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創作短編集

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私が書いた創作短編をまとめたマガジンです。 今後記事が増えたとき、こちゃこちゃするかもしれないと思ってまとめてみました。
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2023年4月の記事一覧

【短編小説】自称・優秀な薬師と毒の村 #4(最終話)

 こちらの続きです。  生理的嫌悪が胃の腑から立ち上がり、ノアは思わずラスターの方を見た…

【短編小説】自称・優秀な薬師と毒の村 #3

 こちらの続きです。  シノは一枚の紙を取り出した。「機密レベルⅠ」と赤いハンコが押され…

【短編小説】自称・優秀な薬師と毒の村 #2

 こちらの続きです。  帰路の途中、ラスターは森に生えている植物類を細かく確認した。時々…

【短編小説】自称・優秀な薬師と毒の村 #1

 ノアとラスターはゴブリン退治の依頼を受けてリョセ村にやってきていた。ゴブリン退治は魔物…

【超短編小説】誰かがこんなことを言いだした

 SNSのおかげで「あなたの作品が好きです」という意思表示は容易になった。ボタンをひとつ押…

【短編小説】ノアと本屋とアングイス

 背伸びをしているアングイスを見かけた。  商業都市アルシュの中心市街地と地区の境目にあ…

【短編小説】閉店理由

 大漁らぁめんが閉店すると聞いてすっ飛んできたN氏は、店内の変貌っぷりに驚いた。あれだけ活気に溢れていたはずの店は、いつのまにか随分と寂れてしまっている。店の入り口に足を踏み入れると同時に「お客様一名ご来店!」「らっしゃぁ!」という名物掛け声すらない。空いてるお席にどうぞ、という淡白な案内だけだ。  N氏はカウンター席についた。隣では別の客が醤油ラーメンをすすっている。 「注文いいかい?」  N氏の声に反応してやってきたバイトが、くたびれたメモと安っぽいボールペンを手に「注文

【短編小説】天使と悪魔と二次創作

「二次創作、やってみようかなぁ」  彼女がそう呟いた時、天使と悪魔が現れた。 「二次創作…

【短編小説】ぼくとタプウィム

 僕はタプウィムを飼っていた。友人のKが飼い始めたのを見てうらやましくなったのだ。タプウ…

【短編小説】優しい嘘の日

「優しい嘘の日、って知ってる?」  手元の本から視線を上げることなく、ノアがそんなことを…

【短編小説】夕食

 年の割にはしっかりしているね、と褒められるのは確かに嬉しかったのだが、少し複雑な感情が…

【短編小説】チョコチップクッキー

 チョコチップクッキーが食べられないという話をすると、様々な反応が来る。「アレルギー?」…

【短編小説】誰が一票を投じたのか?

 冴えない印象の女子が四人、隅の机に集まってなにやら話をしている。服装や振る舞いこそどこ…

【短編小説】生贄調達の依頼

 先にこちらの短編を読むことをオススメします。  ――ナナシノ魔物退治屋がワームの巣へ向かってから、一週間後。  この依頼を出すのは四度目だったが、その魔物退治屋も戻ってこなかった。村長は満足げに頷いて、二人の若者を森に遣わせた。  その二人が帰ってこなかったので、村長は彼らを探させに他の二人を送り込んだ。  しかし、その二人も帰ってこなかった。村長は焦った。 「何故戻ってこない?」 「俺に聞かれても」  フレディは首をかしげながら答えた。隣でデニスは欠伸をしている。 「