村田活彦/やしの実ブックス

詩人。座右の銘は "Je suis la , tu es la"(…

村田活彦/やしの実ブックス

詩人。座右の銘は "Je suis la , tu es la"(私はここにいる、あなたはここにいる)。渋谷のラジオ「MIDNIGHT POETS 〜誰も整理してこなかったポエトリー史〜」出演。やしの実ブックス主宰。スペース配信 #偏愛詩歌倶楽部パーソナリティ。

マガジン

  • 詩をめぐる対話カフェ note

    東京・西荻窪の今野書店にて開催している「詩をめぐる対話カフェ」(詩カフェ)。 勉強会でも討論会でもなく、ただ詩について感じたこと考えたことを話す(もしくは聞いてるだけでも構いません)というゆるい会です。あまり詳しくない?それほど読んだことがない?まったく問題なし。詩に興味がある方なら誰でもウェルカムです。 このマガジンでは詩カフェについてのお知らせ、イベントレポートなどを掲載していきます。

  • 誰も整理してこなかったポエトリー史【ふろくnote】

    すべては詩からはじまった。 ポエトリーリーディングの歴史をたどるトーク番組『MIDNIGHT POETS 〜誰も整理してこなかったポエトリー史〜』(FM87.6Mhz 渋谷のラジオ) オンエアで語りきれなかった話もふくめ、番組ゲストの村田がさらに深掘りしてお伝えします。

最近の記事

#私の超訳ランボー 募集します!

このnoteでもご紹介した『みつかった!って何がって、お前、永遠やんけ 超訳!関西弁で読むアルチュール・ランボー』(重兼徹/やしの実ブックス)。なんだか各方面でじわじわ話題のようで…ありがとうございます。 なかにはランボーの詩の一節を自分流に翻訳される方もいて。わかります、その気持ち。特に有名な『永遠』はパンチラインのインパクトもあって、ちょっとオリジナル翻訳してみよかって気になるんですよね。 ということで、こんな企画を。 「関西弁で読むアルチュール・ランボー」刊行記念 

    • ランボーが関西弁で叫ぶ、ってなんでねん。

      みなさんランボーはお好き? あ、スタローンじゃなくて詩人のほうです。19世紀末フランスを駆け抜けた天才詩人、アルチュール・ランボー。そのランボーの詩を関西弁で超訳した本、というのがありまして、やしの実ブックスから好評発売中です。著者は詩人・重兼徹。 中原中也の翻訳をベースに、関西発ポエトリーリーディングの至宝・重兼徹が超訳。三者の才能が交錯して、名詩のあらたな魅力が浮かび上がる…という一冊なのですが。いきなり関西弁でランボーと言われても「なんでやねーん」とツッコミたくなる方

      • 【詩カフェ】石垣りんさんの詩が今も胸に迫るのは、なぜだろう。

        西荻窪・今野書店さんでのシリーズイベント「詩をめぐる対話カフェ」(詩カフェ)。次回のテーマは石垣りんさん。ということで、石垣さんの詩集をあらためて読んでおこうかな…というタイミングで、こんな記事に出会いました。 翻訳家の斎藤真理子さんが筑摩書房のPR誌「ちくま」に連載しているエッセイ「読んで出会ったすごい人」。最新号(7月号)では『銀行員の詩集』をとりあげています。 銀行名がずらりと並んだ詩集 『銀行員の詩集』はその名の通り、全国の銀行員が書いた詩をまとめたもので、195

        • 【詩カフェレポート】 山之口貘さんってなんであんなに自然体なんだろう

          詩のなかに貘さんがいる 今春から東京・西荻窪の今野書店さんで始めた「詩をめぐる対話カフェ」(詩カフェ)。毎回ひとりの詩人をとりあげ、その詩についてみんなで話してみようという会です。第1回の茨木のり子さんに続き、第2回は沖縄出身の詩人、山之口貘さんをテーマに開催しました。 6月2日(日)午後2時、今野書店のB1イベントスペース。参加者はそれぞれお好きな貘さんの本を手に集まってきます。円形に並べた椅子に座り、山之口貘作品をいくつかプリントした資料が配布され、さて、詩カフェオー

        #私の超訳ランボー 募集します!

        マガジン

        • 詩をめぐる対話カフェ note
          5本
        • 誰も整理してこなかったポエトリー史【ふろくnote】
          6本

        記事

          【詩カフェ】 山之口貘さんってわかりやすくなくなくなくない?

