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「俳優としての独り立ち」無料塾レポート(〜61時間)

「かもめ」のシーンワークが終わり、今日から折り返し。
改めて参加者の皆に「ここから更に何をしたいか」を聞いてみた。
全員の答えが「今までやったことを繋げたい」だった。

もう無料塾は終わりに向かい始めていて、ここからは守破離の破と離に向かっていく感じだ。
最終的には皆それぞれの現場で活躍していくわけだから、自分で考えて動いていけるようにしていきたい。

今日の最初のエクササイズでは、その意図を伝えなかった。
逆に「演技にどう活かせると思う?」と聞いた。
それぞれの答えがあり、それぞれに「なるほどね」と思った。それぞれが演技をどう思っているのか、その回答でよくわかった。
どれが良い悪いじゃない。そうやって自分で考えて、自分なりに活かしていくことが必要なのだ。

ここからはひたすら実践。相手と関わり、プレイする。
即興なり、脚本なり、とにかく芝居をしていく実践経験を積んでいく。
結局は今までやった様々なエクササイズ、クラウン、マスクなどの経験を、自分の演技に繋げられなきゃ意味がない。
自分に何が出来て、何が出来ないのかは、もう実践を積んでいくしかないのだ。

今日は即興で相手とシチュエーションを演じてみた。
状況設定と、場合によって目的を伝え、2人でシーンを演じる。
ただただアドリブでやりとりするだけではなく、興味深くしていく必要がある。
そのためにどう反応し、どう関わり、どう動くのか。その瞬間瞬間で役者が選択していく。

やってみると、それぞれが自分の出来ること、出来ないこと、趣向やパターンに気付いていく。
感情、行動、空間、距離、エネルギーなど、バリエーションの付け方の幅を広げていく。役者として取れる選択肢を増やしていく。

今日最も嬉しかったのは、参加者の一人から
「その場その場の役者の選択によって、お客さんに見せたいものを変えられるんですね」という言葉が出てきたこと。

そうよ。役者は凄い役割を担っているのよ。現場責任者なのよ。
自分の反応、行動、変化によって、その日のお客さんの印象を変えられる力を持ってる。そして主体的に動かすことが出来る。
多くの役者さんが、そのことをわかっていない、いや、わからせてもらえていないような気がする。
現場での立場が低かったり、自分の意見が通らなかったりするし、いつまでも教わる側になってしまうし。
でも、本来役者はもっと主体的であり、行動的であり、作品を作る上で重要な責任を持っている立場である。そのことがもっと伝わるべきだと思う。

その場その場で柔軟に選択が出来て、自分のアイデアを積極的に提出出来る役者はとても創造的で、待ちになったり、言われないと動けない役者よりも遥かに仕事がしやすい。
そういう役者がもっと出てきて、現場を動かし、作品を作ることに積極的に関わることが出来たら、日本における役者の地位ももっと上がってくれるだろう。

より自由で、創造的で、物語を作れる役者を、もっともっと。


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