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第374号『続・銀河が泣いた虹が砕けた』

もう先に謝罪しておきますね。私が完全に間違っておりました。本当に申し訳ございませんでした。関係者の方々含めて(何より)車田正美先生に心より謝罪を申し上げます。

えっと、ですね、順を追って説明もしないといけないとは思うのですが、まずは上にある『第343号 銀河が泣いた虹が砕けた』という記事に目を通していただけるとありがたいのですが。

まぁ……とはいえ、メンドくさいと思いますので要約しますね。

編集不要論なんかが取りだたされている現在の風潮に対して

「そんなこと無いよ、編集ってスゴイんだよ?だってかつて『リングにかけろ』っていう漫画のクライマックスでアオリに“銀河が泣いた虹が砕けた”って書いてあって、それは編集者の仕事ってことなんだから。作品を最大化させるアオリを決めて掲載するのも編集の凄い仕事なんだよ!だからスゴイんだよ、編集者って!漫画家さんは1人で漫画を描いてるように見えるけど沢山の人に支えられて作品が存在してるんだよ!」

ということを、この『第343号 銀河が泣いた虹が砕けた』で記事にしたのでした。

公開後にこの『第343号 銀河が泣いた虹が砕けた』はやはり反響があって、それなりに業界関係者から「よくぞ言った」とお褒めの言葉をいただいたりもしたのですが。

それから数か月経ったある日の出来事でした。

*****

実は(その後に)当時の『リングにかけろ』の編集担当者(当然ながら私よりも全然年上の方)と飲む機会がありました。

そこで早速、当時の『リングにかけろ』のクライマックスに入っていた“銀河が泣いた虹が砕けた”というアオリについて触れたところ衝撃の事実が判明したのでした。

「あー、アレね、懐かしいね、いやーけどアレはね、僕じゃないんだよ、あの頃の車田正美先生はね、アオリまで全部ご自身で手掛けられてたの。“オマエラ(編集者)にはこんなカッコいいアオリは作れねぇだろ?だから俺が作るよ”って言われてね。まぁ事実その通りだしね、やっぱり車田正美先生は天才だよね、凄いよね、ホント」

もうね、私の顔はたぶん真っ青だったと思います。

そして同時に衝撃を受けました。

えええっ!?アオリまで車田正美先生が書いてた!?本当に天才やん!!

ええ、はい、ということで全面的にアノ記事は私が間違っておりました。

本当に失礼しました。

やっぱり車田正美先生は天才でした……。

それにしても週刊連載で漫画を執筆されながらその原稿のアオリ文までご自身で手掛けられていたなんて、本当に凄いですよ。

ちなみに、ですね。『リングにかけろ』の後に連載された『風魔の小次郎』のアオリ文なども全部、車田正美先生ご本人によるものだったようです。

「キミはまだ本当の車田漫画を知らない」

「BIGからGREATへ! 車田正美」

「華麗なる色彩でキミを圧倒する 車田正美」

「No.1人気 ド迫力熱闘ロマン!」

「E.T.よりも大人気!」

「もうなにもこわくない 車田正美と神輪会」

いや、もうね、色んなものを通り越してこれらをご自身で書けるということが凄くないですか?

こうやってアオリを見るだけでいかに当時の車田正美先生がノリに乗って原稿を執筆され連載を続けられていたのかってことがわかりますね。

好きだなぁ、こういうノリ。そして自分自身の才能と感覚を全く信じて疑っていない姿勢が好きです。

作品を生み出すことってある種の信じ込みというか自信が無いと絶対に続けることは出来ないと思うんです。

車田正美先生のこういう姿勢が私は大好きですし、今までもこれからもずっとその想いは変わらないと思いますね。

*****

さて、ここまでは完全に謝罪記事となってしまいましたがここから後半部分はもう少しだけ車田正美先生の作品について語っていきたいと思います。

もうおわかりだと思いますが、私は車田正美先生の作品が大好きです。

なんなら幼少期に初めて少年ジャンプを手に取り読み続けること45年以上ですが、そのきっかけとなった作品こそが『リングにかけろ』だったのでした。(当時6歳)

なので今現在の私自身の少年漫画における原点というか文法は車田正美先生から多大なる影響を受けているとハッキリ申し上げることが出来ます。

連載当時の少年ジャンプの話から単行本における修正点などについても少しだけ触れつつその作品性の魅力についてお話していきますね。

漫画界最高のスーパースター

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