          「詩をめぐる対話カフェ」というイベントのために、山之口貘さんの詩集を読み返しています。これまで熱心に読んできたわけじゃないけど、貘さんというとすでに自分のなかに既になんとなくのイメージがあって、それは沖縄生まれとか貧乏暮らしとか放浪の詩人とか自虐的なユーモアとか、まあわりと一般的なものかもしれないですが。 それが講談社現代文庫『山之口貘詩文集』あるいは岩波文庫『山之口貘詩集』を1ページずつめくっていくと、あれ、ちょっと待って?という疑問が湧いてきたりするんですよね。 たと

          【詩カフェ】 山之口貘さんってわかりやすくなくなくなくない?

          【詩カフェレポート】 西荻窪・今野書店にて、茨木のり子さんの詩について語り合いました。

          はじめての「詩をめぐる対話カフェ」 ポエトリーリーディングやワークショップなど、詩の活動をしていると「詩には詳しくないけれどあの詩は特別に好き」とか「もっと詩に親しむ機会があれば」といった声を聞くことがあります。もしかして詩について話したい/聞きたいひとって意外といるのでは? そう思って、詩を語りあう会を開くことにしました。それが「詩をめぐる対話カフェ(詩カフェ)」。第一回目のテーマは茨木のり子さんです。 3月29日(金)の夜7時。場所は東京・西荻窪の今野書店。正面入り口

          【詩カフェレポート】 西荻窪・今野書店にて、茨木のり子さんの詩について語り合いました。

          アートは抵抗する。虐殺に、暴力に。

          パレスチナの詩人、レファアト・アラリール氏をご存知でしょうか。 彼はガザ地区にあるイスラム大学で教授を務め、若いパレスチナの書き手が英語で自分たちの物語を語れるよう、手助けをしていました。またガザ地区や難民キャンプで暮らすパレスチナ人の若者の声を伝える非営利組織「We Are Not Numbers(我々は数ではない)」の共同創設者でもあったそうです。 昨年12月、彼はイスラエル軍の爆撃によって殺害されました。 アラリール氏が遺した詩“If I must Die.”(も

          アートは抵抗する。虐殺に、暴力に。

          【詩カフェ】 詩を読むこころ、聞かせてください。

          詩について話すのはちょっと苦手だ。ポエトリーリーディングをしたり、詩のイベントを企画したりしてるのに。いや、してるからこそ、なのか。「詩とはなんぞや」とか「いわゆる詩っぽい詩ってこうだよね」みたいな話には口をモゴモゴしてしまう。できればそこから離れていたい。 詩などという巨大で漠然と捉えようもない宇宙みたいなものを語るなんて烏滸がましいという思いが強いのです。第一そこまで熱心な詩の読者ではないし(と言いつつ、ときどき調子に乗って「詩とは」を語っている気もするので、そんな村田

          【詩カフェ】 詩を読むこころ、聞かせてください。

          誰も整理してこなかったポエトリー史【ふろくnote】⑥ポエトリーリーディング史<海外編>相関図

          さてこの連載ではポエトリーリーディングの歴史をたどっているわけですが、このあたりで一度おさらいをしておきましょう。というわけで ジャァァーン!1920年代から1990年代以降まで、「海外編」の固有名詞をざっとまとめてみました。こうやってみるとポエトリーリーディングがいかに長く広く、ジャンルを越えて影響しているかがわかりますね。 番組でもお話しした通り、今回の企画では村田がにわか勉強しまくった成果をお伝えしています。もしかしたら不備な点もあるかもしれません。 気になることな

          誰も整理してこなかったポエトリー史【ふろくnote】⑥ポエトリーリーディング史<海外編>相関図

          誰も整理してこなかったポエトリー史【ふろくnote】⑤ ヒップホップ世代の詩人とポエトリーな映画

          ヒップホップ世代の詩人たち 1990年代中ごろ。有名な「ニューヨリカン・ポエツ・カフェ」や同じくNYの「ブルックリン・ムーン・カフェ」「シュガーシャック」といった店を拠点に、主にアフリカン・アメリカンの詩人たちの活動が盛んになります。彼らはみなヒップホップを聴いて育った世代であり、テキストや朗読スタイルにもヒップホップの影響を見出すことができます。 90年代に登場した詩人の筆頭はジェシカ・ケア・ムーア。デトロイト出身の彼女は、地元の大学のカフェなどでリーディングをしていた

