくて
不確かな予報に眠らされる
不機嫌な予防に惑わされる
誇れるダミーのために
伝線した硝子は合言葉
繋ぎ止めたかすり傷も
足取りから唱えた
薄いグレーは最愛の為
ヨレた美術館にバニラの口笛と夜の端
こだわる2人のとぼけ

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罪

自由という名前を使って
ワガママを生きてる
今日もまた初めまして
私のミスは横並びです
空飛ぶ模様が夢を映して
なぞるみたいに手繰り寄せる
切り傷は壁紙へ私の代わりへ
力加減もご機嫌に
無邪気な罪へ澱んでいく
見渡すと鋭い視線があちこちに
私を嫌いと語りかける
顔でうたって耳をわらって
重ね続ける言葉は
蓋も効かない
青む佇まいから
泳いだ決まりごとへ

深めいて

深めいて

青い春は要らない
赤い花は散らない
遠い未来も要らない
近い存在も知らない
慎ましく挑む眼差しと
晴れやかな温情に油断する眼(まなこ)
我々が緩やかな怒りを点して
雪崩を起こしていく今を
勇敢に見つめているはず
毛並みを整えたって
消えない爪痕からは血が滲み
履き捨てたお気に入りの靴は
とっくの昔へ買い直した
邪魔をするなら脳を棄てろ
そちらの塗り絵と間違えないで
まどろみの羽に怯えるなら
絵空事

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ストロベリーがいい

ストロベリーがいい

床に寝そべるカーテンが
歪んだ光を引き寄せる
ラップに絡まった水滴には
もう行き場も無くて
すべり落ちる居場所に待たれてる
くたびれたカーペットにまた足を付けて
あぁくたびれてんなって何度も見下ろす
色褪せた小道具がまた視界に入って
あぁ色褪せてんなって何度も目を逸らす
とっても怠いな動きたくない
脳にも能にも触れたく無い
今は紙とおしゃべりをして
ペンと向き合うならば楽なのよ
地中海もきっと雪が

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花壇

花壇

揺るぎない青春をまやかして
わたしは今日も桜になる
陽の光と同じそれさえも
とろけるようなシャワーを浴びて
雨の日の前日まで飛び越える
美しくなくては意味が無いなんて
とても哀しくて凄く残酷で
誰が運んでくる言葉たちも
それはどんな言葉かによって
摂取するべきかそうで無いかを
よく聴いて感じ分けてね
交わる視線は笑みを溢して
ムラのない空を広げていく
小さな光の粒に
鼻歌まじりで目を瞑って
アーモ

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クレープ

クレープ

人と比べないように
外から見た私より私の内を優先して
中身の無いクレープみたいに
私はとっても小さくて
包まって身を潜めてしまうから
うろこ雲の隙間が大きくなったら
青より緑の隙間へ一緒に堕ちよう
伝う黄色が緑に侵食されてく様子を
ティータイムに合わせて眺めよう
湯がいていいよなびいていいよ
赤より黄色はきっと楽になる
考えなければもっと楽になる
考えることを止める術は
誰も教えてくれなかったね

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雨の日の日曜日

雨の日の日曜日

ずっと子どもみたいな瞳
すぐに大人みたいな眼
気を抜くと生きるのを忘れる芽
ほら臆病な目をしてる
そんなわたしは誰に愛されるの
いくつもの目を持つ私に
面食らってしまえばいい
ほら貴方もあの人もその人も
それは作った瞳
あれは空気を読んだ目
これは臨む眼なのよ
どれも私をつくるただのアイテム
普通をわからない私に
仮面と知らせてくれるそんな人
私の眼を操ろうとなんてしないで
真心だとでも思ってる?

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溶けない記憶

溶けない記憶

大人はまだ少し遠い
赤い風船がときめくから
何処に行って三角を探そう
沈澱したホコリを泡に変えて
急いで空に浮かべよう
マスクの隙間へ落ちる雨が
頬を冷やしてくれる
とどまったこの空気は
どことなく進むような気がした
カップに浸かるコーヒーみたいに
醒めていく温度を肌で感じて
預けるものがある意味は
帰る場所がある意味になったり
振り返らない手立てかもしれない
ヒロインにならない私を愛して
冒険は

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