マガジンのカバー画像

演劇無料塾

23
100時間無料で俳優指導する企画「演劇無料塾」での稽古レポートです。
運営しているクリエイター

記事一覧

第2回演劇無料塾 参加者感想

第2回演劇無料塾 参加者感想

先月終了した演劇無料塾2期のメンバー達から感想を頂きました。

俳優・山本美佳

演出家と俳優、指導者と受講生、師弟関係の間にはどうしてもパワーバランスが生まれてしまう。でも演劇無料塾では「私は村八分にされませんか?」という私の問いに「ええ、しないです」と答えてくれる、そんな空間でした
忍翔さんのWSでは一貫してNOが出されず小さなアイディアやヒントから伸ばして既に自分が持っている個性から創作を手

もっとみる
「通過点」無料塾レポート(〜100時間)

「通過点」無料塾レポート(〜100時間)

無料塾での100時間が終了した。

「ありのままで舞台に立つ」クラウンから始まり、「一人で演じる」モノローグ、ラバンやマスクで「キャラクターの身体」を経て、インプロでの「相手との交流」を体験し、最後は「相手と演じる」シーンワークへ。
これ以上でもこれ以下でもない、ちょうどいい時間。これだけの時間を費やしたから、うまくいったりいかなかったり、その人の魅力や壁が見つかったり、信頼を構築していくことが出

もっとみる
「自分の前提を変える」無料塾レポート(〜97時間)

「自分の前提を変える」無料塾レポート(〜97時間)

原点回帰のクラウン。
人と交流すること、愛し愛されることを改めて。

今日は総じて皆良かった。一人一人にブレイクスルーがあったし、成長を感じた。
特に2回目の稽古で初めてやったクラウンを、改めて同じ場所でやることが感慨深い。露骨に変化していて、オープンになっていて、ここまでやってきて本当に良かったなあという気持ちになった。

人はそれぞれ前提を抱えている。「自分は人に愛されない」とか「自分には才能

もっとみる

「俳優は勇気のいる仕事」無料塾レポート(〜93時間)

合宿を終えて久しぶりに集まった感。
残り3回の稽古では同じペアで同じ脚本を扱うことに。
今日はとりあえず1回やってみる回。

それぞれの課題やタイプに合わせた組み合わせと脚本で、それぞれに合ったアドバイスやワークを行う。
空間、想像力、言葉の力、ニード…、人によっていろんな要素が演技に活かせる。
演技にゴールはあるが、正解ルートはない。その時の自分に必要なもの、ヒットするものをやればいい。最終的に

もっとみる
「自分の意思を持って動く」無料塾レポート(〜90時間)

「自分の意思を持って動く」無料塾レポート(〜90時間)

11月20〜21日の土日で、秩父に合宿しに行きました。

やったのは、とにかく実践。脚本祭。ペアごとに3作品ずつを扱いました。

この合宿で扱った脚本は、
「驟雨」
「命を弄ぶ二人」
「かもめ」
「人形の家」
「エンジェルズインアメリカ」
「白い雪と赤い華」
「おかしな二人」
「春のめざめ」
「毛皮のマリー」

涎が出るほどの名作揃い。これらが出来るの幸せだなあと羨みながら(笑)

セットから自分

もっとみる
「自分を変えるか、変えないか」無料塾レポート(〜74時間)

「自分を変えるか、変えないか」無料塾レポート(〜74時間)

今週末土日に合宿があるので、今日はそれに向けた準備。
1人3作品扱う戯曲シーンワーク合宿なので、まずはそれのシェア。状況設定を説明したり、質問を聞いたり、台本を渡したり。
短時間でどれだけのものを持ち込めるか。オーディション演技みたいな。

そして前回に引き続き、感受するエクササイズ。そこに目的を加える。
相手からの影響によって動かされあいながら、相手にハグしてもらうために近付いていく。自分を守り

もっとみる
「何のためにクラウンをやるのか」無料塾レポート(〜28時間)

「何のためにクラウンをやるのか」無料塾レポート(〜28時間)

僕はこの無料塾をクラウンからスタートさせた。
なぜか?
まずはありのままの自分で舞台上に立って欲しかったからだ。

俳優は舞台に立つこと、いわゆる人前を恐れる。
恐れるから、自分を偽り、誤魔化し、虚勢を張る。
その状態で役を被り、演じてしまう。
嘘の上に嘘を被せてしまうわけだ。

