地図と聞いて何を思い浮かべますか?
この単語を聞いて真っ先に思い出したのが、日本史の授業で習った天才・鬼才、そう「日本地図の父」伊能忠敬。
何と49歳で今で言うFIRE(早期リタイア)。
しかし、わき出る学問への情熱を抑えきれず、50歳のとき江戸に出て、幕府天文方高橋至時に師事、暦学・天文を学びはじめます。今でいったら50で大学院入学して博士過程やるみたいな感じですかね。
それから行動が早い。
いきなり蝦夷地への測量旅行に飛び込み、1800年から1816年まで、日本初の実測による全国測量を実施して、ついに日本地図を完成。
50過ぎたオジサンが歩いて日本地図を作るって、普通じゃなかなか創造就かないことです。
さすがに地図に対してここまでの熱量がなくとも、地図は身の回りでよく見かけるものです。
たとえば、子どもが保育園小学校に通っていたら、なぜか手書きで自宅と学校までの経路図を描く書類があったり・・・。
そんなのgoogle mapを印刷したら終わりじゃん、と思う人も多いと思います。実際、印刷して経路を蛍光ペンでなぞって貼り付けてきた方もおりました。
でも、面白いのが、「自宅から学校までの経路」という枠組みがあったら地図って細かい情報いらないんですよね。つまり、手書きであってもgoogle mapであっても、相手に伝わる情報って同じだったりするんですよね。むしろ手書きの方が分かりやすかったり。
どっちが良いという訳ではなく、手書きだだと、道の長さがリアルと違っていたり、目印の家が巨大だったり、
あー、この子はこういうところに目を付けて歩いているんだ
こんな時間感覚なんだ
というふうに思考や動きをなぞることが出来るんですね。
地図は人の思考回路そのもの
地図はかなり昔から作成されておりました。
例えば、下の写真は粘土板に描かれたバビロニアの地図です。
下の丸いところが地図なんですけど、かなりザックリ感満載ですね。
でも、これで十分なんです。なんでって?これ実用的なものではないからです。
古代バビロニアの神話に基づく世界観を表現した地図なんです。
それから数千年!後、地図はこんなのに。
これはイギリスのへレフフォード大聖堂にある、業界ではヘレフォード図と呼ばれているものです。
これも当時のキリスト教的世界観満載ので、中心にエルサレムがあり、周辺に行くほど、異世界が広がっているという感じです。
ヘレフォード図も実用的な地図ではなく、巡礼やキリスト教信仰といった宗教的・政治的な思考上の旅のために作られました。
これが描かれたのが1300年ごろで、それから約300年後にやっとリアルな実用向きな地図が作られるようになったのです。
で、今の地図はどうなんだろうと考えたときに、google mapなどめちゃめちゃ細かいところまでわかる地図から電車の路線図までいろいろありますね。
電車の路線調べているのに、google mapで住宅レベルまで表示されている地図って見づらいですよね。それより、ざっくりと行き先と重要な駅を示してくれる方がわかりやすい。
地図って「人が何を考えているのか」「何を求めているのか」というフレームの中で世界を見える化したものなんですね。
ちなみに蛇足ですが、したのオレンジの路線、私の故郷、秋田県のもの。
単線で超わかりやすい。乗り換えの心配なし。
そして、これが東京の路線図。マジで分からない。
ですから、もし「どこかに行きたい」とか「人に行き先を伝える」という場合、限りなく情報をそぎ落として重要な駅や路線を伝えるのが重要だったりします。
だって、地図というのは「思考」を見える化したものであり、それが相手にそのまま伝わるとは限りませんからね。
では、相手に伝えるための地図って一体どのように描くんでしょうか?
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