村田活彦

詩人。座右の銘は "Je suis la , tu es la"(…

村田活彦

詩人。座右の銘は "Je suis la , tu es la"(私はここにいる、あなたはここにいる)。渋谷のラジオ「MIDNIGHT POETS 〜誰も整理してこなかったポエトリー史〜」出演。1/24〜28「ぺぺぺの会」公演。スペース配信 #偏愛詩歌倶楽部

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  • 誰も整理してこなかったポエトリー史【ふろくnote】

    すべては詩からはじまった。 ポエトリーリーディングの歴史をたどるトーク番組『MIDNIGHT POETS 〜誰も整理してこなかったポエトリー史〜』(FM87.6Mhz 渋谷のラジオ) オンエアで語りきれなかった話もふくめ、番組ゲストの村田がさらに深掘りしてお伝えします。

最近の記事

アートは抵抗する。虐殺に、暴力に。

パレスチナの詩人、レファアト・アラリール氏をご存知でしょうか。 彼はガザ地区にあるイスラム大学で教授を務め、若いパレスチナの書き手が英語で自分たちの物語を語れるよう、手助けをしていました。またガザ地区や難民キャンプで暮らすパレスチナ人の若者の声を伝える非営利組織「We Are Not Numbers(我々は数ではない)」の共同創設者でもあったそうです。 昨年12月、彼はイスラエル軍の爆撃によって殺害されました。 アラリール氏が遺した詩“If I must Die.”(も

    • 詩を読むこころ、聞かせてください。

      詩について話すのはちょっと苦手だ。ポエトリーリーディングをしたり、詩のイベントを企画したりしてるのに。いや、してるからこそ、なのか。「詩とはなんぞや」とか「いわゆる詩っぽい詩ってこうだよね」みたいな話には口をモゴモゴしてしまう。できればそこから離れていたい。 詩などという巨大で漠然と捉えようもない宇宙みたいなものを語るなんて烏滸がましいという思いが強いのです。第一そこまで熱心な詩の読者ではないし(と言いつつ、ときどき調子に乗って「詩とは」を語っている気もするので、そんな村田

      • 誰も整理してこなかったポエトリー史【ふろくnote】⑥ポエトリーリーディング史<海外編>相関図

        さてこの連載ではポエトリーリーディングの歴史をたどっているわけですが、このあたりで一度おさらいをしておきましょう。というわけで ジャァァーン!1920年代から1990年代以降まで、「海外編」の固有名詞をざっとまとめてみました。こうやってみるとポエトリーリーディングがいかに長く広く、ジャンルを越えて影響しているかがわかりますね。 番組でもお話しした通り、今回の企画では村田がにわか勉強しまくった成果をお伝えしています。もしかしたら不備な点もあるかもしれません。 気になることな

        • 誰も整理してこなかったポエトリー史【ふろくnote】⑤ ヒップホップ世代の詩人とポエトリーな映画

          ヒップホップ世代の詩人たち 1990年代中ごろ。有名な「ニューヨリカン・ポエツ・カフェ」や同じくNYの「ブルックリン・ムーン・カフェ」「シュガーシャック」といった店を拠点に、主にアフリカン・アメリカンの詩人たちの活動が盛んになります。彼らはみなヒップホップを聴いて育った世代であり、テキストや朗読スタイルにもヒップホップの影響を見出すことができます。 90年代に登場した詩人の筆頭はジェシカ・ケア・ムーア。デトロイト出身の彼女は、地元の大学のカフェなどでリーディングをしていた

        アートは抵抗する。虐殺に、暴力に。

        • 詩を読むこころ、聞かせてください。

        • 誰も整理してこなかったポエトリー史【ふろくnote】⑥ポエトリーリーディング史<海外編>相関図

        • 誰も整理してこなかったポエトリー史【ふろくnote】⑤ ヒップホップ世代の詩人とポエトリーな映画

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        • 誰も整理してこなかったポエトリー史【ふろくnote】
          6本

        記事

          誰も整理してこなかったポエトリー史【ふろくnote】④ ミゲル・ピニェロとニューヨリカン・ポエツ・カフェ

          ミゲル・ピニェロ、破天荒すぎる才能 70〜80年代のNYで、ひときわ鮮烈な光を放った詩人がいます。それがミゲル・ピニェロ。愛称"マイキー"とも呼ばれる彼は、刑務所とシャバを往復する人生を送りながら詩人、劇作家、俳優として名を馳せました。 プエルトリコで生まれ、4歳でNYのロウアー・イースト・サイドに移り住んだピニェロは貧困のなかで育ちます。11歳のときに窃盗で前科がついて以降、窃盗や強盗をはたらいては少年院や刑務所に送られるのを繰り返す生活。しかも麻薬常習者でした。 そ

          誰も整理してこなかったポエトリー史【ふろくnote】④ ミゲル・ピニェロとニューヨリカン・ポエツ・カフェ

          誰も整理してこなかったポエトリー史【ふろくnote】③ 70年代 ブラック・アーツ詩はラップのルーツ!

