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感想メモ『津村記久子「水車小屋のネネ」』
津村記久子「水車小屋のネネ」を読んで、一番印象に残った箇所。
この小説に敢えて何かメッセージ性を求めるならば、間違いなくここが引用されるだろう。すごく良い台詞だと思うし、この小説全体を代表するかような台詞である。
ケアとか、もっと素朴に「助け合い」みたいなことを考える時に、それが誰かの人生を制約しているのではないか、ということに対して、僕はいつもすごく恐怖がある。
最近読んだ何かの本は、教育
"相談"のスポーツ的側面とデータ化の波
相談という行為にはスポーツ的側面がある。盤面を俯瞰し、リソース配分の戦略を立てつつ、その場その場をアドリブで対応していくことが必要だ。どれだけ事前に準備しても、終わった後は「うまくいった相談」と「うまくいかなかった相談」が生まれ、「あの場面でこうしていればよかった」という反省が出てくる。
相談という行為は面白い。もう少し広く、人と人の出会いは面白い、と主張してもいいのだけど、ここはあえて相談とい
心理シは市場の倫理と融和せよ
心理業界の友達と飲み屋で話していた話。
主張しばしば臨床家は、いわゆる「ビジネス的な態度」を臨床的な倫理観に欠けた姿勢とみなしている
同様に、市場取引の多くの場面において、普通のビジネスマンや利用者から見ると、心理シという民族は「基本的なビジネス的倫理観に欠けた相手であり、取引が非常にしづらい相手」になりやすい
「市場の倫理」と「臨床の倫理」は異なる2つの倫理体系である
しばしば臨床家は、
「AIで嫁を作ること」についての思索メモ
今年1月からAIについて本格的に勉強している。2022年、2023年は、オープンソースの画像生成AIや大規模言語モデルが登場し、個人開発者でもこれらのシステムを様々にカスタマイズして、自分の目的に生かすことができる。
SNS上で、これらの技術を手元で動かして遊んでいる個人開発者の情報を見ていると、やはり一番多い用途は「かわいい女性を作る/動かす」というものだ。いわゆる「嫁を作る」というやつだろう
Web受託開発会社の新規顧客開発手段アイデア集
背景ここ1,2年ほど、筆者は業務委託として、群馬にある小さな受託開発のWeb制作会社の株式会社CRANEの技術選定や経営戦略等を手伝っていた
株式会社CRANEで、新規顧客開拓のプロジェクトを始めることになったが、CRANEは今まで紹介や伝手のみで案件を請けてきた会社であり、新規顧客開拓のノウハウがほぼ無かった
そのため、プロジェクトの開始にあたり、営業経験のある知り合い数名に依頼し、過去に使
ITプロジェクトの発注関係に潜む裏切りと罠
※ 2022年12月22日に闇のIT営業勉強会の第二回を行った。本記事はそのレポートである。
↓ 「闇のIT営業勉強会」自体の紹介はこちら
今回は、LT(Lightning Talk)形式で、3名の参加者から発表いただいた。3名のうち2名はIT系の受託開発会社の社長であり、残りの1名は受託開発会社に勤めていたITエンジニアである。
今回の発表の主な内容は、IT系受託開発会社としてプロジェクト
補助金のウラガワに迫れ! -闇のIT営業勉強会 第一回レポート-
11/26(土)19:00-21:00、闇のIT営業勉強会の第一回を行った。
今回の話題提供者はジョン・スミス氏(仮名)。元広告代理店勤務。自治体・省庁に対して補助金事業などの企画提案営業を行なっていた他、補助金の受付や交付などの実務を行う補助金事務局の中の人をやっていた経歴を持つ。学生時代からNPO法人を立ち上げるなど、ソーシャル領域における10年以上の活動歴がある。
あまりにも「結局は『人
ITエンジニアになりたい君が、なぜ今こそ低賃金インターン/バイトをやるべきなのか
要約現在のITエンジニア業界は、「誰が新人エンジニアの育成コストを払うのか」のババ抜きをやっている
新人を雇ってもすぐに辞められてしまう環境では、企業は自分で新人エンジニアを育成せず、「すでに給与に見合う仕事ができる人」しか採用しないのが合理的
大学が育成コストを担うことが期待されているが、まだまだ追いついていない
それでもあなたが「自分に育成コストをかけてくれる相手」を探したいと思うならば
君も 「闇のIT営業勉強会」の一員にならないか?