それを避けるためには、まずありのままの自分で立てる、立っていいんだという体験をすべきだ。
だから僕はクラウンを選んだ。

もっとみる
「身体的かつ行動的に演じる」無料塾レポート(〜31時間)

「身体的かつ行動的に演じる」無料塾レポート(〜31時間)

だいぶ日が空いての無料塾。最近は週2ペースでやっていたので、1週間以上空くと久しぶりだなあって感じがする。
この日はK'sスタジオの中でも一番広い本館での稽古。脚本を使ったシーンワークをやるので、できるだけ広い場所が欲しかった。

題材はチェーホフの「かもめ」。ことあるごとにこの題材を扱っている気がするが、俳優の学習題材としてはとても優秀なので今後もお世話になり続けます。
日本でベスト3くらいに上

もっとみる
「お客さんをガイドする」無料塾レポート(〜44時間)

「お客さんをガイドする」無料塾レポート(〜44時間)

今日はコスチューム付きでクラウンのデュオに挑戦。
コスチュームを付けてキャラクターを被ることで、よりその人の魅力が溢れてくる。
だが同時に、2人でシチュエーションを演じる難しさがあった。

シーンをパートナーと共に演じながら、お客さんとも一緒にいる。
考えてみれば当たり前のことだが、いざやってみるとどこかが疎かになってしまう。
難しいことをやっているのはわかっているのだが、僕は舞台で演じる俳優にと

もっとみる
「内面を身体化する」無料塾レポート(〜51時間)

「内面を身体化する」無料塾レポート(〜51時間)

今日は「かもめ」のシーンワーク発表会。
午前中はキャラクターを探求するワークから。

ラバンエフォートから、キャラクターを作る作業。
人間の動きは
・重さ(軽い・重い)
・空間(直接・間接)
・時間(急変・持続)
の3つの要素で分析される。
これらを組み合わせてキャラクターを作っていく。

まずは身体全体で動いて、身体の各部位にボキャブラリーを増やしていく。
人間的な動きではなく、まずは全身を扱え

もっとみる
「大人は萎縮した子供」無料塾レポート(〜71時間)

「大人は萎縮した子供」無料塾レポート(〜71時間)

昨日に引き続き、今日もひたすら「受け取る」時間。

こんなツイートしていたが、別に衝動に従うことが不要だということではない。
今日はひたすら受け取ること、反応することをメインに扱った。

受け取り方にそれぞれの癖がある。ほとんどの場合は防衛本能。
相手に対して斜に構える、様子見する、興味はあるけど自分からはいかない、まず疑う、分析する…。
自分にかかっているフィルターを知る。気付ければ、それをどう

もっとみる
「自分でやり切る経験」無料塾レポート(〜68時間)

「自分でやり切る経験」無料塾レポート(〜68時間)

今日は『モノローグ集「穴」』の発表会。
著者の渋谷悠が稽古場に来てくれて、それぞれの作品にフィードバックしてくれた。(しぶしぶありがとうー!)

一人ブレイクスルーした子がいたが、ほとんどの人にとっては後悔が残る結果となったようだった。
一人で演じるっていうこと自体凄いことなので、それをやり切った皆を称えつつ、思うようにいかんもんやなあというやきもきした気持ちにもなった。

今回僕は演出に一切関わ

もっとみる
「俳優としての独り立ち」無料塾レポート(〜61時間)

「俳優としての独り立ち」無料塾レポート(〜61時間)

「かもめ」のシーンワークが終わり、今日から折り返し。
改めて参加者の皆に「ここから更に何をしたいか」を聞いてみた。
全員の答えが「今までやったことを繋げたい」だった。

もう無料塾は終わりに向かい始めていて、ここからは守破離の破と離に向かっていく感じだ。
最終的には皆それぞれの現場で活躍していくわけだから、自分で考えて動いていけるようにしていきたい。

今日の最初のエクササイズでは、その意図を伝え

もっとみる
「俳優の心の課題」無料塾レポート(〜58時間)

「俳優の心の課題」無料塾レポート(〜58時間)

昨日に引き続き「かもめ」のシーンワーク。
今日はステージングのワークから。相手との関わりをお客さんにどう見せるか?

特に相手との「距離」を探求。
Touch、Close、Safe、Spaceの4種類。役者は油断するとSafeな距離感に立とうとする。触れられもしないし、スペースもそんなに取れない、安全な距離。ドラマがない距離。意識的に動いて、ドラマティックな関係性、交流を作る。

身体でもドラマを

もっとみる