          FM87.6Mhz 渋谷のラジオ「MIDNIGHT POETS 〜誰も整理してこなかったポエトリー史〜」は、その名のとおりポエトリーリーディングの知られざる歴史を語る特別番組です。 第2回は70年代ニューヨークを中心として盛り上がった「ブラック・アーツ・ムーブメント」についてお話しました。アーカイブはこちら! (Spotifyのアプリをインストール、アカウント登録してお聴きください) 公民権運動からブラック・パワーへ キング牧師の名前をご存知の方は多いでしょう。BLM(

          誰も整理してこなかったポエトリー史【ふろくnote】③ 70年代 ブラック・アーツ詩はラップのルーツ!

          誰も整理してこなかったポエトリー史【ふろくnote】② 50年代〜 ビート・ジェネレーションの衝撃

          カウンターカルチャーの元祖 ビート・ジェネレーションという言葉を聞いたことがあるでしょうか。1950〜1960年代アメリカで一大旋風を巻き起こし、ロックやヒッピー文化などその後のアメリカに大きな影響を与えた文学のムーブメントです。 第二次世界大戦後も経済発展を続けていたアメリカ。物質的には豊かになりましたが、それは管理社会の到来でもあり、人間らしさの危機でもありました。そんな時代にあって既存の価値観への抵抗を掲げた若者たち、それがビートジェネレーションです。その思想はドラ

          誰も整理してこなかったポエトリー史【ふろくnote】② 50年代〜 ビート・ジェネレーションの衝撃

          誰も整理してこなかったポエトリー史【ふろくnote】① 1920年代ハーレム・ルネサンスとラングストン・ヒューズ

          ポエトリーリーディング史を語るラジオ ポエトリーリーディングに興味がある方、そもそもどういう文化なの?という方、お待たせしました! ポエトリーリーディングの歴史を紐解くラジオ番組がこちら。 ウェブ/公式アプリ/ラジオから全国で聴けます アーカイブもありますよ!(Spotifyのアプリをインストール、アカウント登録してお聴きください) いとうせいこうさんをお相手に村田がポエトリーリーディングの歴史を語るという、なんとも大それたこの番組。そのために図書館やらネットやらで調

          誰も整理してこなかったポエトリー史【ふろくnote】① 1920年代ハーレム・ルネサンスとラングストン・ヒューズ

          ことばはだれのもの?

          最近、演劇というものに興味が募っている。 私はポエトリーリーディングを24年くらい、つまり自分の言葉を自分の声で発するということを四半世紀近くやってきたのだけど、知り合いの舞台俳優さんたちを見ていると、ステージ上での存在感というか、声や立ち振る舞いから醸される説得力みたいなものに「かなわないなあ」と思ってしまう。 自分のものではない言葉を自分ではない人物として発する「芝居」というものに、なにか特別な秘密があるような気がしてならない。 あまりに気になるので、劇団のワークシ

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          わたし、詩が好きだ

          お久しぶりです。と言いますか、2年弱くらい経ってしまっているのですね。コロナ禍は時間の感覚も麻痺させてしまうのか。いやいや。 少しずつ、このnoteも投稿再開したいと思います。まずはリハビリテーションですね。 ***** 5月21日、文学フリマ東京に参加してきました。妻とふたりで出店して新刊2冊を販売。人気の短歌アンソロジー『胎動短歌Collective』や、文月悠光さんもゲスト参加された『詩誌 蜜』にも寄稿していました。 詩集を手にしてくださる方の反応をみて、ここは

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          バンコク、ポエトリーリーディングの夏

          こんにちは。村田活彦です。 9/4(土)のポエトリーリーディング 配信ライブ「Tokyo Poetry Crossing 〜Small Planet , Tiny Voices〜」の準備に追われています。9月になったのに夏休みの出題が終わらない小学生の気分。 さて、そのTokyo Poetry Crossing には、国内外から本当に多彩な、豪華な出演者に参加いただくのですが、バンコクからはVasan Sitthiket(ワサン・シティケート)そしてRory Breake

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          小さな声に耳をすませて。ポエトリーリーディング配信ライブします。

          東京の東側、江東区・深川というところに住んでいます。この町で暮らしながら、ポエトリーリーディング を通じて世界と交流していきたい、そんな願いを込めてPoetry Reading Tokyo という屋号を持ちました。 これまでは単にFacebookページがあるくらいだったのですが、2021年夏の終わり、ポエトリーリーディング の配信ライブイベントを企画しました。 国内、海外のアーティスト10名によるポエトリーリーディング配信ライブです。 2021年9月4日(土)19:30

          小さな声に耳をすませて。ポエトリーリーディング配信ライブします。

          村田活彦と申します。ポエトリーリーディングしています。

          おはようございます。こんにちは。こんばんは。 Hello, Bonjour, Olá! はじめまして。おひさしぶりです。どーもどーも。 村田活彦と申します。まずはプロフィールを載せてみますね。 詩人。スポークンワード・アクティビスト。 大手出版社勤務を経て、ポエトリーリーディング(詩の朗読)活動を始める。詩と音楽のCD『詩人の誕生』発売中。朗読ユニット「ATTA」メンバー。 朗読ライブのほか音楽との共演、講演など活動は多岐にわたる。ツイキャス「ポエトリーダイアローグ」毎月

          村田活彦と申します。ポエトリーリーディングしています。