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嘘のエッセイ

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架空の体験を書くエッセイ集。
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#酒

溢れる心地を飲み干して

溢れる心地を飲み干して

天気が酔っぱらっていた。コンビニで唐揚げ棒を買って出たときのことだった。いつのまに雨になってたのかと思ったら、やけに酒臭い。水溜まりには泡がたっている。一度店内の戻り、ビニール傘を買った。

勢いのいい雨音が頭上で響く。傘をさして歩いていると、飛び出し注意の子供の看板がひとりでに動き出していた。おいおい、本当に飛び出しちゃだめだろと、見当違いのツッコミが頭のなかに浮かぶ。看板は飛んだり跳ねたりしな

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はぐれた星を抱き締めて

はぐれた星を抱き締めて

流星群がくるらしい。仕事の休憩中に、Twitterで噂を目にした。今晩だったら一緒に見に行けるなと思って、すぐにこっぺ(嫁さん)にラインを送る。

「流星群、今夜だって。いつものとこで見ようか?」  
「わぁ、いいね。じゃぁ、サンドイッチでも買ってそこで食べる?」 
「いいね。僕はつまみも買ってくよ。」

楽しみができた。今は曇ってるけど、天気予報だと夕方からずっと晴れだ。綺麗に見えるといいなとお

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魚と肴

魚と肴

スーパーで魚を選んでいると、一匹だけ生きている奴がいることに気づいた。敷き詰められた氷の上で、目だけをキョロキョロと動かしている。誰も気づいていないのかなと不思議に思っていると、その魚と目があった。

「あんちゃん、わしを買ってくれよ。」

ビックリした。魚は口をパクパクさせて話しかけてきた。そんなことしたら生きてるってバレちゃうぞと心配になる。とりあえずそいつをビニール袋に入れ、買い物を続けた。

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嘘のエッセイ① 「てきとーお化け」

嘘のエッセイ① 「てきとーお化け」

上司に殺される夢をみた。瞼だけが勢いよく開いて、わずかに震える。

ゆっくりと鼻から息をつき、スマホを見た。まだ5時をまわっていないくらい。もそもそと布団から出て、トイレをする。普段なら笑っちゃうくらいの量と勢い。なのに、表情は動かない。

ふらふらと窓の方へゆく。鳥の鳴き声と、一台の車が走っていく音。静かだ。
ただまぁ、肝臓の悲鳴がうるさいから、穏やかではない。

顔を洗おうか少し悩む。このまま

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