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わたし、詩が好きだ

お久しぶりです。と言いますか、2年弱くらい経ってしまっているのですね。コロナ禍は時間の感覚も麻痺させてしまうのか。いやいや。

少しずつ、このnoteも投稿再開したいと思います。まずはリハビリテーションですね。

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5月21日、文学フリマ東京に参加してきました。妻とふたりで出店して新刊2冊を販売。人気の短歌アンソロジー『胎動短歌Collective』や、文月悠光さんもゲスト参加された『詩誌 蜜』にも寄稿していました。

詩集を手にしてくださる方の反応をみて、ここはちょっとプッシュしてもいいかななんて間合いを測りながらセールストークしたり。交代で他ブースを見に行って、装丁に一目惚れしてジャケ買いしたり。翌日にはSNSで感想を書いてくださる方もいて涙が出るほど嬉しかったり。

そういう時間を過ごしていると、ああ、やはり自分は詩が好きなのだなとあらためて感じます。なにを今更という感じではありますが。

正直なところ、しばらく詩が書けていませんでした。いまも書けているとは言えないな。そんな中でひねり出したのが今回の文学フリマに出した作品たちです。詩人を名乗るなんて烏滸がましいという感覚はずっとあります。

それでもなんとか踏ん張って自分は詩人だと名乗っていようと思うのは、詩と繋がっていようと思うのは、何度も詩に救われてきたからなのでしょう。いつか詩に恩返ししたいとも思う。

ここでいう「詩」というのは、好きな詩や知らない詩を読むことであり、自分で書くことであり、ポエトリーリーディングしたり聴いたりすることであり、詩を通じて人とつながることでもあります。

ただし、詩がそんなに簡単に自分を救ってくれるわけじゃないとも感じます。詩をたずさえて自分のなかに降りていって、重い扉をあけて、長い廊下をぐねぐね歩いていった先でようやく、ああこれでいいんだと思える、そんな感覚。そんなことがこれまで何度もあった。

この感覚が万人に伝わるとも言いにくいです。「詩」という言葉には高尚でとっつきにくいという印象もあります。「ポエム」に至っては幼稚で夢見がち、もしくは自己陶酔的で意味不明なものの代名詞に成り下がってしまった。

それでも。ブルーハーツの甲本ヒロトさんが「僕、パンクロックが好きだ」と歌ったように「わたし、詩が好きだ」と宣言したい。そして「実はあなただって好きじゃない?」と聞いてみたい。

そんな、ちょっと思春期に戻ったみたいな感覚でいる雨の日です。



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