【持ち主が主人公になる作品づくり】 DaQuise インタビュー
DaQuise 個展「レモンエロウの爆弾」を、2025年2月12日(水) – 2月24日(月・祝) の期間にピカレスクギャラリーで開催いたします。
今回は、DaQuiseさんにご自身のことや制作エピソード、今回展示される作品についてインタビューしました。ぜひお楽しみください。
自己紹介をお願いします
今までに触れてきた様々なモノやコトに空想を交えて、真鍮をメインに銀や銅など金属を使ってオブジェやオブジェの一部が身に着けられる作品を制作しています。また装身具やコラージュ画と金属を融合させた作品なども作っています。作品を手に取った方がちょっと驚き空想して頂けるような動いたり何かが隠れていたりとちょっとした仕掛けのある作品も多く制作しています。
現在の作品の世界観が生まれたきっかけを教えてください。
元々テーマを決めずオブジェと装身具をバラバラに制作していたのですが、ミヒャエル・エンデ著の児童文学「モモ」をテーマに作品作りをした際に何かを受けて更に想像しながら制作するのが楽しかったことと、オブジェと装身具が一緒になったり仕掛けがあったりした作品作りで表現の幅が広がったことが大きいです。装身具を着用しているご自身はご存知のちょっとした仕掛けや、お家に帰ったら装身具をオブジェに戻して眺めて空想したりと作品をお持ちになる方が楽しめて主人公になるような作品づくりを心掛けています。言葉遊びも好きなので作品タイトルも込みで作品だと思っています。
現在使用している素材で作品を作る理由を教えてください。
昔から古いモノが好きで傷や欠けを愛おしく思える経年変化を楽しめる素材として金属をメインに使っています。銀も好きなのですが真鍮の鈍く変化していくところが気に入っています。作品制作後に出る金属端材の中にも偶然の産物的に魅力的なモノも多くそこにも日々アンテナを張っています。端材をオブジェに使用したり、また作品制作のヒントになることもあります。
普段、何からインスピレーションを受けていますか?
本や映画や展覧会では全体像もですが1文や1シーンなどディテールからアイデアが浮かんだりします。歩いていて見かける壁や建物や道路に書かれた記号や朽ちた物や道に落ちている物や様々な物や事がヒントになることも多い気がします。トマソンや興味深い形や質感を見つけたり日々の他愛もないところを面白がることが重要だと思っています。
影響を受けたアーティストや、作品はありますか?
子供の頃は映画「ベッドかざりとほうき」「チキチキバンバン」など内容も面白かったのですが、映像に出てくる装置や建物にも興味を持っていたり、米倉斉加年の絵に衝撃を受けた記憶があります。学生時代はヨーロッパの映画や本の世界観に触れ吸収しまくっていたように思います。理解はできていなかったと思いますが、シュルレアリスムの中でマックス・エルンストのコラージュ、ルネ・マグリットの「イメージの裏切り」夜と昼が同居した「光の帝国」、レーモン・クノーの「文体練習」、ルイス・ブニュエルの「アンダルシアの犬」などには刺激を受けたと思います。アレクサンダー・カルダーのモビールだけでなく作品の余白にも影響を受けていたりします。
これからどんな作品をつくりたいですか?
実在する書籍の物語をテーマにした作品、オブジェやオブジェの一部が装身具になる作品や仕掛けがある作品を継続しつつ、特定の映画をテーマにした作品や逆に全くテーマを決めず自由な作品などもう少し大きな作品やもっともっと想像が膨らむような抽象的な作品も作りたいなと思います。また古物を作品にもっと取り込みたいのですが、元々壊れている物以外切ったり穴を開ける勇気がないのでその一歩を踏み出せればと思っています。
ご出展いただく作品のコンセプトを教えていただけますか?
