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創作短編集

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私が書いた創作短編をまとめたマガジンです。 今後記事が増えたとき、こちゃこちゃするかもしれないと思ってまとめてみました。
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2023年9月の記事一覧

【超短編小説】置き去りにされて【月めくり】

   置き去りにされて  月めくりカレンダーをめくる気になれなかった。  毎月二十三日は…

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【短編小説】崩壊

 憔悴しきった女が一人、地区を駆け抜けていく。時折足を止めては、近くを通りかかった人間に…

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【超短編小説】それで、続きはいつですか?

 あるクリエイターが、二次創作の長編漫画「未来の僕ら」をアップロードした。今回はその第一…

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【超短編小説】Marble【読む時間】

   Marble  読む時間です。何も考えずに本を読みます。適当に選んだ書物を紐解き、静かに…

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【短編小説】終末がみえたとき

 地区を歩いているときのことだった。ノアは、贔屓にしている書店に行こうと足取り軽く道を歩…

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【短編小説】名前がNから始まる、文鳥を飼っている女性

 A氏は趣味の小説をネットに公開している。ズボラだが推理の腕はピカイチの探偵・仁科進と、…

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【短編小説】林檎が実る頃【秋が好き】

   林檎が実る頃  秋が好きです。もう夏の暑さに怯えなくていいんだなと思えるので。敬二さんがそう仰ったときに、わたしはおもわず「でも、すぐに冬がやってきます」と言ってしまいました。敬二さんは眉毛をハの字にして「そうですね。寒いのはお嫌いですか?」と笑っていました。わたしは余計なことを言ってしまった恥ずかしさから、頬を紅くして小さく頷きました。敬二さんはわたしに外套を羽織らせてくれました。わたしの顔はもう真っ赤っかです。熟れた林檎だってここまで見事な紅色にはならないでしょう

【短編小説】罪人の末路

 風が徐々に秋の様相を見せ始めているとはいえ、まだまだ暑さが残る頃のことだった。二人は順…

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【短編小説】一方通行【愛は犬】

   一方通行  愛は犬の名前だ。当時の私は愛に飢えていたのだろう。いや、今もそうなのか…

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【短編小説】評価星一つの飯

 湖上に船が揺れている。わりとしっかりした造りのそれは釣り人用のものであり、大物を運ぶの…

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【超短編小説】背伸び

 手帳を一冊買った。使い道のない文房具に役割を与えるためだった。僕は職場と自宅の往復以外…

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【短編小説】神絵師のうつわ

 ある日、N子のもとにイラストSNSからの通知がやってきた。  ――あなたのイラストがデイリ…

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【短編小説】とある酒場ができるまで

 四月一日  念願の料理屋を開店した。一階が店で二階は住居だ。  魔力を含まない食事が売り…

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