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深めいて
青い春は要らない
赤い花は散らない
遠い未来も要らない
近い存在も知らない
慎ましく挑む眼差しと
晴れやかな温情に油断する眼(まなこ)
我々が緩やかな怒りを点して
雪崩を起こしていく今を
勇敢に見つめているはず
毛並みを整えたって
消えない爪痕からは血が滲み
履き捨てたお気に入りの靴は
とっくの昔へ買い直した
邪魔をするなら脳を棄てろ
そちらの塗り絵と間違えないで
まどろみの羽に怯えるなら
絵空事の行きずりを纏おう
痺れを切らした優しさが
レンガの河原を遠ざけるでしょう
パステルが増殖した穴の層
わらわらと集まる他人の影で
私はあっという間に黒く染まる
スキップは冷めにくい夜に
とっておきの香りを揺らして
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