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#私の超訳ランボー 募集します!

このnoteでもご紹介した『みつかった!って何がって、お前、永遠やんけ 超訳!関西弁で読むアルチュール・ランボー』(重兼徹/やしの実ブックス)。なんだか各方面でじわじわ話題のようで…ありがとうございます。

なかにはランボーの詩の一節を自分流に翻訳される方もいて。わかります、その気持ち。特に有名な『永遠』はパンチラインのインパクトもあって、ちょっとオリジナル翻訳してみよかって気になるんですよね。
ということで、こんな企画を。

「関西弁で読むアルチュール・ランボー」刊行記念 #私の超訳ランボー  募集!

  • タイトル通り、あなたのオリジナルな翻訳を考えて送ってください。

  • 課題作品はアルチュール・ランボー「永遠」。第一連だけ、一部分だけでもOKです。またそれ以外のアルチュール・ランボー作品も大歓迎。

  • ハッシュタグ #私の超訳ランボー をつけてX(Twitter)に投稿いただくか、  yashinomibooks@gmail.comまでメールでお送りください。メールの場合は投稿名をお知らせください。SNS上で随時発表いたします。

  • 締め切りは8月31日。

「関西弁ランボー」に倣って、方言バージョンがたくさん集まるといいなあ。流行り言葉の「永遠」もきっと面白いですよね。そういえば「令和語訳」の万葉集がベストセラーになっていましたっけ。個人的には思潮社から刊行されていた『ロック・オリジナル訳詞集』シリーズ(めちゃくちゃ名著!)が大好きなもので、Rockな訳も読んでみたい。

ぜひやってみたい!という方のために「永遠」の原詩と、中原中也訳バージョンを紹介しておきましょう。

L'Éternité

  Elle est retrouvée.
  Quoi? - L'Éternité.
  C'est la mer allée
  Avec le soleil.

  Ame sentinelle,
  Murmurons l'aveu
  De la nuit si nulle
  Et du jour en feu.

  Des humains suffrages,
  Des communs élans
  Là tu te dégages
  Et voles selon.

  Puisque de vous seules,
  Braises de satin,
  Le Devoir s'exhale
  Sans qu'on dise : enfin.

  Là pas d'espérance,
  Nul orietur.
  Science avec patience,
  Le supplice est sûr.

  Elle est retrouvée.
  Quoi ? - L'Éternité.
  C'est la mer allée
  Avec le soleil.

Arthur Rimbaud, Mai 1872

永遠

 また見付かつた。
 何がだ? 永遠。
 去(い)つてしまつた海のことさあ
 太陽もろとも去(い)つてしまつた。

 見張番の魂よ、
 白状しようぜ
 空無な夜に就き
 燃ゆる日に就き。

 人間共の配慮から、
 世間共通(ならし)の逆上(のぼせ)から、
 おまへはさつさと手を切つて
 飛んでゆくべし……

 もとより希望があるものか、
 願ひの条(すぢ)があるものか
 黙つて黙つて勘忍して……
 苦痛なんざあ覚悟の前。

 繻子(しゅす)の肌した深紅の燠(おき)よ、
 それそのおまへと燃えてゐれあ
 義務(つとめ)はすむといふものだ
 やれやれといふ暇もなく。

 また見付かつた。
 何がだ? 永遠。
 去つてしまつた海のことさあ
 太陽もろとも去つてしまつた。

作:アルチュール・ランボー/訳:中原中也

ランボーは日本でもさすがの人気なので、中也以外にも多くの方が翻訳しています。有名な文学者では金子光晴、堀口大学、小林秀雄などなど。読み比べるのも面白いし、ヒントになるかも。
そもそも「永遠」は発表当初のバージョンと、有名な詩集『地獄の季節』に収録されたバージョンとでけっこう変わっているんですよね。たとえば「いってしまった(allée)」が「溶けた、混ざりあった(mêlée)」に変更されていたり。まあ、どちらのバージョンを採用いただいてもOKということにしましょう。

最後に、ほんのちょいですが私自身のオリジナル翻訳を。

   みーっけ。
   なにって? 永遠だよ。
   太陽とバディ組んで
   いっちゃった海のこと。
         (超訳:村田活彦)

#私の超訳ランボー 、チャレンジお待ちしてます!


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