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”昇進できない”と言われた女性が転職をするとき

こんにちは、ペルソナの金子です。

女性の転職支援が多いことから、前回『40代女性、どう働くか、どう生きるか』と題して、転職事例をご紹介しました。

出産・育児をきっかけに正社員として働いていた会社を辞め、しばらくは子育てに専念。夫の転勤に合わせて地方に転居し、子どもが大きくなりパートとして働いていたものの、やっていることと給与が見合わないことから転職を決意。企業の管理部門立ち上げポジションで正社員として入社したという事例です。

夫が子育て・家事をメインで行い、妻が正社員でバリバリ働くケースもありますが、まだまだ少数派です。多くの場合、妻が退職したり、働き方を変えて家庭に重き、キャリアブレイクを過ごしています。

とはいえ数年前と比べて、最近はイーブンな関係の夫婦も増えてきたように感じます。家事・育児を”手伝う”は禁句。お互いが役割を担うのが当たり前という考え方が少しずつ浸透しています。

これ以上の昇進は難しいと言われる


転職相談では、どうして転職をするのかをお聞きしています。
女性ならではの理由として耳にするのが

『これ以上、昇進は難しいと言われた』

いまどきそんな会社あるの?と思われるかもしれません。

特に地方企業に在籍している方から「会社の社風として、女性の管理職はこれまでいなかった」と言われ、それでも頑張って成果を出し、前例を打ち破り管理職になっても「これ以上の昇進は難しい」と上司に言われたという話をお聞きします。

そうなると、このまま粛々と目の前の仕事をこなすことになります。

昇進= 昇給 と連動することがほとんどです。

伸びしろは無い、けれども頑張って、と言われたとき『このままここにいても仕方がない』と思うようになります。

新卒から十何年働き、責任のある仕事や役割を任せられ、今はやりがいを感じていても、あと云十年働くことを考えたら、ここにいていいのだろうか、と自問自答し始めます。

今回は、会社での天井が見えてしまった女性の事例をご紹介します。

社内での学びが少ないことへのもどかしさ

■プロフィール
30代半ば女性。大学卒業後、地方のメーカーにて営業を経験後、管理部門に異動。人事・総務・情シスの業務全般を担当。情シス担当の退職をきっかけに、ヘルプデスクのほか、システム企画~導入~保守までの主担当に。若手社員を育成しながら業務を遂行中。

転職することを決めた背景・理由

新卒から一社経験。入社して配属されたのは法人営業でした。
その後は、営業企画として商品の販売戦略・販促にも携わりました。

管理部門に異動したときも、初めて聞く言葉、仕事内容、社内調整、経営層への報告など、慣れないことだらけでしたが、持ち前の努力と、好奇心旺盛で学びに貪欲だったこともあり、着実に業務を習得し、社内外から信頼されていきました。

30歳を前にして、情シス業務を担っていた社員が退職。大学が理系だったこともあり、未経験ながら情シス業務も兼任するようになりました。
社内に知見を持つ人がいないため、本を購入したり、講座を受講したり、ベンダー企業から情報を得るなどして、自己研鑽に励みつつ、IT未経験の若手社員の育成もしていました。

そんななか、以前導入した基幹システムは機能としてはすごいものの、実際に使う社員からは使いにくいと不評で、活用されていない状況でした。
そこで、ユーザーである社員にヒアリングし、現状に見合った機能に絞って、システムの見直しをすることに。経営層にも、見直しの目的・導入期間・コスト削減されることを提案し、無事切り替えに成功することができました。

しかし「よくやったね」とは言われても、見合った待遇(昇進・昇給)は得られず、プロジェクトが落ち着いたタイミングで、やりきったという感覚を覚えるようになりました。

これまで手探りで、自己学習で知識を身に付けてきました。
体系立てて学びたいという思い、社内で知見を持っている人からも刺激を受けたいという思いが強まっていきました。

会社には女性の管理職はおらず、「優秀だし、よくやってくれているけど、これ以上の昇進は難しいかな」と上司との面談で言われたとき、決意が固まりました。過去に女性の管理職がいたことがない状況そのものよりも、それを良しとし、変えようとしない会社に絶望したのです。

女性管理職の割合を増やしたい企業


男女共通して”管理職になりたくない”という人が増えてきています。
プレイヤーに専念したい、社内調整で心をすり減らしたくない、部下のマネジメントに自信がない、など理由は様々です。

政府は、東証プライム市場に上場する企業の女性役員の比率を2030年までに30%以上にする目標を設けています。しかし、性別にかかわらず人手不足の企業は多く、採用することに重きをおいています。女性ありきで採用しているわけではなく、業務遂行のために人員が必要だからです。

そんななかで”昇進して管理職になりたい”という女性は、企業にとって貴重な存在です。冒頭でご紹介した女性は、東証プライム企業の内定を獲得されました。

”昇進したくない”女性の気持ち


一方、昇進できるが昇進したくない、という女性の方々ともお会いしてきました。それはすでに管理職としてバリバリ働いている女性たちが、ハードワークをしている様子を見ているからです。
”あんな働き方をしたくない”と戦々恐々とし、昇進前のタイミングで転職を考える方もいます。

キャリアは人それぞれ


これまでも、ペルソナでは女性のキャリアについて書いてきました。

■大手日系メーカーで海外で責任者クラスの駐在を任され、昼夜問わずいわゆるキャリアウーマンとして第一線で働いた方が、50歳を前に、QOLの向上を大切にしたいという思いから早期退職し、地方への移住を決めたケース。

■海外赴任を経て帰国時には32歳。”35歳転職限界説”まで3年しかないという焦りがありつつも、子育て環境を考えて、転勤を辞退。セレンディピティがキャリアを拓き、想像もしていなかった職種で転職したケース。

■出産・育児で海外に帰郷。育児をしながらも前職のようなダイナミックで難しいプロジェクトにチャレンジしたいという思いから、総合商社へ。外国籍、女性、育休と仕事の両立、グローバルビジネスに携わりたいという希望を叶えたケース。

女性のほうが様々な事情がキャリアに影響を及ぼすことが多いというのが事実です。これからも時折こちらのブログで、女性のキャリアについてお伝えできればと思います。

ペルソナ株式会社 金子

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