【最高金額137億円】2022年6月の資金調達を調査してみた Part2
こんにちはPreVenture編集部です!
前回に引き続き6月後半の資金調達を見ていきましょう。後半は前半に比べて高い水準を維持しています。シリーズDでの資金調達も行われるなど以前のような資金調達も見られます。また、ソフトウェアサービスを提供する企業も多くみられました!それでは詳しく見ていきましょう。
〇6月資金調達 16日~30日
ナッジ株式会社
事業内容
次世代型クレジットカード「Nudge(ナッジ)」の提供
金額
20億円
調達手段
株式及び第三者割当増資
資金調達概要
今回の資金調達はシリーズAラウンドにおいて行われ、主にOne Capitalや香港を拠点とするMind Fund Groupなどから15億~20億円を調達することを発表しました。今回の資金調達では、投資家から、特にクリエイター×クレジットカードの特典としてデジタルコンテンツのNFTを組み合わせるという、従来のクレジットカードとは全く異なる経済的価値や所有のインセンティブを実現する試み、そして今後の事業ポテンシャルの大きさが評価されたようです。また、新たなUser engagementを高めるサービスが出てくると考えられるRead/Write/Ownという概念のWeb3時代を支える、「未来の金融機関」としても成功の可能性を評価されています。
シンプルフォーム株式会社
事業内容
法人調査プロセスを自動化するクラウド型ソフトウェア「SimpleCheck(シンプルチェック)」の提供
金額
7億円
調達手段
第三者割当増資
資金調達概要
今回の資金調達はDNX Venturesをリード投資家とし、インキュベイトファンドを引受先とするシリーズAラウンドにて約7億円の第三者割当増資という形で行われました。この企業のクラウド型ソフトウェアSimpleCheck(シンプルチェック)では「誰もが取り残されることなく金融サービスにアクセスできる」ファイナンシャルインクルーシブなサービスとして投資家の期待を集めていたようです。長くて数週間ほど要する法人KYC確認作業が、たった30秒で確認できることを体験し、その便利さを肌で感じた投資家からも感激の言葉が寄せられています。今回の資金調達で非公開であった資金調達ラウンド、金融機関からの借入も合わせた累計の調達金額は9億5000万円となりました。
pickpon株式会社
事業内容
会話サマリーAI電話「ピクポン」の提供
金額
2億4000万円
調達手段
調達と融資
資金調達概要
今回の資金調達ではシリーズAラウンドにおいて、サイバーエージェント・キャピタル、マネックスベンチャーズ、コロプラネクスト、セゾン・ベンチャーズ、CARTA VENTURES、East Ventures、MIRAISE、大冨智弘氏からの調達と融資、合わせて総額2億4000万円の資金調達を実施しました。会話サマリーAI電話「ピクポン」は2019年9月の提供開始以来、2020年10月時点でスタートアップ企業を中心に前月比約120%のペースでユーザー数が増加し続けているという高い実績も持ち合わせており、投資家からはpickuponの持つ、営業、コニュニケーション、サービスづくりのパラダイムを大きく変えていく可能性が評価されたようです。
株式会社ナレッジワーク
事業内容
社内ナレッジの共有・活用を支援するセールスイネーブルメントクラウド「ナレッジワーク」の運営
金額
2億円
調達手段
第三者割当増資
資金調達概要
今回の資金調達では、シリーズAラウンドセカンドクローズにてSalesforce Ventures、ユーザベース、Sansan、One Capitalを引受先とする第三者割当増資による2億円の資金調達を実施したと発表しました。この企業のサービスはすでにサイバーエージェントやNISSIN、マネーフォワードなどといった複数の大手企業の営業部導入が行われ、営業生産性分野におけるイノベーション貢献が期待されています。投資家からは様々な分野で労働生産性の向上が求められている日本において、営業の生産性向上は大きなポテンシャルがある領域だと考えられているようです。今回の資金調達でシリーズAラウンドでの合計資金調達額は12億円、これまでの累計調達金額は16.2億円となりました。
ArchiTek株式会社
事業内容
エッジAI及び画像処理プロセッサの論理回路開発並びにソフトウェア販売
金額
11億8000万円
調達手段
第三者割当増資
資金調達概要
ArchiTekは今回の資金調達で、未来創生ファンドほか2社の既存投資家の他、法人投資家6社及びエンジェル投資家1名の新規投資家、並びに同社経営陣よりシリーズCラウンドにおいて総額11億8,000万円の資金調達を実施したと発表しました。今回の投資家の中には、シリーズA、シリーズBでも投資した投資家も含まれており、今回の資金調達によりArchiTekの資金調達額は累計で、約21億円強となりました。この会社の展開するArchiTek Intelligence Pixel Engine(alPE)は仮想エンジン技術を使用した革新的なAI専用のエンジンで、今後AIの技術が進歩すると同時に必要になると考えられています。今回の資金調達に応じた投資家の多くはこのalPEに魅力を感じたのでしょう。
プレスリリースより
