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特別編『ゲーム業界志望者の不合格理由2021年版②』

前回の記事『ゲーム業界志望者の不合格理由2021年版①』の反響が非常に大きくて多くの方に読んでいただけたので今回も続編記事を作成・公開しようと思います。

やはり「どうしたら合格できるか?」という情報よりも「どうすれば不合格にならずに済むか」という記事の方が皆さん興味があるようです。

これも時代背景的なものが傾向として出てしまっているのかもしれませんね。成功すること以上に「失敗したくない」という気持ちの方がストレートに出てしまっていて、その方が刺さりやすいのかもしれません。

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まず2021年度のサイバーコネクトツーの採用傾向をお知らせしておくと、例年よりも少しハードルが上がってしまっています。いきなり出鼻を挫くような言い方をしてしまって大変恐縮なのですが、現実なのでお知らせしておきます。

と、いうのも例年に比べて応募総数が爆増しています。これはこのコロナ禍でゲームメーカー各社が採用を自粛してしまっていることが結果的に影響しているのだと思います。

特に大手メーカーなどは現在も全社的なリモートワークが継続しています。

これによってなぜ採用自粛に繋がってしまうのかというと、せっかく新人(新入社員)を入れてもそれを直接的に教育・指導する先輩社員が誰も会社にいないのです。(リモートだから)

そうなると結局は新人研修などもリモートでやるしかなくなるのですが、当然ながら数十人を一度に研修して(リモートで)面倒を見るのは効率が落ちますので各社例年以上に採用数を絞っている傾向にあるということですね。

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一方でサイバーコネクトツーは時差出勤とはいえ、リモートワークではなく出社をすることで完全にスタジオワークで仕事をしていますのでこれまでと変わらず先輩社員が直接的に新人を教育・指導する体制が続いています。

要するに何にも変わっていないということです。

自粛している各ゲームメーカーと比較しても変わらず同じ体制で仕事(&採用&教育)をしている会社に応募が集中するのは当然の傾向かと思います。だから弊社に応募が殺到しているのだと思います。

応募者の絶対数が増えると、どうしてもひとつひとつの応募者の作品クオリティはバラバラで中には物凄くレベルが低いものも出てきてしまいます。(当然その逆の高クオリティのものもあります)

応募の絶対数が多ければ多いほど、採用のハードルはどうしても上昇する傾向にあります。(下げるとみんなが合格ということになってしまうため)

なので2021年度の採用基準は例年よりも上がってしまっているということなのです。

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さて、そんな2021年の採用状況ですが現状をお知らせしておくと。『採用目標数27』に対して内定数は『16』となっています。(2021年9月現在)目標達成率でいうとおよそ60%といったところです。

ギリギリの2022年3月まで採用は続けますので残りの40%(あと11人)の採用は今後も継続していくことになります。

(ちなみに『採用目標数』というのはあくまで目安であって、定員に達したら採用をしないということではありません。能力がある優秀な人材であれば何人でも採用しますよ。本当にあくまで目安であり目標だと思っていただければと)

内訳を言うと、ゲームデザイナーの採用は割と順調に推移しています。苦戦しているのはプログラマーとアーティストです。中でもエフェクトやテクニカルアーティストの採用は難航しています。全然足りません。

なので、これからは特にそういった職種を中心に採用を強化していこうと考えているところです。

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あまりこういう言い方はしたくありませんが、たぶん事実なのでお知らせしておきますね。

弊社の採用担当の所感ですが、明らかに応募者の能力が低くなっています。もっとハッキリ言っておくと『コロナ禍における学校側のオンライン授業による弊害が現在の学力低下を引き起こしてしまっている』ということです。

授業の内容自体はオンラインであっても、これまでと変わらないカリキュラムを実施されているようですが、やはり学生さんひとりひとりの意識というか授業以外で本来身につくはずの知識や考え方・姿勢などを先生から直接生徒に伝える機会が激減してしまっていて、本当にオンラインでやっているのは授業だけという部分がモロに弊害となってしまっているわけです。

学校で学んでいたのは授業の中身だけでは無かったということです。

休み時間に見かける同級生や先輩の姿や、先生との雑談や、日常的な会話の中にも多くの成長のためのヒントが本来はあったわけですが、それが根こそぎ無くなってしまっているわけですからかなり厳しい状態であると言わざるを得ません。

『学力低下+採用ハードル上昇』という二重苦が現在の内定率の低さにそのまま反映されている状態です。

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こういった現状を嘆いていても仕方がありません。現実は現実として受け止めつつ、次の対策を練らないことには攻略はできませんので。気持ちを切り替えて前に進むための思考をしましょう。

さて、ここからは具体的な『攻略法』の話と『そのために出来ること・やるべきこと』をご紹介していきます。

そもそも多くの不合格者が「不合格となってしまうのは何故なのか?」という部分からひも解いていきたいと思います。

理由がわかれば原因が判明して、それがわかれば分析することで具体的な対策=攻略法が見えてくるはずです。それでは順に説明していきましょう。

ゲーム業界志望者の不合格理由2021年版②

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まず、多くの不合格者の傾向として一番多いのは『何もしていないから』というのが挙げられます。「いやいや、少なくとも勉強して技術はある程度身に着けているわけですから『何もしていない』は言いすぎでしょう!」とおっしゃりたくなる気持ちはよくわかりますが、現実としてそうなのでまずは事実をそのままお伝えします。

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