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もっと医師と一緒に学びたい!〜産婦人科医師を迎えたお話会 第1回感想〜

こんにちは、助産師のKanakoです🌈
POTEさんの助産師コミュニティでは、毎週お話会を企画していただいています✨
11月には、助産師に加えて、産婦人科医のまご先生をお迎えして「普段助産師との協働で考えていることとは?」というテーマでお話会がありました✨

メンバー全員で、「産婦人科の先生が助産師会にきてくれるなんて…」と、めっちゃ感動、そして、助産の枠を超えて、産婦人科領域で共に働く専門家の方とゆっくりお話する機会があることが、とても貴重で大事だと実感しました😊✨

今回のnoteでは、その感想と、これからに向けて大きな希望を感じたことを、まとめていきます。



1. 先生はなぜ助産師のコミュニティに興味を持ってくれたのか?

お話会は、産婦人科医師が「どうして助産師のコミュニティーに興味を持ってくれたのか」という話題からスタートしました⏩

助産師と医師は、同じ場所で働いていても、実は学んできた環境、教科、受けてきた試験は全く違います。なので、今回医師がお話会に来てくれるということが、とても助産師からしたらびっくりで、とても嬉しいことだったのです😉

まご先生は「お産の進め方を考えるなかで、すごく悔しい思いというか、もっといいケアや治療ができたんじゃないかって自問自答する時期があった。その時に、そのことを病棟の助産師に相談したところ、助産師から、先生は助産院に行ってみたら良い刺激になるかもしれない、と言ってもらったこと」が一つのきっかけだったと話をしてくれました。

助産師は、学生の実習の時に、必ず助産院に行きます。ですが、医学生が助産院に実習に行った、ということは聞いたことがありません。 先生は、助産院で妊婦さんのお腹に触れケアをする助産師を見て、「医師はエコーや採血など検査結果を見てしまうことが多い。助産師さんは違うところも見ているのだと思った。でも、医師も助産師も、同じ妊婦さんを見て、関わっているんだなと思い、お産って病院だけのものじゃないんだなと感じた」そうです🌈

お話会は「助産師に、助産ケアに興味を持ってくれる先生がいてくれるなんて感激!嬉しい!」という声で溢れました(笑)


2. 職種を超えて、関わったスタッフ全員でお産振り返り会、ぜったい有意義!やりたい!

産婦人科領域の中でも、特に分娩室での医師の治療、助産師のケアについての話が盛り上がりました。

まご先生は「お産の振り返りでは、医師同士でも教えてもらい学び合うが、必要だと思ったら助産師の方との振り返りを自分からお願いしている」とお話があり、助産師メンバーからは「そんな先生がたくさんいてほしい〜〜」という声が🤗


就職して最初の時期は、お産の方を受け持つ時は、先輩と一緒に受け持ちます。仕事終わりには、先輩と一緒に、どうしてそう考えたか、必要なケアは何だったか、何が足りなかったか、技術として磨くべきところはどこか、などなど振り返りをしてもらっていました。一人で任されることが増えても、何かわからなければ尋ねて、振り返りをして、先輩助産師さんたちが持っている技術を学びとりたい、身につけたい、と必死でした…。

実は医師も同じ。私が先輩助産師と振り返りをしている横で、若手の医師が上の医師と治療方針の確認や、過去の分娩への振り返りをしていました。

今現在、分娩室でお産に関わった後の振り返りは、職業ごとにしています📚 何か重要な症例があった時には、麻酔科医や救急医なども含めて大きなカンファレンスをすることはありますが、基本は職業ごとに縦社会、別々です。

でも、まご先生が言ってくれたように「見ている視点は違っても、同じ妊婦さんに関わっているのだから」、助産師と産婦人科医と分けずに、関わったみんなでお産を振り返りたい、とお話会で盛り上がりました✨そんな話をすると、まご先生は「とてもよくわかります」と言ってくれました✨

お産への治療やケアには、国試とか教科書にのっている情報以上の知識や技術が、本当にたくさんあることを、現場で働くと感じます。 分娩の治療やケアに関するガイドラインや教科書、マニュアルは多くありますが、数字や、言葉、文字に表しきれないものがたくさんあります。
助産師の先輩たちのお産へのケアを見ていると、どうやってお産の進行を掴んでいるんだろう、カルテとか書けるような情報だけではないものをどうやって得ているんだろう、と思います。
経験のある先輩の関わりは、もはや職人技のよう。 同じお産を見ているのに、先輩と、新人の私では、見えている世界が全然違うようです。見えている世界というか、明瞭に全体が見渡せているというか。

それは助産師同士だけではなく、医師同士でもそう感じるのだと思います。
だからこそ、いろんな治療方針やケアを、先輩後輩と学び振り返り合うのです。 プラス、職種を超えて、お互いで一緒に振り返ることができたらどうか…!