「闇のIT営業勉強会」宣言この国には、膨大な数の"成果の出なかったIT化プロジェクト"がある。それも、詳しい人間から見れば、企画の時点で、意義のある成果は出ないだろうことが明らかなプロジェクトが、山ほどある。
なぜ、これほどの「無駄なIT化プロジェクト」が生み出されるのだろうか。
もっと言えば、「明らかに無駄なIT化プロジェクト」のために、膨大なお金を動かすことに成功したIT営業たちがいるとい
なぜITエンジニアの文章は、一般の人には「わかりづらい」のか
筆者はWebエンジニアとして働きながら、ちまちま文章を書いている。
Webエンジニアの中では、文章を書くのは得意な方だと思う。最近は学術雑誌から原稿の依頼をいただいたりもしたので、一応ギリギリ"お金をもらって文章を書く人"の仲間入りもした ※1。
しかし、"一般の人"向けにわかりやすい文章を書くのはとても苦手だ。
例えば、Webサイトに初めて訪れる人向けの説明文や、新サービスの告知文などは全く
「良識的な判断」についての思索メモ
個人的に最近興味のあるテーマについてのメモ。
最近、頭が良いはずの人々が、集団になった瞬間に、現実と全く噛み合っていない行動を繰り返す、という行動パターンの話を集めるのを趣味にしている。白饅頭さん的に言えば「壮大なドッキリ」というやつだ。
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このテーマへの関心に明確に気付いたのは、たまたま参加したイベントで、経産省の人や健康保険組合の人が健康経営について対談しているのを聞いたのがきっかけだ
アバターを着ることの意味が希薄になる世界へ バーチャルAV女優 Karinさんの事例②
筆者は、大学で質的分析を学んだ後、対人支援者に対するインタビュー調査を行い、その活動の背景にある考え方や理論を明らかにする分析を趣味で公開している者である。
この記事は、バーチャルAV女優であり、バーチャル風俗店X-Oasisのキャスト兼経営者でもあるKarinさんのインタビュー分析の2本目である。
前回のまとめ今回の記事では、Karinさんが抱えている問題意識に対し、どうしてバーチャル風俗X
この世界にバーチャル風俗店が必要なワケ バーチャルAV女優 Karinさん インタビュー分析①
筆者は、大学で質的分析を学んだ後、対人支援者に対するインタビュー調査を行い、その活動の背景にある考え方や理論を明らかにする分析を趣味で公開している者である。
今回は、バーチャルAV女優であり、バーチャル風俗店X-Oasisのキャスト兼経営者でもあるKarinさんのインタビュー分析である。
そもそも「バーチャルAV女優」って何?……という疑問を持つ方は少なくないだろう。Karinさんが出版してい
初めて部下になる新人ITエンジニアのためのマネジメントのされ方
この記事は何?学生バイトやインターン生、1年目の社会人など、初めて上司にマネジメントされる立場になったITエンジニア向けに、マネジメントされる上での心得をまとめました。
ITエンジニアらしく、組織における「知識の所在」「責任」「不確実性」をキーワードに、「誰が何を知っているのか」「誰が何に責任を負うべきか」という観点で、マネージャーと部下の役割の違いを整理しています。
前回の記事↓
なぜ「マ
初めてマネージャーになるエンジニアのための手引き
この記事は何?数名程度の小規模なエンジニアチームにおいて、初めて「部下をマネジメントする」立場になった人向けに、マネージャーとはどういう役割なのか、気をつけるべきことは何か等を伝える記事です。
主にピープルマネジメント(人のマネジメント)の部分に焦点を置いています。
ピープルマネジメント以外の領域が何があるのか知りたい場合は、以下参考記事などを見てください
想定読者は、部下を数名持っているく