          誰も整理してこなかったポエトリー史【ふろくnote】⑤ ヒップホップ世代の詩人とポエトリーな映画

          誰も整理してこなかったポエトリー史【ふろくnote】④ ミゲル・ピニェロとニューヨリカン・ポエツ・カフェ

          ミゲル・ピニェロ、破天荒すぎる才能 70〜80年代のNYで、ひときわ鮮烈な光を放った詩人がいます。それがミゲル・ピニェロ。愛称"マイキー"とも呼ばれる彼は、刑務所とシャバを往復する人生を送りながら詩人、劇作家、俳優として名を馳せました。 プエルトリコで生まれ、4歳でNYのロウアー・イースト・サイドに移り住んだピニェロは貧困のなかで育ちます。11歳のときに窃盗で前科がついて以降、窃盗や強盗をはたらいては少年院や刑務所に送られるのを繰り返す生活。しかも麻薬常習者でした。 そ

          誰も整理してこなかったポエトリー史【ふろくnote】④ ミゲル・ピニェロとニューヨリカン・ポエツ・カフェ

          誰も整理してこなかったポエトリー史【ふろくnote】③ 70年代 ブラック・アーツ詩はラップのルーツ!

          FM87.6Mhz 渋谷のラジオ「MIDNIGHT POETS 〜誰も整理してこなかったポエトリー史〜」は、その名のとおりポエトリーリーディングの知られざる歴史を語る特別番組です。 第2回は70年代ニューヨークを中心として盛り上がった「ブラック・アーツ・ムーブメント」についてお話しました。アーカイブはこちら! (Spotifyのアプリをインストール、アカウント登録してお聴きください) 公民権運動からブラック・パワーへ キング牧師の名前をご存知の方は多いでしょう。BLM(

          誰も整理してこなかったポエトリー史【ふろくnote】③ 70年代 ブラック・アーツ詩はラップのルーツ!

          誰も整理してこなかったポエトリー史【ふろくnote】② 50年代〜 ビート・ジェネレーションの衝撃

          カウンターカルチャーの元祖 ビート・ジェネレーションという言葉を聞いたことがあるでしょうか。1950〜1960年代アメリカで一大旋風を巻き起こし、ロックやヒッピー文化などその後のアメリカに大きな影響を与えた文学のムーブメントです。 第二次世界大戦後も経済発展を続けていたアメリカ。物質的には豊かになりましたが、それは管理社会の到来でもあり、人間らしさの危機でもありました。そんな時代にあって既存の価値観への抵抗を掲げた若者たち、それがビートジェネレーションです。その思想はドラ

          誰も整理してこなかったポエトリー史【ふろくnote】② 50年代〜 ビート・ジェネレーションの衝撃

          誰も整理してこなかったポエトリー史【ふろくnote】① 1920年代ハーレム・ルネサンスとラングストン・ヒューズ

          ポエトリーリーディング史を語るラジオ ポエトリーリーディングに興味がある方、そもそもどういう文化なの?という方、お待たせしました! ポエトリーリーディングの歴史を紐解くラジオ番組がこちら。 ウェブ/公式アプリ/ラジオから全国で聴けます アーカイブもありますよ!(Spotifyのアプリをインストール、アカウント登録してお聴きください) いとうせいこうさんをお相手に村田がポエトリーリーディングの歴史を語るという、なんとも大それたこの番組。そのために図書館やらネットやらで調

          誰も整理してこなかったポエトリー史【ふろくnote】① 1920年代ハーレム・ルネサンスとラングストン・ヒューズ

          ことばはだれのもの?

          最近、演劇というものに興味が募っている。 私はポエトリーリーディングを24年くらい、つまり自分の言葉を自分の声で発するということを四半世紀近くやってきたのだけど、知り合いの舞台俳優さんたちを見ていると、ステージ上での存在感というか、声や立ち振る舞いから醸される説得力みたいなものに「かなわないなあ」と思ってしまう。 自分のものではない言葉を自分ではない人物として発する「芝居」というものに、なにか特別な秘密があるような気がしてならない。 あまりに気になるので、劇団のワークシ

          わたし、詩が好きだ

          お久しぶりです。と言いますか、2年弱くらい経ってしまっているのですね。コロナ禍は時間の感覚も麻痺させてしまうのか。いやいや。 少しずつ、このnoteも投稿再開したいと思います。まずはリハビリテーションですね。 ***** 5月21日、文学フリマ東京に参加してきました。妻とふたりで出店して新刊2冊を販売。人気の短歌アンソロジー『胎動短歌Collective』や、文月悠光さんもゲスト参加された『詩誌 蜜』にも寄稿していました。 詩集を手にしてくださる方の反応をみて、ここは