医師目線での患者さんへの関わり方や意志決定方法、どういう視点を大事にしているかを、助産師サイドも知りたいし、
きっと医師の方も、近くでケアをする助産師が何を大切にして、どんな関わりをして、患者さんをサポートしているのか、気になるのではないでしょうか📝
忙しい職場で、ゆっくり振り返りすることは、同じ職種同士でも、なかなかできません🌀
それでも「同じ妊婦さんをみていて、関わっていくのだから、一緒に振り返って学び合って協働していきたい」というまご先生のお話に、皆で「わかるわかる」と共感でき、とても嬉しかったです😊


3. お産には医療とケアの比率が変わる瞬間があるが、どちらもお産であり、対象者の母子は変わらない

振り返りをして、一緒に学びより良いお産になるように皆でしていきたい、という話から、産婦人科医師と助産師の視点がどのように医療現場では交錯しているのか、という話になりました。

⏩助産師は、ウェルネスの視点で関わるように、と学生の時から学びます。妊娠出産はもちろん安全に行われるべきで、必要時管理をしっかりしなくてはならないですが、本来は人間の自然ないとなみ、女性自身の力を引き出すサポートをする役割があると思っています。
⏩一方、産婦人科医師や治療のエキスパートです。医師だからこそできる妊婦さんへの管理があり、それは母子の安全と命を守り健康を守るための加療です。

おそらく多くの助産師が、(そしてきっと医師も)お産は医療とケアの比率が変わる、切り替わるタイミングや瞬間がある、と感じているのではないでしょうか。
自然経過で見ているお産から陣痛が弱いとなって子宮収縮剤を始めるとき、お産は進んでいるが胎児の心音があまり状況が良くないことが続いたとき、 緊急の帝王切開が決まるとき…

はっきり医療とケアと分かれるのではなく、どちらも混ざり合いながら、医療スタッフは関わっているはずです🌈 まご先生は「確かに比率が変わったり、優先度が変わるタイミングがあるが、見ている母子は変わらないですよね」と言ってくれました。
今まで学んできた道、視点、考え方が異なっていても、同じ患者さんに関わっているのだから皆で学び合い、より良いものにしていきたい、とお話できたことは、今後の産婦人科の未来にすごく期待を持てるというか、希望が持てました。


4. 個別性やウェルネスに注目した関わりは、助産師から先生に伝えられることもあるかもしれない

お話会の中で、患者さんへの声かけについて私が印象的だった出来事を共有しました。ある方の分娩介助をしたときに、振り返りで先輩から

「あの産婦さんに、教科書通りにいきむタイミングとか呼吸法とか、強く、何回も言う必要あった?声かけしなくてもあの方の自然ないきみで赤ちゃん降りてきたよね?あなただけ大きな声出してたよ?」

と言われたとき、ハッとして、確かにそうだった…と思ったんです😧 いきむ時に声かけをして、スムーズにお産が進むようにする、とずっと習ってきましたが、確かにあの方は、スタッフからわざわざ言わなくてもお産が進んでいた、私はあの時の雰囲気全体を感じて、この人に合った支え方をすべきだった、と学びました。

そのことをお話しすると、まご先生はとても興味を持ってくれて「確かに、主役が妊婦さんって考えたら、声かけの方法って人によって違うはずですよね、私も声かけについてもっと知りたい!」と言ってくれました。 患者さんの個別性に合わせて、というのは言葉では簡単ですが、それはウェスネスの視点からも関わり方を再考できるのかもしれません💫✨

私たち助産師が先輩たちから得ようとしている関わりの豊富さを、ぜひ先生たちにも共有したい、と強く思いました。


コミュニティ内で助産師同士でお話をすることも、とても学びになり、話題が尽きず、向上心のある専門職だなあと感じ、皆様のサポーティブな姿勢をとても頼もしく思う日々ですが、

産婦人科領域はさまざまな専門職が関わり、患者さんを支え合う場所です。
今回まご先生がお話会に参加してくださったことで、より一層、お互いの専門性を尊重しながら学び合い、高めあう必要性を実感しました。

まご先生、本当にありがとうございました😊
ぜひまたきてくださいね✨

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