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おすすめの詩

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今週の詩、おすすめの詩のまとめです。
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#八木重吉

母の日に読みたい!母を想う名詩3選

母の日に読みたい!母を想う名詩3選

こんにちは。詩のソムリエです。
5月14日は母の日。母という存在の大きさは、なににたとえられるでしょうか。今日は、「母」にまつわる名詩を紹介します。

夕方になれば、みな母のもとへ。サッポー「夕星」
トップバッターは、紀元前7世紀に書かれたこんな詩。ギリシャの詩の女神・サッポーの作品です。

心にさーっと飛び込んでくる、こよなく美しい詩。母の安心感をこのようにうたった詩は、ほかに知りません。
夕星

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詩集紹介|弱さは、すべてを受け入れる谷間。田中重人さん詩集『トトとコト』『ヴァルネラブル』

詩集紹介|弱さは、すべてを受け入れる谷間。田中重人さん詩集『トトとコト』『ヴァルネラブル』

小さく祈る夜が来て、朝はまぶしさでいっぱいで。
きらきら光る露を、ほそい糸で通したような詩集に出会った。

徳島・神山町在住の詩人、田中重人さんの第一詩集『トトとコト』第二詩集『ヴァルネラブル』。たまたまインタビュー記事を読んだことがきっかけとなった。

田中さんの言葉に、ひとつひとつうなずき、微発光しているような詩の優しいあかるみに心打たれた。そして気づけば泣いていた。

この詩集をすぐに読みた

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今週の詩|冬のある日(八木重吉)

今週の詩|冬のある日(八木重吉)

こんにちは。詩のソムリエです。

今週の七十二候は「朔風葉を払う(きたかぜ このはをはらう)。
福岡でも昨日から北風が吹いて、「冬だなぁ」と窓の外を見つめています。

今日は、こんな詩をどうぞ。

冬のある日 八木重吉

くさがかれたんだから
わたしのおもいだって
すなおにかれたらいい

ひらがなで書かれたみじかい詩なので、するっと読めます。
でも、なかなかにすごいことを言っている詩。

この詩を

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今週の詩(処暑)|「秋のひかり」(八木重吉)

今週の詩(処暑)|「秋のひかり」(八木重吉)

おはようございます。詩のソムリエです。

あっという間に、8月の終わり。どんな夏をすごされましたか?
すっかり涼しくなった風や虫の音に、秋の訪れを感じますね。巨峰や梨が今年は当たり年のようで、体の中もだんだん秋にシフトしていっています。

今週の詩は、八木重吉(やぎ・じゅうきち 1898-1927)の「秋のひかり」という短い詩です。

「秋のひかり」

ひかりがこぼれてくる
秋のひかりは地におちて

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