この度、ArchiTek株式会社(本社:大阪府大阪市、代表取締役:高田周一、以下ArchiTek)は、第三者割当増資を実施し、シリーズCラウンドで約11.8億円の資金調達を行いましたので、お知らせいたします。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000012.000052561.html
テトラアビエーション
事業内容
新型航空機の研究開発・ソリューションの提案
金額
4.5億円
調達手段
融資
資金調達概要
テトラアビエーションは、三井住友海上キャピタル、テイ・エステック、協和テクニカ、東鋼、三菱ガス化学などから合計4億5000万円の資金調達を実施するとともに、役員・従業員に対する新株予約権を発行したと発表しました。同社は渋滞のない空でより早く、安全で自由な移動を可能にするというSF映画のような展開を目指しています。技術の進歩に従ってこのようなことが実現に近づいています。今回の資金調達は投資家の、この企業の高い技術力、そしてこの事業そのものへの期待から成し遂げられたのでしょう。2020年2月には米ボーイング社が主スポンサーを務めるeVTOLの開発コンテストGoFlyに出場し、世界824チーム中唯一の受賞チームとなるなど、確かな実績も備えています。今回の資金調達により、累計調達額は6.7億円となりました。
Legal Force
事業内容
AI契約審査プラットフォーム「LegalForce」
金額
137億円
調達手段
第三者割当増資
資金調達概要
今回の資金調達では、シリーズDラウンドで総額約137億円の資金調達を実施したと発表しました。6月の上旬には、契約書類のAI審査が違法に当たる可能性を指摘された事例もあり、今回の資金調達は注目を集めています。LeagalForceは、WordやPDFの契約書をアップロードし、契約の類型と自社の立場を選択するだけでリスクを洗い出し、不利な条文や欠落条項を指摘してくれます。働き方が見直される中で、経理業務の効率化や省人化が求められる今の時代には必要不可欠なサービスは137億円という巨額の資金が出資されました。
super studio株式会社
事業内容
主にD2Cブランドのビジネスに合わせたオンラインネットショップを、簡単に開設できるECプラットフォーム「ecforce」を提供
金額
44億円
調達手段
第三者割当増資
資金調達概要
主にD2Cブランドのビジネスに合わせたオンラインネットショップを、簡単に開設できるECプラットフォーム「ecforce」を提供するスタートアップ。今回、総額約44億円の資金調達を実施しました。投資家からはこの企業の団結力、環境への適応力が評価されました。日本のB2C市場は20兆円を超える大きな市場で、今後さらに伸びていくと期待されています。海外と比べて日本のEC化率は遅れており、今後さらなる成長が期待できる市場であるということも、投資家が熱視線を浴びせる理由の一つであるでしょう。
株式会社ACROVE
事業内容
独自BIツールによる「提携ブランド事業」、「自社ブランド事業」の提供
金額
5億円
調達手段
出資
資金調達概要
今回の資金調達はニッセイ・キャピタル 、サイバーエージェント・キャピタル、博報堂DYベンチャーズ、日本郵政キャピタルなどによって行われました。「ACROVE FORCE」は、自社ブランド・提携ブランドにおける、Amazonや楽天等のECマーケットプレイスでの成長をサポートする独自開発のBIツールです。マーチャンダイジング(商品開発・MD)、ブランディング、パッケージング、サプライチェーン最適化、ロジスティクスの分野で強みを発揮する「ACROVE FORCE」に対する投資家の評価は非常に高いという印象を受けました。顧客満足度の高さ、事業の成長スピードともに素晴らしく、今後の成長に大きく関わります。今回の資金調達によって累計資金調達額は7億円を突破しました。
株式会社route06
事業内容
デジタルプロダクト開発、エンタープライズソフトウェアサービス「Plain」の開発・提供
金額
15億円
調達手段
第三者割当増資
資金調達概要
今回、route06はシリーズAラウンドにおいて資金調達を成功させました。だれでも簡単にインターネットを通じてあらゆる情報にアクセスすることができるようになりました。その結果スタートアップ企業が増加してます。それをサポートするDXパートナーが少ないという現状があります。route06はこのような領域に対するビジネスを展開し、大手企業の既存資産を活かした新しい事業機会と経済価値の創出に挑戦しています。今回の資金調達ではroute06のシステム間連携を実現させる「ハブ」となり、細かいニーズにも対応できる柔軟性を兼ね揃えたサービスを提供してきたという点が評価されました。
まとめ
いかがだったでしょうか。6月後半は6月前半よりも資金調達は増えたようです。相変わらず時代の先端をいく、斬新なビジネスモデルや、世界情勢の影響を受けにくいビジネスが多いようにも感じられます。後半の資金調達全体を見渡すと、数自体は大きく減るということにはなっていません。金額も非常に大きなものもありました。スタートアップ企業は景気の影響を少なからず受けます。7月の資金調達がどのような動向を見せるのか注目です。
最後に。。。
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