レモンエロウの爆弾
レモンと爆弾という言葉からすぐに浮かんできた手榴弾。この作品は、レモンをイメージした手榴弾が城のように積まれた画本と城の塔の上に在るオブジェです。手榴弾のピンを抜いてレバーを上げると手榴弾が開いて中にはレモンクォーツが入っています。レモンと同じような形の手榴弾の中にレモンの形のレモンクォーツを入れたかったことから生まれた作品です。手榴弾に付属のチェーンを付けるとネックレスとしても着用できます。
洋書店での妄想
レモンを置く洋書店を丸みのある形で作りたくて少しアールデコ調の本棚のオブジェになりました。そしてやりたかった仕掛けとして、右から2冊目の本を手前に倒すと本棚が開く作りになっています。中には手榴弾の耳飾り。レモンも手榴弾も同じ紡錘形なので、洋書店の本に爆弾に見立てたレモンを置いたイメージです。手榴弾の銀のレバーは動き、付属のチェーンを付けると本棚もネックレスになります。
果物屋の店先
レモンに出会う果物屋を抽象的な形にしました。車輪で動く物が好きなのでこの作品は移動式の果物屋のオブジェに。開店前の果物屋は看板の隙間から少し果物が見えたりします。看板を持ち上げると開店して中にある立体図形で表現した果物が現れます。そこで見つけた一際輝いて見えたレモンを手に取るところをイメージしています。銀のブレスレット用とネックレス用のチェーン2本が付属し果物達を身に着けられます。
お客様、ご来場予定の皆様に向けてメッセージをお願いいたします!
レモン、爆弾、洋書店などの言葉とそこに在る色や形や背景や空気感を頭の中で想像しイメージを膨らませて制作した新しいシリーズの初お披露目となります。その他様々なテーマの作品達や自由に制作したオブジェ、仕掛けがあったり身につけることが出来るオブジェ作品など、ぜひ手に取ってちょっと驚き私の空想に更に空想を足してご覧頂ければと思います。
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DaQuiseさん、たくさんの貴重なお話をありがとうございました。
皆さまはどのエピソードが心に残りましたか?
ピカレスクスタッフは「お家に帰ったら装身具をオブジェに戻して眺めて空想したりと作品をお持ちになる方が楽しめて主人公になるような作品づくりを心掛けています」
「トマソンや興味深い形や質感を見つけたり日々の他愛もないところを面白がることが重要だと思っています」という、それぞれのエピソードが心に残りました。
これらのお話を通じて、DaQuiseさんが日常の風景や物質を様々なものに見立てて楽しもうとする姿勢の力強さを目覚ましく感じました。
そのパワーがDaQuiseさんの作品制作の原動力となり、鑑賞者の私達もまた、作品を通じてDaQuiseさんの見立ての力を引き継ぐー自分自身を「主人公」に見立てられるようになるーという特別な循環。
没入型の巨大な作品を通じて日常の自分と今の自分を切り離し未知の状態に昇華する作品は大掛かりで華やかですが、DaQuiseさんの作品は子猫が一瞬で飲み込んでしまえるほど、小さく静かです。
そんなサイズ感の作品が鑑賞者の身体とあわさることで、今ここと異なる自分を明確にイメージするきっかけとして機能するということ。本インタビューを通じてDaQuiseさんの作品が持つ力のバックグラウンドを知り、本展への期待感が一層 募りました。
DaQuiseさんの展示作品実物を一堂に鑑賞できる貴重な機会です。皆さまのお越しを、お待ちしております。
DaQuise 個展「レモンエロウの爆弾」
〈会期〉2025年2月12日(水) – 2月24日(月・祝)
〈詳細〉https://picaresquejpn.com/daquise_exhibition_2024/
〈DaQuise 公式SNS〉
X(旧Twitter) https://twitter.com/DaQuise_
Instagram https://www.instagram.com/daquise_
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【基本営業日時】
*営業 水 - 日・祝 11:00 - 18:00
*定休 毎週月火
*会場 Picaresque Gallery
*住所 東京都渋谷区代々木4-54-7
*電話 070-5273-9561
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■開催中&過去に開催した展示一覧
https://picaresquejpn.com/category/information/
■開催&開催予定の展示一覧
https://picaresquejpn.com/exhibition-calendar/
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