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バカのドミノ倒しかよ①

「皆さんの世代と違って我々が学生の時にはインターネットもスマホもありませんでした。それに比べると現在は非常に便利な時代です。スマホ片手でパッと色んなことを調べることが出来ます。が、注意してくださいね。ネットに書かれていることは半分は本当ですが半分は嘘だと思ってください」

私はよく学生さんを前に講演をする際にはこんな話をします。

と、いうのもですね、あまりにもネットの情報を鵜呑みにしてしまっている人が多すぎるからです。

正直ネットの情報なんてほとんどが噂話レベルの印象(風評)だらけなので情報と呼ぶにはあまりにも程度が低いことが多いです。

「けど、あの映画って評判悪いんですよね?観てませんけど」

あまりにもこういうスタンスの学生さんが多いんです。

特に現在は大SNS時代です。

個人が情報を発信してそれらを集めて評価したり目安や指標となったり。

それ自体が判断材料になること自体は悪い事とは思いません。

が、それでもやっぱり人は印象に左右される生き物です。

「○○らしいですね」

そんな言葉が独り歩きをしてしまいます。(悪口であれば尚更です)

だからこそ、全ての情報や噂に対しては一度でいいから「なるほど、けど本当にそうか?」という考えを持って欲しいんです。

でないと完全に風評に踊らされた情報弱者となってしまい搾取される側の人間で生涯利用される側の人生を送ってしまうことになるからです。

おおげさに聞こえますか?私はそうは思いません。

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私が子どもの頃は先生や医者や親、というか全ての大人が言っていることは全部正しいと思って、いや、思わされて育ってきました。

けど大人になるにつれ気づきましたよね。

そんなわけないって。

「大人だって間違えることはある」

多くの人がそういう気づきを自分で判断しながら理解してきたはずですよ。

そしてやがて「人の(たとえ大人でも)話をなんでも鵜呑みにしちゃいけないな、ちゃんと自分の目で見て体験してから判断しよう」と思ったはずなんです。

我々のような世代はそこからスタートしています。

それからインターネットやスマホが登場してビジネスでもプライベートでもそれらを利用して活用して便利に過ごしているワケですが。

元が不便な時代からスタートしているのでかなりなんでも疑ってかかる用心深い大人になりました。

テレビで報道されている内容にも偏重があるということを知りました。

新聞やラジオでも全てが正しい情報とは限らないんです。

だって人は完璧じゃないし間違えることは誰にだってあるから。

子どもの時は「大勢の大人が話し合って決定事項として全て正しいと判断したから報道してるんですよね?それが間違っているわけないでしょ。じゃないとその人たちの仕事の責任ってなんなんですか?」と誰もが通るであろう、世の中に対する不満や憤りを感じたこともあると思います。

それでも間違えるんですよ、大人でも。人間だから。

もっと言うとウソを嘘で塗り固めて必死に隠そうと一生懸命悪い方向に頑張っている悪人だって世の中にはいるんです。

それを数で操作されてしまうと情報弱者はみんな鵜呑みにして結果的に支配されてしまうんです。

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「けどツイッターだって企業が作ったSNSでそれでビジネスをされているんですよね?もし利用者が明らかな嘘情報を垂れ流していたらそれは規制されたり罰則が与えられたりするはずですよね。それでも削除されずに公開されているってことは問題が無いって判断されたってことなんじゃないですか」

先日とある学生さんからこんな意見が出てきました。

「真っ白かよ」

私は純粋にそう受け止めるのと同時に、こんなにもピュアで無垢な生き物が正しく真っすぐに出来れば傷つくことなく騙されずに生きていける世の中であって欲しい、と祈るような気持ちに1秒ほどなりましたが。

そんなわきゃないので「うん、キミやばいよ」とストレートに教えてあげました。

「考え方を改めないと本当に殺されるよ?」

大げさだと思いますか?私はそうは思いません。

情報を正しく判断できる知識と行動を最低限でいいので持ち合わせて生きていかないと、本当に悪い大人に騙され続けて利用されてしまいますよ。

せめて出来ることは大きく傷ついてしまう前に本当のことを教えてあげるべきだと私は思っています。

「気づくのが今で良かったね」と。

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ちなみに本記事のタイトル『バカのドミノ倒しかよ』というセリフは私が大好きな漫画『BASTARD‼-暗黒の破壊神-』の作中でダーク・シュナイダーが吐いた言葉です。

闇落ちしたウリエルに対して変貌する前に殺そうとしたミカエルの姿を見たダーク・シュナイダーが思わず口にした言葉だったのですが、私はこのシーンが大好きなんですね。

そして同時に現実で図らずしもそう感じてしまう機会があまりにも多くて、先日も残念ながら幼気な学生さんを見てそう思ってしまったので本記事のタイトルとして引用させていただきました。

さてここからは最近起きた出来事というか、割といつも思っていることと本記事のタイトルとある意味では通じていますが信念を持って真逆のことを少し綴ってみようかと思います。

ゲーム開発を行っている開発者の多くが常に向き合っている問題『スケジュールと予算』についての私なりの、というかサイバーコネクトツーがこれまでもこれからも何を考えてどうしてきているのか?ってことを赤裸々に語っておこうと思います。

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バカのドミノ倒しかよ

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