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溶けない記憶

大人はまだ少し遠い
赤い風船がときめくから
何処に行って三角を探そう
沈澱したホコリを泡に変えて
急いで空に浮かべよう
マスクの隙間へ落ちる雨が
頬を冷やしてくれる
とどまったこの空気は
どことなく進むような気がした
カップに浸かるコーヒーみたいに
醒めていく温度を肌で感じて
預けるものがある意味は
帰る場所がある意味になったり
振り返らない手立てかもしれない
ヒロインにならない私を愛して
冒険は舞い込んでくる頃に
待ちぼうけならば始まらない
豊かでも乏しくもない栄養は
また妖艶に拍車をかけて
手を広げた枝別れの道が手招きをする
揺らめく命に逆らえないで
また不透明な関係を歩くんだ



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